※ 毎朝、5分ほどで読める書籍の紹介記事を公開します。
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
目次
はじめに
日本ではベルリッツで異文化間コミュニケーションやマネジメントコンサルティング部門を立ち上げたり、モルガン・スタンレーで組織開発や人材育成を担当してから、グーグルに入社し、人材育成統括部長として組織改革やリーダーシップマネジメントに従事してきました。
これまでに数多くの日本人ビジネスマンと接する機会に恵まれましたが、非常に奇妙に感じていることがあります。
「今日は寒いですね」などの天気の話から入るのが、雑談を始める前の常套句になっています。その後も、SNSで話題になっていることや業界の噂話など「とりとめのない会話」が続くのです。
日本のビジネスマンは雑談を本題に入る前の「潤滑油」と考え、相手との距離感を縮めることを期待しています。お互いの関係性を深めるのは大事なことですが、それだけではもったいないのです。
世界では雑談を、オープンで「ざっくばらん」な情報交換をする認識でしています。行動や計画が成立していない段階で、プランや課題をシェアすることが目的です。
書籍情報
世界の一流は「雑談」で何を話しているのか
第1刷 2023年4月1日
発行者 小早川幸一郎
発売 (株)インプレス
印刷・製本 (株)シナノ
ISBN978-4-295-40810-9
総ページ数 237p
ピョートル・フェリクス・グジバチ
連続起業家、投資家、経営コンサルタント、執筆家。プロノイア・グループ株式会社代表取締役、株式会社TimeLeap取締役、株式会社GA Technologies社外取締役。モルガンスタンレー、Googleの人材業務を経て、2015年に独立しました。
クロスメディア・パブリッシング
準備をして雑談する
UnsplashのMed Badr Chemmaouiが撮影した写真
一流のビジネスマンは、しっかりと事前準備して雑談に挑んできます。
IRレポートなどを読み込んで相手先の会社の経営状況や行政の実績、今後の見通してを知っておくことは当然です。それに加えSNSで近況を検索したり、同僚や友人、知人を通じて、「相手はどんな人なのか」という情報を徹底的に調べ上げます。
事前に武器を準備して、雑談のストーリーを描いているのです。
どんな情報を求めているのか、何を不安に思っているのか、相手はどのタイミングで意思決定をするのか、こうした視点から総合的に判断して、適切な雑談をスタートさせます。
有益な情報を提供することで、信用を得るための一歩を踏み出しているのです。
笑い声が聞こえない会社
Image by Egonetix_xyz from Pixabay
人材コンサルティングの仕事では、オフィスの「音」に耳を傾けています。
社員の笑い声や、雑談の有無です。これは意外に大切なシグナルになります。オフィスに笑い声がするということは、「笑ってもいい」という、人がリラックスして働ける環境があるだけでなく、仕事で結果がでているから、自然と笑い声があると考えられます。
仕事で成果が出ていなければ、人は笑うことができません。成果が出ていないのに、笑い声が響くのであれば、真剣に仕事と向き合っていないと判断します。
一般に、健全な会社では耳障りではないくらいのボリュームで人の笑い声や話声が聞こえるものです。同僚のデスクの横に立って雑談をしたり、椅子を転がしてきて話し込んだりするのは、日常で見受けられます。それがない会社には、危険シグナルを感じるのです。
4つの「目的」がある
Image by Dung Hoang from Pixabay
雑談をする4つの目的
①「つながる」相手との距離を縮めて信用を作る
②「調べる」最新の動向や現状に関する情報を収集する
③「伝える」自社の意向や進歩状況などを報告する
④「共有する」最新の情報を相互に認識する
アジェンダ関連の話が済んで、その場の緊張が少し緩んだ状況であれば、お互いにリラックスして雑談を交わすことができます。
相手がどんなことに興味があり、どんなワードが刺さるのか、時間が許す限り探っていくことも可能です。
ビジネス相手が自分の興味のある話をしてくれたら、誰だって嬉しくなって話が弾むものです。
相手の話に真剣に耳を傾けながら反応を観察していけば、相手の考えだけでなく、プライベートな話にも触れることができます。
あえて「雑談しない」
Image by Rahul Top from Pixabay
プライべート、収入、下ネタ、学歴などの話は、かえって信用を失う雑談です。
雑談の目的は、お互いの心理的安全性を高めて、生産性を向上させてアウトプットを高めることにあります。
安全性が保たれていれば、無理に雑談する必要がなくなるのです。
のびのびと仕事ができる状態であれば、必要な会話は雑談ではなく、目的意識を共有して、その目的に向かった会話をしましょう。
「週末は何をしてました?」という話をしたがる人が多いですが、定例の雑談は無用です。何も話さなくても、不安になる必要はありません。
無理に雑談をしたのでは、仕事の邪魔になるだけです。
あえて雑談をしないという選択肢を持つことは、周囲との良好な関係が続くことにもつながります。
おわりに
雑談は、天気や世間話をすることだけではありません。相手を理解するための会話を指します。
相手を理解するには好奇心を持ち、相手に興味関心を持つことです。
ビジネスにおける雑談では、好奇心をもって相手の人間性や人となりを知り、「信頼関係」の構築が目的であることを忘れないでください。
感想
サイト管理人
一流では、かなり意識が高い雑談が求められるようです。いない人の悪口や、収入の話、熱い寒いで、雑談が成立しているのではないでしょうか。
そんな話が、一緒に仕事をする仲間の信頼構築に繋がっているとは思えません。たしかにそうです。
3人以上が集まると人の悪口に発展したり、犯人捜しみたいな話になったりします。
仕事の場所で、信頼関係につながる雑談をしていたでしょうか。私は、この本に書かれているような用意周到な準備をして雑談に挑んだことはありません。
信頼関係につながる雑談の仕方を学んでみてはいかがでしょうか。
下にリンクを貼っておきますので、本書の購入を検討してみて下さい。
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