※ 毎朝、5分以内で読める書籍の紹介記事を公開します。
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
目次
はじめに
なんとなく、感覚的にそれを買いたいと思うことがあります。本書ではそうした、消費の世界の裏側やその世界をデザインするコードを明らかにします。ブランドのロゴ、ニュースフィードをスクロールして表示される広告、CM、アプリといったものは、脳の構造をを利用するためにつくられたものです。消費者に知られることも同意を得ることもなく影響を及ぼします。
神経科学にもとづいた消費世界は、特定のルールや制約のなかで機能する複雑なメカニズムで出来ています。そこではマーケティングが絶えず脳に働きかけて、消費者の思いや欲求を思いのままに引き寄せようとしているのです。
書籍情報
「欲しい!」はこうしてつくられる
脳科学者とマーケターが教える「買い物」の心理
第1刷 2022年1月26日
訳者 花塚恵
発行者 中村幸慈
発行 (株)白揚社
装幀 藤塚尚子(e to kumi)
印刷・製本 モリモト印刷(株)
ISBN 978-4-8269-0234-2
総ページ数 372p
マット・ジョンソン
ハルト・インターナショナル・ビジネススクール教授。作家、研究者、講演家。
プリンス・ギューマン
ハルト・インターナショナル・ビジネススクール教授。専門はニューロマーケティング。
白揚社
消費者が注意を向ける対象を固定する
UnsplashのEleni Afiontziが撮影した写真
ショッピングモールに時間つぶしに出かけ、ぶらぶらと見て回るときは、注意を向ける対象は外から誘導されます。CM、看板広告は周囲の日常的な色合いに溶け込まない派手な色調です。単純に目で見るレベルだと、脳は対比の強いものに注意を向けます。
ユーザー体験を考案する人は、脳が対比の強いものに引き寄せられやすいことを知っていて、その特性をうまく活用しています。
フェイスブックを例にあげると、対比を使ってキャンセルボタンに注意を向けさせることでログアウトから遠ざける仕掛けなどを設けているのです。
快ー不快=購入
UnsplashのDollar Gillが撮影した写真
スタンフォード大学で神経科学を研究するブライアン・ナットソンのチームは、fMRIを使った実験を行っています。主に脳の快楽中枢と深いを司る領域の克殿違いを通じて、人がものを買うかどうかの予測が可能になると実証しました。
快は商品を提示したときに観測され、不快は価格を提示したときに測定されています。快をつかさどる境域の活動が深いをつかさどる領域より強いとき、購入にいたる確率が非常に高いです。
モノを所有しないで得られる快が、所有物を捨てる不快に勝つ人がいます。モノを手放す不快の方が、家を片づけることで得られる快に勝る人もいます。
優秀なブランドは、快を最大にして不快を最小にしようとする私たちの習慣を利用しているのです。
流暢性効果
Image by John R Perry from Pixabay
何度か目にしたことのあるものは頭に浮かびやすくもなり、人はそういうものも好むのです。
脳は総じて考えることや計算を嫌います。未知のものの処理には、既知のものの再処理より労力がかかるので、簡単に頭に入ってくるほうを好みます。
株の銘柄コードでも「GOOG」などの株は「NFLX」などの株より頭に入ってきやすいので、成績が確実に上回ったといいます。文字フォントでも内容や読みやすい内容の方が正確であると思い込みやすくなるのです。
消費者の顔に入れ替えた広告
顔データを扱う技術を使えば、動画に出てくる特定の人物の顔を完全にあなたのものと入れ替えた広告を作成できます。既にナンシー・ペロシ下院議長などの政治家がフェイク動画の被害に遭ったと、厄介な倫理的な問題が持ち上がっています。
世間で見受けられる顔入れ替え技術の使い方は無害なものがほとんどです。インターネットで人気を博し、娯楽となっています。
不安を回避する脳思考を利用して、悲惨な事故の動画にでてくる被害者の顔を入れ替えて、保険に勧誘するなどの使い道も考えられます。こうした個人を狙い撃ちする広告は、まだ具体的な形をとっていません。
倫理の問題はあるけれど、顔を使って個々に向けたマーケティングを行う未来はすぐそこにきています。
感想
サイト管理人
ペットボトルのラベルにしても、本当に旨そうだったり、爽やかそうだったり、エネルギーチャージできそうです。
金色の〇で囲まれた「特保」のマークが書かれているものに惹かれて買うひともいるでしょう。満腹感を得られやすい成分を食事と一緒に取ると効果があるものと、飲んですぐに運動することで効果があるといった種類があります。「特保」と書かれると消費者庁が認めていることをアピールできるので、健康に良いというざっくりとした認識で売れている印象があります。
ほとんど、詰め替え用で作れるような飲み物と水なので、学生の時ほどパッケージ買いをしなくなりました。けれど、1度エナジードリンクを飲むと、しばらくしてまた飲みたくなる衝動にかられます。一種の洗脳です。味が濃い飲み物やラーメンには脳が反応して、繰り返し食べたくなる中毒性がある気がします。
支出と向き合ってから、価格への不快のほうが大きくなり、いつの間にか食べなくなりました。こうした、マーケット心理のような書物でも、読めば生活に役立つことがあるようです。
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