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目次
書籍情報
改訂新版 最新 健康診断と検査がすべてわかる本
矢冨裕
国際医療福祉大学大学院長
野田光彦
国際医療福祉大学市川病院
糖尿病・代謝・内分泌内科病院教授
時事通信出版局
- はじめに
- 本書の特徴
- 編集・執筆者紹介
- Ⅰ 健康診断の受け方と結果の生かし方
- ❶ 正しい検査の受け方・検査値の見方
- ❷ 健康診断のねらいと結果の受け止め方
- Ⅱ 各検査の新知識
- 検査を受ける前に
- 検査の種類
- 血液検査・尿検査でわかること
- ❶ 身体計測
- ❷ 血圧測定
- ❸ 血液生化学検査
- ❹ 血球検査
- ❺ 血栓・止血検査
- ❻ 炎症マーカー・免疫学的検査
- ❼ 輸血・血液型検査
- ❽ 腫瘍マーカー検査(がんの検査)
- ❾ 感染症検査
- ❿ 尿検査
- ⓫ 便検査
- ⓬ 妊娠に関する検査
- ⓭ 病理検査
- ⓮ その他の検体検査
- ⓯ 生理機能検査
- ⓰ 眼科・耳鼻科の検査
- ⓱ 画像診断(X線・超音波・内視鏡・核医学)
- ⓲ 遺伝子関連検査、染色体検査
- Ⅲ おもな病気と検査
- ❶ 脳・神経・筋の病気
- ❷ 目の病気
- ❸ 耳の病気
- ❹ 鼻・のどの病気
- ❺ 心臓・血管の病気
- ❻ 気道・呼吸器の病気
- ❼ 食道・胃・腸の病気
- ❽ 肝臓・胆道の病気/膵臓の病気
- ❾ 腎臓・泌尿器・男性性器の病気
- ❿ 血液の病気 253
- ⓫ 内分泌の病気(脳下垂体、甲状腺、副腎の病気など)
- ⓬ 代謝異常による病気
- ⓭ 免疫異常による病気(膠原病など)
- ⓮ 骨・関節・筋肉の病気
- ⓯ 性感染症
- ⓰ 女性の病気
- おもな検査の基準値一覧
- さくいん
書籍紹介
健康状態を把握する方法を知れる
健診や人間ドックで見る検査結果の解釈方法から、検査を受ける際の注意点、さらには異常値が出た時の対処法までをカバーしています。特に注目すべきは、検査結果から疑われる病気や、特定の病気を診断するための検査が一目で分かる点です。これにより、自分の健康状態をより客観的に理解することができます。
著者の専門性
矢冨裕さんは内分泌代謝学の専門家で、野田光彦さんも同じく内分泌学に精通しています。両氏の経験と知識が、この本の信頼性を大いに高めています。特に、野田さんは糖尿病研究のスペシャリストであり、その視点から見た検査の重要性がよく伝わってきます。
改訂新版のポイント
この改訂新版では、最新の医療情報や新しい検査項目も含まれています。例えば、血液の病気に関する最新の知識が追加されているなど、読者が最新の医療情報を得られるように配慮されています。
健康状態を知るための投資
本書は、健康診断の結果に「要再検」や「要精査」と出たときの対処法が具体的に書かれています。さらに、基準値、基準範囲、臨床判断値の違いについても明確に解説されています。これにより、検査結果の数値が何を意味するのか、プロの視点から理解することができます。
健康意識の高い人や自分の体のことをもっと知りたい人にとっては必携の一冊です。特に、健康診断の結果が不安な人や、検査結果をもっと深く理解したい人に強くおすすめします。本の購入は健康への投資と思えば安いものでしょう。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
CEA 消化器系のがん検査
CEA(カーゾ抗原)は、大腸がんの組織や消化管から抽出される糖タンパク質です。大腸がんや肺がんなど、さまざまながんに広く見られ、がんの診断補助検査や手術後の経過観察に最も多く利用されている腫瘍マーカーの一つです。
CEAの値はおおむね腫瘍の量を反映するため、再発や転移の発見に有効な指標となっています。しかし、早期がんや進行度の低いがんの診断には適していません。
CEAはがん細胞以外の正常な細胞でも生成されます。膵管、胆管、消化管などからスムーズに排泄されなければ、血液中のCEAレベルが上昇します。
また、CEAは慢性感染症、糖尿病、加齢、喫煙習慣などでも上昇することが知られています。
大腸がん
早期の大腸がんは自覚症状がほとんどないため、集団検診や人間ドックで偶然発見されることが多いです。進行すると、血便、腹痛、便秘や下痢、細い便、体重減少、貧血などの症状が現れます。
早期に発見できれば、内視鏡治療で治癒する可能性が高いです。この場合、腸を切除する必要がなく、治療後も通常の生活を送ることができます。しかし、新たな癌が発生する可能性もあるため、定期的な検査が必要です。
手術による根治切除が可能であれば、長期生存が期待できますが、手術ができない場合は抗がん剤治療が選択されます。抗がん剤治療では、一般的に約2年が標準的な生存期間とされています。
大腸がんの診断には、下部消化管X線検査、下部消化管内視鏡検査、および生検が使用されます。転移の有無を調べるためには、腹部CT、超音波検査、および腫瘍マーカーの検査が行われます。
ぎっくり腰(コラム)
ぎっくり腰は、腰をかがめる、そらす、回すなどの動作に伴って、急に生じた腰痛のことです。欧米では「魔女の一撃」とも呼ばれています。
荷物を持ったり、腰をかがめたりする際には、事前にゆっくりと腰の屈伸運動をしておく、ひざを軽く曲げて体の近くで物を持つ、足場の悪いところで無理な姿勢で持つことを避けるなどが予防として有効です。
ぎっくり腰は、安静にしていれば1週間以内に軽快します。1週間以上続く場合は、骨折や椎間板ヘルニアの可能性があるので、早めに整形外科を受診することをお勧めします。