「ずる賢さ」という技術

※読んだ本の一部を紹介します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 2021年1月にポルトガルリーグへ移籍すると、「ずる賢さ」という概念を突き付けられました。

 「たとえ味方がわざと倒れたことに気がついても、本気で抗議に行け」日本ではこんな指示を出す監督はなかなかいないでしょう。

 得点でいえば、どんなスーパーゴールでも、ごっつぁんゴールでも同じ1点なのです。

書籍情報

タイトル

「ずる賢さ」という技術

日本人に足りないメンタリティ

編者 箕輪厚介

発行者 見城徹

発行 (株)幻冬舎

ブックデザイン 戸倉巌 小酒保子(トサカデザイン)

印刷・製本 中央精版印刷(株)

編集アシスタント 篠原麻衣 木内旭洋

著者

守田英正

 金光大阪高校から流通経済大学に進み、4年時に全日本大学サッカー選手権大会で優勝を果たして最優秀選手に輝きました。
 川崎フロンターレ入団1年目からレギュラーを張り、優勝に貢献しています。2020年にも優勝を果たしました。2021年1月からポルトガルリーグに移籍し、2022-23シーズンから名門スポルティングCPでプレーしています。
 2018年に日本代表デビューしており、カタールW杯アジア最終予選では、チームの主軸としてプレーしました。

出版

幻冬舎

「努力してないふり」が差をつける

 流通経済大学のサッカー部は「日本で最もJリーガーを排出した大学」と呼ばれるプロ養成機関で、約200人の部員が11枠しかない先発の座を争います。

 寮の近くに「たつのこ山」と呼ばれる標高41メートルの小さな丘があり、意識の高い選手はそこにある長い階段を走るのが恒例になっていました。

「ヒデ、明日の朝走る?」
そう聞かれると、たいていこう答えていたのです。
「いや、明日はいいや」

 もちろんフェイクで、早起きして他のみんなが寝ている間に1人で走りにいきました。

 毎朝のように、たつのこ山で走り込み、ジムで筋トレをしていた記憶があります。

 高校時代ガリガリだったのが、見違えるように体が出来上がり、苦手だった守備がいきなり自分の得意分野になったのです。

聞き流す

CouleurによるPixabayからの画像

 反抗的な態度を取るのはいけません。「聞き流す」というのは、感情に左右されないための処理です。常に自分を忘れないようにするための行動になります。

 違うだろうという意見も一旦は受け入れて考え直すこともします。必要か不必要かを自分の頭で考えてから、自分のものにするかを決めるのです。

 最初から全てを受け入れてしまうと、思考がストップして受け身になる可能性があります。

 いらんと思ったら切るのです。同時に「本当にいらんのか?」と検討します。これが僕の取捨選択法です。

カフェインでギンギンにする

(Joenomias) Menno de JongによるPixabayからの画像

 夜の7時キックオフの場合、4時くらいに軽食の時間があるので、そこでコーヒーを飲みます。ホテルでミーティングの際に2回目のコーヒーを頂くのです。スタジアムに着いたら、ロッカールームで3回目のコーヒーを飲みます。アップを済ませてロッカールームに戻り、カフェイン入りのエナジーゼリーを口にします。そして、ハーフタイムにエナジーゼリーを食べるのです。

 計5回のカフェイン摂取を行います。

 栄養士が言うには、もっと取っている選手もいるから、気にしなくて大丈夫なのだそうです。

 試合後は眠れないことがザラで、連戦のときは睡眠薬を使用します。

「足がつる」という感覚

Gabin ValletによるPixabayからの画像

 もともと体力に自信があり、日本ではどのチームに行っても持久力がトップクラスで、足がつることはありませんでした。

 しかし、スポルティングでは、すでに開幕前の練習試合で足がつりかけていました。強度がかなり高いのです。

 守備において求められるスプリント数が、日本にいるときと段違いになります。長い距離を走り相手を潰しに行くことが求められているのです。

 「後ろを気にしなくていいから前に出ろ。パスを通されても、後ろの選手が責任を持って対応する。とにかく相手を前進させるな」アモリム監督からはっきり言われたました。

 それぞれの責任は「前」にあり、「後ろ」をとられたとしても、そのスペースを受け持つ選手の責任です。責任の所在がすごくはっきりしています。

 ボールを失った時に、どうしても後ろに下がる癖があるようで、「戻るな!」と指摘されます。「理に適っている」と納得できるのです。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 スポルティングの戦術の場面で理解が追いつかなかったので、サッカーはわかりませんが、少し調べてどういうことなのだろうと自分なりに考えてみました。

 オフサイドというルールがある以上、ディフェンダーの最終ラインは高く保てた方が守りは堅いのでは、という事だと思います。

 ゴールエリアから少し離れた、ミドルシュートが狙えるような位置をアタッキングサードと言うようで、そこで相手にボールを持たれることは、将棋でいうところの王手のようなものです。2手3手で詰みにされる状況を作り出されるかもしれません。

 要は最終ラインを保つためには、ボランチにあたる選手が下がってしまうと、困るのです。

 だぶん、そう言うことだと思います。

 ややこしい事をいうと、そこにゲーゲンプレスという戦術が関わってきて、前線からプレスをかけてミスをさそうことをしたいから、真ん中の選手の運動量が大事になってくるという意味なのでは…

 そこで、守田選手は戦っているということになります。

 サッカーはdirtyスポーツです。短期勝負の縮図のようなものだと感じました。短く勝負をつけるなら、汚いことも有効なのだと思います。

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