※ 毎朝、5分以内で読める書籍の紹介記事を公開します。
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
目次
はじめに
今はフリーの助産師として、地域で子育て支援活動を行っています。
家庭環境が原因で差別されたり、偏見の目で見られ、生きづらさを感じて生活してきました。今でいう「ヤングケアラー」です。
私自身は、ヤングケアラーだと意識して生活していたわけではなく、特別なことではないと思っていました。同様に、ヤングケアラーだと意識していた方は多くありません。それだけ、自分自身のことを誰かに語ったり、誰かに救いを求めたりすることが難しいのです。
苦しい環境にいても、出会った人や置かれた環境によっては、そこから脱却して、幸せな人生を送ることができるのではと思っています。
生きやすさを得ていただくための参考としてお使いください。
書籍情報
ヤングケアラーの歩き方
第1刷 2023年7月23日
発行者 青田恵
発行 (株)風鳴舎
印刷・製本 モリモト印刷(株)
装丁 渡邉民人(TYPE FACE)
本文デザイン 谷関笑子(TYPE FACE)
イラスト・漫画 マコカワイ
DTP BUCH⁺
販売促進 黒岩靖基、恒川芳久、吉岡なみ子、星野智子
校正 平川麻希
ISBN 978-4-907537-44-9
総ページ数 189p
大庭美代子
助産師、保健師、看護師、思春期保険相談士、小学校教諭一種、幼稚園教諭に主。認定NPO法人ピッコラーレ非常勤。母子支援活動家、新たに10代の居場所作りにも取り組みさらに活動の幅を広げています。
加藤雅江
杏林大学保険学部健康福祉学科教授。2016年NPO法人居場所作りプロジェクトだんだん・ばぁを立ち上げ、子ども食堂などの活動に取り組んでいます。
社会福祉法人子どもの虐待防止センター評議員、日本子ども虐待医学会代議員、NPO法人子ども・若者センターこだま副理事長。精神保健福祉士。
風鳴舎
- はじめに 本書の読み方・使い方
- さあ 旅のはじまり
- 旅のストーリー① 噓つきまくりの正義の騎士
- 嘘で世界を守りたい
- 嘘つきまくりの正義の騎士
- 旅人の日常 (複数)
- 旅人のエピソード (複数)
- 嘘をつく理由
- 家族の機能不全とその影響
- 欲求不満を抱えている
- 嘘をつくようになる
- 感情が麻痺する
- 子どもらしさを失う
- 感じたことを素直に話せない
- 旅のガイド
- 周りの大人にできること
- 監修者からのメッセージ
- 旅のストーリー② リトルガードマン
- 家族を守るのが自分の役割。今日も任務をまっとうする
- リトルガードマン
- 旅人の日常 (複数)
- 旅人のエピソード (複数)
- リトルガードマンが生まれる理由
- 家族の機能不動とその影響
- 大人の代わりに子どもがケアを担う
- 事故・事件にあいやすい
- 放任・無関心
- 自尊心の欠如
- 旅のガイド
- 周りの大人にできること
- 旅のストーリー③ 鎧を着た優等生
- 「ここに居てもいい?」いい子という鎧を着て安心する
- 鎧を着た優等生
- 旅人の日常 (複数)
- 旅人のエピソード (複数)
- 「いい子」という鎧を着る理由
- 家族の機能不全とその影響
- 関係性の貧困
- 精神的虐待
- 身体的虐待
- 感じたことを素直に話せない
- 心に殻をかぶる
- 他者との関係性がつくりにくい
- 社会から孤立する
- 個人責任だと感じる
- 旅のガイド
- 周りの大人にできること
- 旅のストーリー④ そうだ、学校だ!
- 自分の居場所はどこにある?
- そうだ、学校だ!
- 旅人の日常 (複数)
- 旅人のエピソード (複数)
- 居場所が必要な理由
- 家族の機能不全とその影響
- 自分時間がない
- 家庭が常に緊張状態(安心できない)
- 旅のガイド
- 周りの大人にできること
- 旅のストーリー⑤ たった一人の応援団
- たった一人の大人の存在が未来を変えることもある
- たった一人の応援団
- 旅人の日常 (複数)
- 旅人のエピソード (複数)
- 夢や目標を口にしてほしい理由
- 家族の機能不全とその影響
- 夢や目標が持てない
- 社会の無理解(自己責任論)
- 意欲の低下
- 旅のガイド
- 周りの大人にできること
- 旅のストーリー⑥ 就活・婚活ジレンマ
- 人生の転機には必ずジレンマが訪れる
- 就活・婚活ジレンマ
- 旅人の日常 (複数)
- 旅人のエピソード (複数)
- 就活・婚活ジレンマを抱える理由
- 家族の機能不全とその影響
- 物事の判断基準が自分以外にある
- 共依存
- 旅のガイド
- 周りの大人にできること
- 旅のストーリー⑦ 限界の扉が開く瞬間
- いつも誰かのために頑張る自分
- 時には自分自身を、意識して労わろう
- 限界の扉が開く瞬間
- 旅人の日常 (複数)
- 旅人のエピソード (複数)
- 意識して自分を労わる理由
- 家族の機能不全とその影響
- 人に頼れない
- メンタルの不調をきたす
- 旅のガイド
- 周りの大人にできること
- 旅のストーリー⑧ 心の氷にお湯
- 困った時に助けてくれる大人はいる そう信じられることが生きる力に
- 心の氷にお湯
- 旅人の日常 (複数)
- 旅人のエピソード (複数)
- 子ども周りにいる大人の存在が大切な理由
- 家族の機能不全とその影響
- 情報の貧困
- 経済的な貧困
- 困りごとが外から見えにく
- 旅のガイド
- 相談できる場所、相談できる相手
- 周りの大人にできること
- 旅のストーリー⑨ 宝の箱はお散歩圏内に
- 安らげる居場所、困った時に逃げ込める居場所がひとつでも多くできますように
- 宝の箱はお散歩圏内に
- 旅人の日常 (複数)
- 旅人のエピソード (複数)
- お散歩圏内に居場所が必要な理由
- 家族の機能不全とその影響
- 経験の欠如
- 期待に応えようとする
- 意欲の低下
- 旅のガイド
- 周りの大人にできること
- 旅のストーリー⑩ 運命がレモンをくれるなら
- 思い切って飛び出そう あなたの人生は、誰のものでもない、あなた自身のもの
- 運命がレモンをくれるなら
- 旅人の日常 (複数)
- 旅人のエピソード (複数)
- あなたの人生を大切にしてほしい理由
- 家族の機能不全とその影響
- 自分時間がない
- 共依存
- 旅のガイド
- 周りの大人にできること
- 参考図書
- おわりに
- コラム
- 受援力
- 居場所作りプロジェクト「あゆみYELL」の軌跡
- 希望のバトンをあなたに
- 子育て支援・家事支援
嘘つきまくりの正義の騎士
日常:実例
両親は共働きです。欲しいものを買ってもらえたし、お小遣いも多くもらえていました。
両親は、仕事帰りや休みの日に2人でパチンコに行くことが多く、両親がいない間、僕は弟と一緒に留守番をしていたのです。
テーブルの上にはお金が置いてあり、コンビニで何か買って食べるような毎日を過ごしていました。
嘘つきエピソード
両親の買えりが遅かったので、よく弟と遊んでいました。
外で遊んでいると、近所の人から「もう遅いから、お帰り?」と声をかけらることもあったのです。
「まだ大丈夫」と答えると、「お母さんは今日、何をしているの?」と聞かれました。
「家にいるけ、具合が悪いから寝てる」と嘘をつくことにしていたのです。
言っていけないような気持ちになっていました。
嘘をつく理由
家族の問題は基本的に加須で解決するという、根強い社会の風潮があります。自己責任という見方をする人も多いため、偏見の目で見られてしまうこともあるのです。
家族の問題が祖には見えないように、見せないように隠すことが多いように思います。
子どもなりに、世間の親はこうあるべきというような偏見を感じているのです。
周りに迷惑をかけないようにしたり、自分を守るためにしたり、さみしい・悲しい・うらやましいという感情を隠すために嘘をつきます。
子どもが嘘をつくとき、その裏には困りごとが隠されているかもしれません。
家族の機能不全とその影響
●欲求不満を抱えている
●嘘をつくようになる
●感情が麻痺する
●子どもらしさを失う
●感じたことを素直に話せない
たった1人の応援団
実例
良い子でいなくてはいけないと、強い気持ちで何となくピンと張りつめていました。
高校2年生まではそれでも頑張れていたけれど、高校3年生になってブツリと気持ちが切れたようになってしまい、いろいろなことに急に無気力になっていました。
学校も不登校気味になり、勉強にも身が入らずに、将来の夢のために大学入試を目指していたのですが、受験に失敗してしまいました。
夢や目標は口にしよう
閉ざされた空間の中で、ケアの担い手として家族からも期待され、時には家族以外の人からも、そのような役割を期待されることがあります。その期待に応えるため、諦めたりすることも良くあるかもしれません。
けれども、やってみたいことに挑戦してみてほしいのです。未来につながる種が見つかればいいし、見つけた種を踏みつぶさないように、周りが水やりと肥料をあげれば環境が整います。
未来ある子どもに支援したいという大人はたくさんいます。興味があることを見つけたら、夢や目標を臆せず口にしてほしいのです。
家族の機能不全とその影響②
●夢や目標が持てない
●社会の無理解
●意欲の低下
周りの大人にできること
ただ、ただ話を聞く
否定せずに自分の話を聞いてくれる存在は、とても大事です。
正論やアドバイスは、その子にとって何の役にも立ちません。
なんてことない事をアドバイスしたつもりが、その子にとって大変な状況にショックを受けてしまうと、大人に話すことをやめてしまうことがあります。
淡々と話を聞いてあげてください。
子どもが自分で社会資源につなげることはかなり難しいことです。子どもから困りごとや要求を引き出すことができた、慎重に必要な情報を伝えてあげてほしいと思います。
大人も相談する
大人の私たちも、何か困ったとき、不安がある時、相談できるような相手を見つけられるよう、相談できるようにしておきましょう。
「困った時には相談してね」と伝えていても、大人の私たちが誰にも頼れない、相談できないと感じるような環境にあれば、社会が変わりません。
誰かに頼ったり、相談する練習をしましょう。
子どもは大人の反応をよく見ています。自分の周りの応援団を見つけていきましょう。
情報、支援サイト
ヤングケアラーの数
中学2年生 約17人に1人 5.7%
高校2年生 約24人に1人 4.1%
ヤングケアラー特設サイト
居場所つくり参考例
子どもの居場所をつくる取り組みとして、地域や団体が活動している場合があります。
人生いつからでも夢は叶う~希望のバトンをあなたに~ インスタグラム
あとがき
すべての方にあてはまる訳ではありませんが、聞かせていただいた貴重な経験談から、ヤングケアラーが抱える苦悩をお伝えすることができたら嬉しく思います。
感想
サイト管理人
学校のクラスに2人ほどヤングケアラーがいるということです。疲れていて、良く寝ている生徒の背景を考えられない先生やクラスメイトから、弄られたり、イジメたり、そうでなくても笑われたりするわけです。
家族のケアが当たり前になっていて本人が疲弊していることに気づきません。実際そうした状況で育った人は、社会経験が薄くて簡単な作業の仕事内容であっても、仕事が遅かったり、覚えられなかったり、コミュニケーションがズレているので常識外れの行動をしたりします。
実際に、後輩として入ってきた人はこういったひとだと、仕事教えるにしても、「わからないなら、なんで聞いてこない」と不満が募ります。どちらも不幸です。
こういった人は、わりと現場でコミュニケーションをする仕事から離れることができると、独特な個性を発揮してネットワークを介したメディアで成功したりします。興味を持ったことを話せる大人をいるかどうかは、やっぱり重要なのではないでしょうか。
下にリンクを貼っておきますので、本書の購入を検討してみて下さい。
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