※読んだ本の一部を紹介します。
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
はじめに
脳のなかでは絶えず新しい細胞が生まれ、お互いにつながったり、離れたりしています。何かするたびに、何かを考えるたびに、脳は少しだけ変わるのです。
どうすればベストな形に変わるだろうか。
じつは体を動かすことほど、脳に影響をおよぼすものはありません。
目次
書籍情報
タイトル
運動脳
著者
アンデシュ・ハンセン
上級医師として病院に勤務するかたわら、多数の記事の執筆を行っています。
ベストセラーになった『スマホ脳』(新潮社)が有名です。
自身も、テニス、サッカー、ランニングと週5日、少なくとも1回45分取り組んでいるようです。
訳:御舩由美子
出版
サンマーク出版
賢くストレス・不安を解消する
運動のメリット
●脳の情報伝達の機能が上昇する。
●脳が変化する作用を高める。
●短期記憶が長期記憶に変わるブレーキが緩和する。
●ストレスや不安に対しての抵抗力がつく。
ストレスがゼロの生活を送ることは、まず無理です。ストレスに対する抵抗力を高めるほうが、はるかに賢明といえます。抵抗力をあげることこそ、運動のもたらす恩恵なのです。
運動をしたからといって、ストレスと全て除けるわけではありませんが、うまく制御できるようになります。脳のブレーキが強化されて、戦闘モード逃避モードに入りにくくなるのです。
不満や疾患を抱えたアメリカの大学生たちに、くじ引きでウォーキングかジョギングを決めて、週に数回、20分ずつ2週間にわたって続けた実験があります。どちらも、不満感が消え効果は運動をした直後に実感していました。
より高い効果を発揮したのはジョギングです。ある程度の負荷がかかるほうが効果がありました。
注意したいのは、想像力や記憶力をあげたい場合に、疲労を覚えるほど運動すると、かえって逆効果になることです。脳に流れる血液の量が減り、記憶する力が損なわれてしまいます。さらに、ストレス緩和が目的であれば、筋力トレーニングも避けて下さい。
ランニングやスイミングなどの有酸素運動が効果的です。少なくとも20分、余裕があれば30~45分続けましょう。
「ドーパミン」が雑音を消す
ポイント
●集中するには「ドーパミン」が必要。
●ドーパミンは運動後に分泌量を増やす。
●ドーパミンの量は徐々に増えていく。
カフェにいて本を読んでいるとします。
最初は店内がざわついているのを感じていますが、しだいに周りの声は遠のいて読書に集中できるようになるのです。
脳には、重要だと思うものに集中する能力があります。そのためには、「ドーパミン」が必要です。
ドーパミンの分泌量が増えるのは、運動を終えた数分後から数時間の間です。感覚的には、研ぎ澄まされた感覚があり、集中力が高まり、心が穏やかになります。頭のなかがすっきりして、唸りのような雑音も消えるのです。
ランニングやサイクリングを始めて、集中力がすぐに改善されないからといって、やめてはいけません。脳は、徐々にドーパミンの量を増やしていくからです。習慣化するほど、ドーパミンの量が調節されて幸福感をもたらす効果があるでしょう。
アイデアが歩き出す
ポイント
●運動をしながらテストを受けたときの結果が良いという研究結果がある。
●運動する場所は、想像力に影響をしない。
●良いアイデアを思いつくには、できるだけたくさんの着想が必要。
●運動は、地道な努力を支える。
スタンダード大学が行った実験には176名の被験者が参加し、創造性を測る数種類のテストを受けました。屋内、屋外、座って休む、などのさまざまな条件下でテストを受けたのです。
この研究結果は、被験者が歩きながらテストを受けた場合、5人に4人の割合で好成績をあげました。そして、創造性が増すのに、歩いた場所が関係ないことがわかっています。
近年、こうした研究が複数でてきて、類似した結果を残しているようです。
すぐれたアイデアを思いつくためには、できるだけたくさん思い付き、次から次へとアイデアをあふれ出すほうが良いとされています。天才的なアイデアだけを思いつくということは、滅多にありません。創造のプロセスにおいては粘り強さも必要なのです。
運動は、発想力の向上だけでなく、地道に努力するための気力を養うことにも役立つことが知られています。
「脳の老化」をストップする方法
ポイント
●カロリー消費量と、前頭葉の萎縮の進み具合は関係している。
●意識的に毎日歩くと、認知症の発生率を抑えられる。
●運動は脳トレより、老化防止に効果がある。
●体の問題についても、運動は良いとされている。
加齢による前頭葉の萎縮の進み具合は、カロリーの消費量と密接に関わっています。よく動いてカロリーをきちんと消費する人は、加齢による前頭葉の萎縮が遅くなるのです。
この研究にはおよそ2万人もの70~80歳の女性を対象に、20年以上にわたって調査が行われた結果です。この調査結果では、過度な運動は必要なく、毎日20分ほど歩くだけで十分と結果がでています。
認知能力は加齢によって衰えるが、最もたるものが「記憶力」です。私たちのあらゆる状況を過去の出来事と照合しています。記憶が消えてしまえば、私たちは別人になってしまうのです。
数年ほど前に、毎日、意識的に歩くと認知症の発症率を40%減らせる事実が発見されました。信じられないような数値です。遺伝子要因よりも、身体を動かさない方が問題ということになります。
歩くことは、クロスワードパズルを解くよりはるかに効果があり、運動をすると、脳内で様々な領域と強調しながら活動しているのです。よって、血圧、血糖値、体内の炎症、こうした問題も体を動かすことで改善されることがわかっています。
オマケ、運動脳マニュアル
- 5分でも、効果がないわけでないない。
- 体感できる効果を望むなら、最低30分のウォーキングが望ましい。
- 最高のコンディションを保つなら、ランニングを週3回、45分以上行う。
- 重要なのは心拍数を増やすこと。
- 筋トレより、有酸素運動が望ましい。
- 根気よく、続けること。
感想
サイト管理人
ドーパミンを増やす前に、セロトニン、オキシトシンの分泌が安定していないと意味がところには注意が必要です。とにかく続けられる、気持ちがいいと感じる数十分の散歩から始めればよいと思います。
長く運動することで効果がでてくることが、わかります。健康のために何かしたいと考えているのであれば、参考にするのも良いのではないでしょうか。