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目次
書籍情報
なるにはBOOKS 教科と仕事
理科の時間 学校の学びを社会で活かせ!
発刊 2024年6月15日
ISBN 978-4-8315-1670-1
総ページ数 126p
松井大助
フリーランスライター。編集プロダクションを経て独立。医療・法律・会計・福祉等の専門職から企業や官公庁の仕事まで、多様な職業紹介の本を手がける。
ぺりかん社
- プロローグ
- 理科が好きな人、得意な人へ
- 理科が嫌いな人、苦手な人へ
- 1章 食べものをつくる
- 【INTERVIEW】農業経営者(中森剛志さん=中森農産株式会社代表取締役)
- 【PICK UP】食べものをつくるための理科
- こんな仕事もある!食べもの編 食品製造の経営者/栄養士ほか
- 10代の挑戦!食べもの編
- 2章 地球環境と向き合う
- 【INTERVIEW】気象予報士(水谷花那子さん=株式会社ウェザーマップ)
- 【PICK UP】地球の変化を察知するための理科
- こんな仕事もある!地球環境編 防災スペシャリスト/気象庁の職員ほか
- 10代の挑戦!地球環境編
- 3章 創造的なものを生み出す
- 【INTERVIEW】化粧品研究開発者(早瀨はるなさん=株式会社コーセー)
- 【PICK UP】新しいものを創造するための理科
- こんな仕事もある!研究開発編 素材研究開発者/ICT研究開発者ほか
- 10代の挑戦!研究開発編
- 4章 ものづくりや整備する
- 【INTERVIEW】レースメカニック(杉山貴英さん=株式会社トムス)
- 【PICK UP】ものの性能を引き出すための理科
- こんな仕事もある!ものづくり編 航空整備士/レースエンジニアほか
- 10代の挑戦!ものづくり編
- 5章 健康や安全を守る
- 【INTERVIEW】医師(門岡みずほさん=亀田総合病院産婦人科部長代理)
- 【PICK UP】人の命や健康を守るための理科
- こんな仕事もある!健康サポート編 看護師・助産師/理学療法士・作業療法士ほか
- 10代の挑戦!健康サポート編
- 6章 生き物や自然の魅力を届ける
- 【INTERVIEW】水族館の飼育員(鈴木理仁さん=アクアワールド茨城県大洗水族館魚類展示課)
- 【PICK UP】自然や科学との出会いを促す理科
- こんな仕事もある!出会いの演出編 アニマルトレーナー/花屋さんほか
- 10代の挑戦!出会いの演出編
- 7章 この世界のなぞに迫る
- 【INTERVIEW】天文学者(原田ななせさん=国立天文台助教)
- 【PICK UP】世界のなぞを解き明かすための理科
- こんな仕事もある!なぞ解き編 化学者/生物学者ほか
- 10代の挑戦!なぞ解き編
- あとがき
書籍紹介
理科の学びが社会に直結する理由
学校の理科の授業で学ぶことが、ただの知識として終わるのではなく、実際の社会でどのように活かされるのか。この本は、まさにその疑問に答えてくれます。理科の基本的な概念から始まり、それがどのようにしてさまざまな職業に応用されるのかを具体的に示しています。
例えば、医療、環境保護、エンジニアリング、さらには宇宙開発まで、理科の知識が求められる職業は多岐にわたります。この本を通じて、理科の学びが広範囲に及ぶ職業の基盤となることが理解できるでしょう。
本書の特徴と内容
- 理科の基本概念の解説: 松井大助さんは、理科の基本概念をわかりやすく解説しています。物理、化学、生物、地学の各分野がどのように関連し、社会で役立つかを具体例を交えて説明しています。
- 職業の紹介とインタビュー: 理科を活かした職業に従事しているプロフェッショナルへのインタビューが豊富に収録されています。彼らの経験談やキャリアパスは、読者にとって大変参考になります。
- 実践的なアドバイス: 理科の学びをどう実際の職業に結びつけるかについての実践的なアドバイスが満載です。学校での勉強がどのように社会に役立つかを具体的にイメージする手助けをしてくれます。
誰におすすめか?
この本は、学生だけでなく、教育者や保護者にもおすすめです。学生が理科の学びを将来のキャリアにどう結びつけるかを理解する手助けとなり、教育者は授業の意義をより深く伝えることができます。保護者も、子どもたちの未来を見据えた学びを支援するための知識を得られます。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
化粧品開発
研究開発を3年以上続け、看板商品の「薬用 雪肌精」をリニューアルするというプロジェクトが始まりました。
このプロジェクトでは、肌荒れと美白に効果があると国に認められた有効成分を配合することが求められました。目指す化粧水の効能や使用感を実現するために、どの成分をどの割合や手順で組み合わせるかを繰り返し検討しました。
最大の課題は、有効成分が水に溶けにくい固形の油であることでした。雪肌精らしいみずみずしい化粧水に仕上げるのは困難でした。
開発の過程では、化粧水とは呼べないようなとろみのある液体や、油が沈殿するものが多くできてしまいました。
何百回もの試行錯誤を経て、ついに「薬用 雪肌精」は2024年3月に完成しました。お客様が手に取る瞬間を目にしたときの喜びはひとしおでした。
EVレースの未来
全日本カート選手権のEV部門初年度は、波乱の幕開けとなりました。事前のテスト走行では問題なかったものの、シリーズ戦が始まると、車体からバッテリーが外れたり、バッテリー内部の断線でカートが止まったりと、トラブルが続出しました。
メカニックたちはその都度対応し、レースの成立に努めました。2年目のレースは雨天開催となり、感電などが起きないように細心の注意を払いました。また、猛暑の際にはバッテリーが高温になるため、放熱の工夫を試行錯誤しました。その結果、シリーズ戦を通してカートの故障はごくわずかで、毎回熱戦が繰り広げられました。
EVカートはエンジン音がないため、都市部でもレースを開催できます。これにより、気軽にモータースポーツを観戦できるようになり、さらなる盛り上がりが期待されています。
産婦人科医師の仕事
病院で妊婦さんや産褥婦さんの診察を行う仕事をしています。
お産を支援する助産師との連携は欠かせません。まず、健康状態や生活習慣、育児サポート環境、不安などについて本人や家族から聞き取ります。
不安や家族からの情報を基に、体の状態を検査します。血圧や尿中の糖、蛋白を調べ、必要に応じて血液検査も行います。胎児の様子は超音波診断装置や胎児心拍数モニタリングで評価します。
「陣痛」が始まるまで異常がないかを観察し、自然にお産の日を迎えたら、助産師と協力してそのお産をサポートします。
しかし、お産の前後にはさまざまなことが起こります。例えば、お腹の張りや痛みが続くと、体内の赤ちゃんが十分に育たず早産の兆候が見られることがあります。また、妊婦さんの血圧や血糖値に異常が生じることもあります。
こうした異常を早期に発見し、発見した問題を解消するために生活改善のアドバイスをしたり、薬による治療を行ったりします。
魚とのかかわりを模索して
サメ、マンボウ、クラゲ、カワウソ、イルカなど、水族館で暮らす海や川の生き物たちの健康を守るために、エサやりや掃除を担当しています。
水槽を回って掃除し、決まった時間にエサをやり、食べ方や泳ぎ方、見た目から健康状態をチェックします。また、お客様への解説やバックヤードツアーの案内も行っています。
時には、エサを食べてくれない魚がいたり、病気に気づかずに魚を失ってしまうこともあります。そのような時は落ち込みますが、反省を活かしてエサやりを工夫したり、生き物を観察する目を鍛える楽しさも感じています。