※サイト管理人が興味をもった部分を紹介します。
はじめに
直近100年の宇宙論の歩みを解説することを目的としています。
現代宇宙論の世界をのぞいてみましょう。
目次
書籍情報
タイトル
なぜ宇宙は存在するのか
はじめての現代宇宙論
著者
野村泰紀
カリフォルニア大学バークレー校教授。バークレー理論物理学センター長。
ローレンス・バークレー国立研究所上席研究員、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構連携研究員も務めています。著書に『マルチバース宇宙論入門』を執筆しています。
講談社
ダークマター
ニュートンの法則(相対性理論)によれば、重力は全ての物質に応じた力で働くはずです。しかし、観測された星の全てを足しても、計算によって得られた質量にははるかに及びません。
原子などの物質の多くは、星と星の間に漂う星間ガスの形で存在します。星の中にあるのはその10%程度でしかないのです。
銀河が銀河団のまわりにとどまるには、ハンマーの砲弾の場合と同様、銀河団の中心方向に向けて力が働いている必要があります。
つまり、銀河団のなかに銀河以外の重力の源、つまり質量が存在することを示唆しているのです。この見えない物質を構成しているものをダークマターと呼び、その正体はわかっていません。
ダークマターの存在の証明についてはいろいろな実験を通して観測されています。疑いようがありません。電磁波による観測値は想定していた範囲を大きく超えて星の回転速度が落ちていなかったり、重力レンズを用いて天体の歪みを計測することによって質量が存在する範囲を推定され、それがダークマターからのものであると説明がついています。
まとめ
●星の中にある物質は、宇宙の物質の10%程度である。
●銀河以外の重量の源が存在し、その見えないを構成するものをダークマターと呼ぶ。
●ダークマターが存在することは、計測によって明らかである。
ビッグバン原子核合成
晴れ上がり以前の宇宙は、電磁波や電波を使って直接みることができません。電荷をもった電子に散乱され、電磁波が遮られてしまうのです。
これより先を観測するには、より透過力の高いニュートリノや重力波などを使わなければならず、これらの技術はまだ確立されていません。
宇宙の膨張や組成の変化は相対性理論を用いて、時間を遡ることで計算できます。素粒子の振る舞いは素粒子の標準模型を使って調べることができるのです。
そして、晴れ上がり時点より前の時期を、上記の計算に基づいて得られた138億歳の宇宙の姿が、現在の観測結果と一致しました。
理論を用いて時間を遡っていくと、宇宙誕生後約1分から10分にかけて極めて重要な出来事が起こっていました。原子核が宇宙で初めて合成されたのです。
原子核は陽子と中性子から成り立っています。最初期の宇宙の高温化において、陽子と中性子は電子やニュートリノなどの吸収や放出を通して自由に入れ替わることができていました。そのため、陽子と中性子の数密度はほぼ同じになったのです。
中性子のが重いということがあり、温度が下がってくると最終的に中性子1:陽子7くらいの比率になりました。残った陽子と中性子が結びつくことで、原子核が合成させるのです。
ここまでの原子核合成は宇宙誕生後約1分から10分の間に起こり、その様子は正確に計算することができるのです。
まとめ
●晴れ上がり以前の宇宙は、観測できる技術が確立されていない。
●宇宙の誕生時期を計算することはでき、現在138億歳である。
●宇宙の誕生後約1分から10分の間に、宇宙初の原子核の合成がされた。
私たちの宇宙の全貌
インフレーション期とは誕生後10-38秒から10-26秒ほどの間のどこかのことを表します。急激に指数関数的に膨張する時期のことです。
宇宙の構造の起源をたどっていけば、銀河団、銀河、恒星、惑星、そこに存在する生命に至る全てが、インフレーション期の量子学的揺らぎによるものです。
この僅かな揺らぎが、重力により増幅されていることで、現在の世界の姿になっています。
素粒子物理学は20世紀後半にかけて、恐ろしいほどの発展を遂げました。1つの枠組である標準模型に収斂され、原子核物理学、物性物理学、科学、生物学、天文物理学にいたる全ての現象を説明できることがわかったのです。シンプルな数式に帰着できる凄さがあります。
しかし、クォーク、レプトンの質量がなぜこんなにも違っているのかの説明は、この統一された数式では解明できずにいます。すべてのパラメータを詳細に説明できる理論は未だみつかっていないのです。
まとめ
●宇宙の構成の起源をたどると、インフレーション期の調子学的揺らぎよるものだとわかる。
●素粒子物理学の発展により、標準模型という優秀な統一モデルが生まれた。
●現代の素粒子物理学でも、説明のできないパラメータが存在する。
感想
サイト管理人
読み進めていくうちに、気がつかない内に寝ていました。起きたのが正午前なので、1時間くらい意識を失っていたのでしょう。
脳が限界を迎え、本の内容を受け入れるのに睡眠を必要としたということだと思います。
そのくらい難しい本でした。はじめての現代宇宙論、これでも初級編なのでしょう。手ごわい相手でした。
本当に学ぼうと決意する必要があります。なんとなく手にとるものではない気が致します。
確かに厨二心をくすぐるワードはありますが、本当に初めての方はもっと簡単なものからステップアップすることをおすすめします。
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