※ 毎朝、5分以内で読める書籍の紹介記事を公開します。
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
目次
まえがき
多くの人は「人間性」を無条件に良いもの、人間だけが持つ望ましい特徴と捉えているようです。
「愛」という言葉には、どこか閉塞感を嗅ぎとってしまいます。
人間性とされるものを裏側から覗いて、それを共有してみたいのです。
もしかしたら、私と同じように感じてきた人に何かを受け取ってもらえるかもしれません。
理性でコントロールされた生き方をするのでしょうか、愛に生きるのでしょうか。
書籍情報
シャーデンフロイデ
他人を引きずり下ろす快感
第1刷 2018年1月20日
編者 志儀保博
発行者 見城徹
発行 (株)幻冬舎
ブックデザイン 鈴木成一デザイン室
印刷・製本 (株)光邦
ISBN978-4-344-98481-3
総ページ数 171p
中野信子
幻冬舎新書
シャーデンフロイデの意味
Image by Gerd Altmann from Pixabay
素敵な恋人と何らかの理由で別れてしまったとしましょう。このときに生じるややうしろめたい喜びが、シャーデンフロイデです。
本当に必要のない感情だったら、人類の長い歴史の中で消えてしまって残っていないはずです。
脳は、人体の中で最も燃費の悪い臓器であり、そこまで余裕のある器官ではありません。不要なものは、どんどん切り捨てられていきます。
妬みやシャーデンフロイデといったネガティブ感情は、ないほうが良いように思えても、何らかの重要な機能を担っているはずです。
この感情を繙くことで、真の人間の本質が見えてくると考えています。
愛情ホルモンとして有名なオキシトシンは、人との絆を強める一方で「妬み」を強くしてしまう働きを持ちます。
個体の生命より、会社が優先
UnsplashのJason Goodmanが撮影した写真
若い人が過労死するニュースが報道されています。
「俺の若いころはもっと大変だった」そんな中高年の言葉です。自分を見えないところでサポートしていた社会状況、会社などのシステム、他者からの好影響に関する考察が欠けています。それと、いま大変な思いをしている人の「大変さ」を測ることは、ほぼ不可能なのです。
主観と客観の差異があるために、「もっと大変」というのは研究者でも比較することは困難となっています。
そんな個人の「大変さ」を無視すると、知らずのうちに集団の圧力がかかり、「自分たちの会社を守ろう」「一丸となって取り組もう」という空気が発生し、それに逆らうことが難しくなっている人がいるのです。
けれど、集団の圧力に屈することは快感を得ます。
「週末も仕事入ってる」と文句を半は自慢げに言いながら働いているのは、「手段のために何かしたい」というひそかな快感が隠れているからではないでしょうか。
実際に動いている肉体は疲労の極致に達しているわけですから、日本人は自分の働き方について考え直さなければならない時がきています。
ツイッターに潜む罠
UnsplashのBrett Jordanが撮影した写真
ツイッターは非常に少ない文字数で表現するツールである分、スピーディーに話が展開していきます。
そのスピード感がユーザー支持を得ているのだと思いますが、そこには「しずかに考える余裕」がほとんど存在しません。
普段は過激な内容が浮かんだとしても、前頭前皮質が抑制をかけてくれるおかげで、誤解を受けるかもしれないと思えるのです。
しかし、ツイッターでは、動物的に情緒的に反応する人がいます。冷静に考えるということができずに、その人が普段持っている無修正の思考が露出していしまうのです。
ちょっと言ってしまったことが、悪意があると判断されることがあります。修正が利かず、言い訳するほど騒ぎが広がっていくのです。
「ほんのちょっとのミス」も見逃してはくれません。
愛が抱える矛盾
Image by Gerd Altmann from Pixabay
先祖から引き継いだ不寛容な私たちの脳は、オキシトシンによってその不寛容性が保持されています。つまり、愛が不寛容を裏打ちし、不寛容差が人間社会を強固なものにしているのです。
愛は美しく、正しいという思い込みにより思考停止すると、愛の支持する不寛容性に気付くことはできず、多くの人を傷つけることにつながります。
娘を支配する母親も、ネットで誰かを攻撃しまくる人も自分以外の存在に興味があり、「よかれと思って」制裁を加えます。
お互いを守りあいたいという精神は素晴らしいものですが、じぶんの正義感が必ずしも同じ方向に向いているとはかぎりません。
情動の裏側を探り、愛によって曇らされているかを感じてみる必要があるのではないでしょうか。
感想
サイト管理人
すべてのこだわりを捨てて、相手のことを受容できる自分個人主義でも目指せばいいのでしょうか。あまり考えすぎるのも、疲れそうだとも思いました。
けれど、じぶんにも愛や正義があるのではないでしょうか。そのことを第三者視点で見てみると、少しずれていることもあるかもしれません。
会社の愚痴をいっているときに、ちょっと愉悦に浸っている自分に気づいてハッとしてみるべきです。
歪んだ正義とか愛は、物語で見て面白いだのなんだのと感想を残しているはずですが、実際は笑えません。
この本で、固定概念に縛られずに他人に迷惑をかけない心得みたいなものを学んでみてはいかがでしょうか。
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