※読んだ本の一部を紹介します。
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
はじめに
日本は今ところ、先進国の中では最もインフレ率が低い国です。しかし、今後世界でインフレ率が高くなり、ハイパーインフレになる可能性が十分にあると私は思っています。
長年警告してきたXデイがついに到来してしまうのです。
目次
書籍情報
タイトル
Xデイ到来
資産はこう守れ!
著者
藤巻建史
日本金融学会所属。フジマキ・ジャパン代表取締役。東洋学園大学理事。
三井信託銀行ロンドン支店勤務、米銀のモルガン銀行で資金為替部長を歴任しました。
出版
幻冬舎
米国のインフレ 消費者物価編
ポイント
●アマゾンの労働組合で時給約4300円への引き上げ案がでている。
●2021年からかなりのインフレが米国で起きている。
週末の郵便局の車の運転手アルバイトを時給17.78(約2300円)で募集しているようです。それでも集まりません。これは2021年4月のことです。
アマゾンの時給は1700円で、安すぎるとデモが起こりました。
最近では、アマゾンに組合が結成され18ドル強から30ドルへの最低時給引き上げや休息時間の延長など労働条件の改善を掲げています。
米国のインフレは、かなり前から始まり進み続けているのです。
円安はどこまですすむのか
ポイント
●円は日本の自国通貨なので、いくらでも刷れる。
●しかし、いつまでも信用のある通貨だとは限らない。
●世界の中でも断トツに紙幣を印刷している。
現状とかけ離れた予想をするたびに、「非現実的なことを言うな」とのコメントが舞い込んできます。
皆さんがそう思いたい気持ちはよくわかります。しかし、残念ながら、希望と現実はきちんと区別して考えねばなりません。
日本は経済破綻を先送りにする政策として、紙幣を刷って賄うことにしたのです。円は日本の自国通貨ですから、いくらでも擦れます。
しかし、いつまでも信用のある紙幣を刷れるとは限らないのです。世界の中央銀行の中でも、断トツで数を刷っているので、円の信用を無くし世界で一番価値を下落してもおかしくないのです。
誰も売らなければ国際市場は崩れないの嘘
ポイント
●発行している国債は国債保有者が買い替えるだけでは済まない。
●余った国債は日銀が買い続けなければならない。
2017年に政府は141.3兆円の国債を発行しています。満期が来た国債の100兆円強は、今までの国債保有者が買い替えてくれれば済む話ですが、2017年に新たに生じる借金補填のための新発30兆円は誰かが買い増ししてくれないと、国債市場全体で需要不足になってしまうのです。
低金利で、買い増ししてくるのは日銀以外にありません。日銀はいつまでも国債を買い続けなければならないのです。
ハイパーインフレの国民生活
ポイント
●インフレは債権者から債務者への富の移行。
●インフレは究極の財政再建でもある。
●ハイパーインフレは国民にとっていいことがない。
インフレとは、債権者から債務者への実質的な富の移行です。1000万円を銀行から借りている個人タクシーの運転手さん(債務者)はインフレがくれば助かります。
この国においての債権者は国民で、日本最大の債務者は国です。
物価は高騰し、貯めた預金が実質減ります。ハイパーインフレは国民にとって地獄かもしれません。一方で究極の財政再建なのです。
財務省や日銀のエリートたちは、それなりに穏やかなインフレで借金を軽減しようと考えています。7%のインフレを10年継続すれば、借金は実質半分になるはずでした。しかし、財政ファイナスをした結果、日銀はインフレをコントロールできなくなっています。
国民にとっては地獄のハイパーインフレは財政再建なので、充分にハイパーインフレが進まないと政府はインフレ退治を始めないでしょう。
感想
サイト管理人
楽観的、悲観的な将来のどちらを想定しているかといえば、悲観的イメージを語っています。
「現実問題として、インフレに歯止めが効かなくなっています」という本です。楽観的シナリオだけでなく、悲観的シナリオにも対応していくことも大切だと思いました。
この話の続きとして、日本はこうすると良い、個人として~投資はありだ、と書かれています。円以外の資産を持っておくのもアリということで、気になる方はチェックしてみても良いのではないでしょうか。