日本はアメリカに民主主義を教えよう/著者:西尾幹二

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書籍情報

タイトル

日本はアメリカに民主主義を教えよう!

発刊 2024年8月15日

ISBN 978-4-8284-2652-5

総ページ数 191p

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著者

西尾幹二

文学博士。電気通信大学名誉教授。専攻はドイツ思想と歴史哲学。

出版

ビジネス社

もくじ

  • まえがきに代えて 『全体主義の呪い』から再考すべきこと
  • Ⅰ 日本人がトランプを支持すべき本当の理由
    • 世界の「韓国化」とトランプの逆襲
      • 自己ご都合主義をどうしても脱せられない韓国
      • 「精神の自家中毒」
      • 朝日はルサンチマンの塊
      • アメリカの深層心理
      • ハーバード大学内部のトランプ支持者
      • 欧米の新型「共同謀議」
      • 美しい言葉は悪魔の言葉
      • 中・韓と手を組むドイツ
      • 現実的な道を歩む米・英
      • EU大失敗の原因
      • 中国とナチス
    • 「価値の転換」を訴えたトランプ氏
      • 感傷に満ちた世界にNO
    • 「トランプ外交」は憤怒と混迷と痛哭の叫びにほかならぬ
      • 憤怒と混迷と痛哭の叫び
    • ペンス演説も中国人のアメリカ支配への悲痛な叫びだった
      • スワップ協定ははたして必要か
    • トランプを孤立させるな
      • 思想の迷走の起点
      • 言論人は福田恆存に倣え
      • 経済界への苦言
    • 中国は反転攻勢から鎖国へ向かう
      • 鄧小平の「先富論」を否定する
      • 奪われた日本のGDPを取り戻せ
      • 「日本特殊論」に溺れるな
    • トランプ不在で浮上した日本の危機
      • アメリカは顔がいくつもある怪獣
      • 正義の同義語は「非寛容」
      • 「アメリカ・ファースト」は自己処罰の言葉
      • トランプの誤算
      • バイデン外交を評価する保守言論人
      • もしトランプだったら
    • なぜトランプが希望なのか
      • 高知能、低知性の時代
      • アメリカ司法の無力
      • ペンスの裏切り
      • 馬渕大使の「先見の明」
  • Ⅱ アメリカに民主主義を教えよう
    • 堕ちたアメリカの民主主義
      • ありがとうアメリカ、さようならアメリカ
      • 第二次世界大戦以前からの一貫した世界統治意志
      • EUより卸し易く簡単に潰しがきく日本
      • 日本と中国が支えた「アメリカ国債本位制」
      • 同盟国を「再国家」へと向かわせる日
    • アメリカよ、恥を知れ
      • 意見陳述
      • 米国に謝罪と賠償を要求すべし
      • 日本兵士の武士道
      • 質疑応答
      • 繰り返し騙された日本政府
    • 不正義の国アメリカの正体を始めて解剖した書
  • あとがき

書籍紹介

 この本は、現在の世界情勢や日本の立ち位置を鋭く見つめ直し、日本人としてどう生きるべきかを問いかける力強いメッセージが込められています。西尾さんは1935年に東京で生まれ、ドイツ文学や歴史哲学を専門とする評論家として長年活躍されてきた方です。東京大学で学び、文学博士の学位を取得し、電気通信大学の名誉教授も務められた、まさに「知の巨人」と呼ぶにふさわしい人物です。そんな西尾さんが遺言ともいえる思いを込めて綴ったのがこの一冊です。

日本の再評価

 アメリカの現状を厳しく批判し、民主主義や法治国家としての基盤が揺らいでいると指摘する一方で、日本人が持つ独自の価値観や歴史的背景を再評価しています。特に、トランプ元大統領への支持を一貫して表明してきた西尾さんの論考が集約されており、トランプ外交が世界にもたらした影響や、それが日本にとってなぜ重要だったのかを深く掘り下げています。

アメリカの危ない点

 万引きが放置されるような状況を例に挙げ、アメリカが民主主義の模範として機能していない現実を浮き彫りにしています。それに対して、日本人の精神性や文化が持つ強さを対比させ、世界が「後期全体主義」と呼ぶべき潮流に飲み込まれつつある中で、日本が果たすべき役割を模索しています。トランプ不在が日本にどのような危機をもたらしたのか、またなぜトランプが希望の象徴となり得るのか、その理由も丁寧に解説されています。

日本で当たり前の常識

 歴史的な大局観に立った「本質論」が特徴で、単なる時事評論を超えた深みがあります。過去の論考をまとめたものではありますが、どのページを開いても古さを感じさせないのは、常に日本人の「常識」や「確信」に根ざした視点で書かれているからでしょう。また、2020年のアメリカ大統領選での不正疑惑についても触れ、主流派とは異なる立場から論じている点も興味深いです。保守派の中でも独自の路線を歩む西尾さんの姿勢が、この本を通じて強く伝わってきます。

政治と未来へのヒント

 西尾さんが繰り返し訴える「世界の左傾化」や「巨大な嘘が真実となる危険性」に、背筋が冷たくなる思いがします。読み進めていけば、日本人が誇りを持って未来を切り開くためのヒントが散りばめられていると感じることができるでしょう。西尾さんは、まえがきやあとがきでこの本を「最後の警告」と位置づけており、日本人に対する深い愛情と危機感が溢れています。政治や歴史に興味がある方はもちろん、自分たちの国の行く末を考えたいすべての人に読んでほしい一冊です。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

EUより卸し易く簡単に脅しがきく日本

 アメリカがこの十数年にかけて日本にした仕打ちはアンフェアなものです。円高と人民元の安値固定化は、アメリカ企業にとって都合のよかったものとはいえ、日本と中国の力関係を変えてしまいました。中国と韓国の通貨には寛大な措置をして、円高是正のための日本の為替介入には脅しをつけてクレームを入れてきたのです。

 円高の影響により、家電や車は競争力を失いました。大戦と冷戦の両方が終わった今、ナチスでもソ連でものなく、独善という形で覇権をとり続けてきたのはアメリカです。日本ばかり金融緩和をしているのだとクレームを入れ続けるアメリカに対して、飽きていて疲れてもいます。日本は緩やかな形で親米関係から離れる準備が必要でしょう。アメリカの言いなりなっていることを、少しずつ手放していきたいのです。

 国債1つとっても不平等です。アメリカが借金をすることで世界経済をまわしている一方で、アメリカの国債を買っている日本はその米国債を売れません。中国を含め他の先進国ではアメリカの国債を自由に売ることができます。

 アメリカが苦しいときは、日本も道連れになるという運命を強制されてアメリカを支える構造です。アメリカが優位なのは間違いないでしょう。

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