世界のニュースを日本人は何も知らない6/著者:谷本真由美

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書籍情報

タイトル

世界のニュースを日本人は何も知らない6

発刊 2024年12月25日

ISBN 978-4-8470-6709-9

総ページ数 270p

書評サイト 読書メーターBook Bang

出版社リンク ワニブックス

著者

谷本真由美

元国連職員。
世界各国での労務経験があり、ITやコンサル、金融会社に勤めていた。

出版

ワニブックス

もくじ

  • はじめに
  • 第1章 世界の「最新ニュース」を日本人は何も知らない
    • インバウンドでやってきている外国人を日本人にたとえると
    • 中国のZ世代を日本にたとえると
    • お金はないのに、消費に熱心な月光族
    • 中国のZ世代は、破産状態?
    • 留学をあきらめる中国家庭
    • 中国のZ世代は、超強烈なネトウヨ愛国主義でもある
    • 海外のIT系富裕層を日本にたとえると
    • 海外のチー牛が、日本を目指してやってくる理由
  • 第2章 世界の「ニュースの“その後”」を日本人は何も知らない
    • ロシアの「その後」はどうなっているか?
    • 締めつけられるロシアと、その支援国
    • 日本ではいっさい報じられないスパイたちの暗躍
    • 日本よりひどい? 海外のサイバー攻撃の数々
    • 半導体すらまともにつくれないテクノロジー途上国、ロシア
    • ロシア国内で即効型インスリンが不足
    • 中国がアフリカに融資した金はどうなったか?
    • アフリカのメディアに相変わらず影響を及ぼす中国
    • 「国営放送には自分の声がない」と歌うザンビアのラッパー
    • コロナ感染者の選別は、日本より欧州のほうがシビアだった
    • コロナ感染対策、熱意のちがい
    • 「南京大虐殺を忘れるな」発言の背景に潜む闇
  • 第3章 世界の「超ローカルニュース」を日本人は何も知らない
    • 侮辱されることに激怒する中国人
    • ロシア、SNSで募集した闇バイトに工作活動を依頼
    • イギリスの乱交好き既婚女性刑務官の大失態
    • 韓国の大学でマルクス経済学が超不人気で講座閉鎖
    • インド映画界のセクハラスキャンダル
    • 歴史教科書を書き換えるインド政府
    • ブルボン王家の末裔が王政復古を企む
  • 第4章 世界の「戦略(思惑)」を日本人は何も知らない
    • パリオリンピック騒動から学ぶフランスの戦略
    • 「全身青塗りのおじさん」は庶民のアイドル
    • カトリック教会が暴力の標的に
    • なぜフランスは五輪選手に超イケズだったのか?
    • 岡本太郎も見抜いていたフランスの本質
    • 世界の中心であることを強調するフランス
    • グローバルジャイアン主義は世界の戦略
    • フランスとは戦略が違うイギリス
    • 調整上手な「ちゃっかり屋さん」、イギリス人にはご用心!
  • 第5章 世界の「本当は怒っていること」を日本人は何も知らない
    • アジア系差別に激怒するアメリカのアジア系
    • 東洋人は、いまだに差別される存在
    • 優秀であるがゆえに嫌われる東アジア人
    • 東アジア系の親は、なぜ教育ママになってしまうのか
    • 低年齢の強制結婚、近親婚に怒る先進国の人々
    • 「女性器を切り取る」 命にかかわる人権侵害
    • 「女性器を切り取る」命にかかわる人権侵害
    • LGBTQ+万歳だったユーロビジョンに激怒した欧州の人々
    • 悪魔崇拝から「とにかく明るい安村」さんのパクリまで
    • キャリアの先行きのなさに怒る台湾の若者
    • 台湾の若年層の貧困は、政府の失策?
  • 第6章 世界の「EU極右化事情」を日本人は何も知らない
    • 欧州で躍進する「極右」
    • 二極化する欧州
    • なぜ保守や極右の人気が高いのか?
    • 若手が急増する右派
    • マクロンが大敗したフランス
    • 極右政党大躍進のドイツ
    • 中道右派にシフト、原発再稼働に舵を切ったイタリア
    • リベラルなのに、極右が大人気のデンマーク
    • オランダの第1党は、反イスラムの極右
    • フランスから難民を押しつけられるオランダ
    • イギリスの有権者が保守党に幻滅した理由
    • なぜイギリスだけ保守派が大敗したのか?
    • 移民による殺人事件が増加
  • 第7章 世界の「裏ワザ」を日本人は何も知らない
    • “クソ客”の対応を拒否する方法
    • 過激派に学ぶ、AI活用の仕方
    • AIのチャットボットのトレーナーになって稼ぐ
    • 見本だけを展示してリスクを防ぐ小売店
    • コロナ後に登場、「スローダウン」を提供する新型ビジネス
    • 中国の反日教育の弊害
    • いつ攻撃されてもおかしくない日本人
    • 海外で身を守る方法
  • 第8章 世界の「日本の皇室の評価」を日本人は何も知らない
    • イギリスで大人気な日本の皇室
    • 王室が存在する国は、実は少ない
    • イギリスが日本の皇室を特別扱いしてくれるワケ
    • ノルウェー王女が陰謀論者の“自称”レプティリアンの霊媒師と結婚!
    • ノルウェー王太子妃の長男はヤク中で逮捕歴あり
  • 第9章 世界の「最新エンタメ事情」を日本人は何も知らない
    • 「ゴジラ」は、世界でなぜ高く評価されたのか
    • 成功したい日本企業はゴジラに学べ
    • 弥助騒動とトンデモな歴史修正主義
    • 弥助の史実化”は食い止めるべき
    • アフリカ系の人々が抱く、サムライへの憧れ
    • 弥助のヒットから、ビジネスチャンスを見つけよう
    • 「抖音」メイクアップが大流行
    • 抖音に支配される世界の高級ブランド
    • 日本のバブル期を彷彿させる中国のCM
  • 第10章 世界の「重大ニュース」を知る方法
    • 学術論文や文章を評価する方法
    • テレビに出ている学者を評価する方法
    • AIを使って仕事を効率化したり、発信する方法
  • おわりに

書籍紹介

 谷本真由美さんが手掛けるこのシリーズは、すでに多くの読者から支持を得ている人気の作品です。今回はその第6弾ということで、日本人が普段あまり触れることのない世界のニュースや出来事にスポットを当て、わかりやすく解説してくれます。谷本さんは海外での生活経験が豊富で、鋭い視点とユーモアを交えた文体が特徴です。そのため、難しい話題も身近に感じられるよう工夫されています。

時事ネタ満載

 本書では、国際的な事件や政治、経済、文化など幅広いテーマが取り上げられています。日本にいると、どうしても国内のニュースに目が向きがちですが、この本を読むことで、世界で何が起きているのかを自然と知ることができます。特に、メディアではあまり大きく報じられないような話題にも光を当てている点が魅力的です。谷本さんの分析はデータや事実に基づきつつも、読者が退屈しないように軽快なトーンで進んでいきます。

日本人だからこそ面白く感じる

 この本は単なる情報提供に留まらず、日本人としてどう考えるべきか、あるいはどう行動すべきかという視点も提示してくれます。グローバルな視野を持つことの大切さを教えてくれる一冊です。普段忙しくてニュースをじっくり見る時間がない方や、海外の事情に興味があるけれど何から始めればいいかわからない方にもおすすめできます。

 るこの本は、シリーズのファンだけでなく、初めて読む方にも楽しめる内容になっています。谷本真由美さんの独特な語り口と深い洞察が詰まった「世界のニュースを日本人は何も知らない6」です。世界の見方が少し変わるかもしれません。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

中国のZ世代

 中国のZ世代の支出は家計収入の13%を占めており、フランスやドイツ、アメリカ、イギリスといった先進国の3~4%と比較すると、はるかに高い割合です。 中国のZ世代は貯金ができず、破産状態だという指摘もあります。おそらく、中国のZ世代は想像以上に厳しい状況です。

 美術品オークション大手サザビーズは2024年の売り上げが25%減、収益は88%減となり、50人を解雇しています。

 コロナ後の不動産市場の崩壊があってから、中流階級以上の過程で留学をする学生がいなくなりました。イギリスに1年間留学する学費500万円を現金で即納していた状況があったため、その中国人学生が頼みの綱だったイギリスの大学は倒産寸前のところも出てきています。

 不満を抱えた若者が、政府に対する反対運動やデモに参加し始めています。この若者たちは、ネットの世界では清朝末期の抗日運動コンテンツをみています。反日ミームや動画を共有することが、娯楽になっているようです。中国共産党による海外の情報の遮断により、外の情報をみることに興味がありません。Google、YouTube、Facebookの存在を知らないのです。経済が強い時代しか知らないZ世代は、情報規制により、愛国ネトウヨ化しています。

コロナ後に登場、「スローダウン」を提供する新型ビジネス

 ハーバード・ビジネス・レビューの記事「顧客のスローダウンを支援するビジネスの成長」によれば、北米や欧州ではそのように大忙しになってしまった人々に対して、スローダウンした生活を提供するビジネスが流行しているようです。

 同じビジネスが横行し、競争が激化している韓国では、オーバーワークの人がおおく、自ら独房に入る「私の中の刑務所」サービスが人気です。刑務所での労働の部分は、リハビリテーションに置き換わり提供されています。滞在する部屋も清潔であり、あくまでも日常の忙しさから逃れるというコンセプトで展開しているようです。

 イギリスの大手百貨店であるセルフリッジズは顧客が時間を過ごせる部屋を提供し、化粧品大手のオリジンズは顧客がゆっくりと買い物ができるように売り場の大きさを広げています。公共の場にクワイエットコーナーをつくり、お喋りや音楽NGの無音空間を作っている場所もあります。

 フェスティバルなどが下火になり、キャンプや生活のスピードを落とすことに価値が生まれてきているようです。

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