優れた起業家は何を考え、どう行動したか

※ 毎朝、5分以内で読める書籍の紹介記事を公開します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 スタートアップ業界の内側から眺めると、そのコミュニティがとても狭いものであることに気付かされます。そのコミュニティの外にいる人にとっては、どのようなノウハウが交換されているのか知るよしもありません。

 そこで、YJキャピタルの代表という立場を利用して、業界を代表する起業家の皆さんを招待し、これから起業する人に成功のノウハウを共有してもらうイベントを頻繁に開催することにしました。

 どの起業家も信じられないくらい親切で優しく、これから起業を志す人のためならと無償で自身の経験を語ってくれたのです。

 本書に掲載した事例は、一目置かれている起業家たちに独自インタビューを行った、上場経験組のエピソードとなっています。

書籍情報

タイトル

STARTUP 優れた起業家は何を考え、どう行動したか

第1刷 2020年5月29日

発行者 梅田優祐

発行祐 (株)ニューズピックス

ブックデザイン

装幀・本文デザイン 加藤賢策(LABORATORIES)

本文DTP・図版 朝日メディアインターナショナル

校正 鷗来堂

営業 岡本小夜・鈴木ちほ

本文組版

印刷・製本 大日本印刷(株)

事務 中野薫

編集 井上慎平

ISBN978-4-910063-07-2

総ページ数 509p

著者

堀新一郎 YJキャピタル株式会社代表取締役

琴坂将広 慶応義塾大学総合政策学部准教授

井上大智 琴坂将広研究会に所属

出版

ニューズピックス

数年後のサービス

UnsplashAmeer Basheerが撮影した写真

 自分のサービスが社会を変え始めるのは、早くとも数年後です。

 これまでの常識とのギャップを活用してサービスを設計することが、醍醐味となります。

 未来がくるまで待っていてはいけません。現時点でもキャッシュを作れるポイントを探しにいき、知見を蓄えていけば、市場が拓けた際にはトップランナーになれるのです。

 これからやってくる市場を選定することは、起業家にとって最大のチャンスといっていいでしょう。情報収集のアンテナを張り巡らせ、事業アイデアを練り込み、波が来たら乗れる準備をしておくことです。

 だからこそ、確実に来る未来までなんとかする力が重要になります。

検証する内容

Image by Piyapong Saydaung from Pixabay

 経済情報プラットフォームであるSPEEDAをローンチした梅田のケースは、顧客がお金を払ってくれるポイントを見極めました。

 ニュースをキュレーションするグノシーの場合は、ニュースを発信する競合が既に存在していたのです。メディアに人が集まれば広告収入で課金できることはヤフーやGoogleが証明していました。長く滞在してくれるかどうかのリピートポイントを検証していたのです。

 メルカリやフリルのようなマーケットは、ユーザーにとってスマホの方が出品や購入において手軽で便利なのかを検証しました。

 アイデアの検証のファーストステップは検証するべき要素は何かを明確にすることです。

広告を投入する

Image by Markus Winkler from Pixabay

 プロダクト導入期に有料広告を出す場合は、LTVとCACバランスをはっきりと認識しておくことが重要です。

 LTVは、商品を購入してから解約するまでの利益です。

 CACは、新規顧客を1人獲得するために必要とするコストです。

 広告投資のタイミングは、LTV>CACになった時です。LTVは一定期間が経過しなければ推計が難しいので、CACを上回っていることを確認できてからにします。

 サービスが未熟であるにもかかわらず、ユーザー獲得にばかり気を取られてもいけません。顧客が短期間で次々に去る状態では、どれだけ獲得してもアクティブユーザー数は増加しないのです。

最初の資金調達

Image by Firmbee from Pixabay

 大学生、サラリーマン、無職の人でも企業を志すことは可能です。

 企業で成功すれば富と名声を得られる一面を持ちますが、事業が軌道に乗るまではお金が毎日減っていく地獄の面も併せ持ちます。

 支出していかなければ続けられないのに対して、売上がほとんど上がらない日々は、経営者としてももっとも辛いものの1つです。

 プロダクトマーケットフィットにチャレンジするための資金は1000万円と言われていて、構想レベルのプロダクトを検証するまでにかかる期間は、一般的に3か月のケースが多いです。人件費、家賃、光熱費、通信費、開発端末のコストを考えると1ヶ月にかかるコストはだいたい60万円で、シードVCは約15か月分、5回のプロダクト戦勝にチャレンジするための資金をアシストしてくれています。

 起業家は1000万円を「最初のアイデアを実現させる15ヶ月分の運転資金」ととらえます。その最初のアイデアが当たるケースは実際では少ないです。

 3かけ月の挑戦をどれだけできるか、具体的な状況を想定しながら起業のイメージをしていくことが必要になります。

おわりに

 事業が社会に受け入れられるかは、起業家には操作できない変数にも左右されます。けれど、起業家が自分で操作できる変数を丹念に設計できれば、社会を変える可能性を飛躍的に高めることができるのです。

 本書を熟読したならば、先人たちの苦悩を疑似体験し、これらの不確実なプロセスを乗り越えるために必要な最低限の体系的な知識をインストールできたはずです。

 未来ある起業家の後押しをできたのであれば、これ以上の喜びはありません。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 1000万円あれば、私は独身でお金もかからないので、平穏に暮らせてしまうほどの資金です。株買って年率4%で分で生きていきます。普通の人であれば、もっとお金が欲しいと思うはずです。

 承認欲求や自己実現を志すならば、ちょっと生活感のない起業家のお話に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

 便利なサービスを展開する起業家のエピソードが見れて、参考になると思います。

 下にリンクを貼っておきますので、本書の購入を検討してみて下さい。

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