※サイト管理人が興味をもった部分を紹介します。
はじめに
論理的思考に関する個別指導を続けてきて、次第に効果のある方法を乱すことができました。
その指導から得た知見、時に「なぜ論理思考でミスをするのか」「そうすれば、ミスを自力で回避できるのか」に関するエッセンスを紹介していきます。
目次
書籍情報
タイトル
東大ケーススタディ研究会 伝説の「論理思考」講座
ケース問題で「広い視野」「深い思考」をいっきに鍛える
著者
白木湊
東大ケーススタディ研究会メンバー。
2021年より日経コンサルティングファームのマネージャー。
大学生や新社会人を対象に「論理思考」に関する個別指導を続けています。継続して指導を受けた学生の受講者の73%が、外資の戦略系ファームから経営コンサルタントとしてオファーを得ているのです。
出版
東洋経済新報社
例題:アフリカの航空会社による自然公園事業の可否は?
問題
アフリカのとある国の航空会社が、自国内に自然公園を開園・運営することを検討しています。この新規事業の是非について、収益性の視点から検討してください。
注意!ありがちな回答
まずは収益性について整理します。
収益性=売上ーコスト
売上=客数×客単価
コスト=初期コスト+運営コスト
客数ですが、自国の自然がテーマということから海外の旅行客をメインに計算していきます。
自然公園は、世界中のさまざまな国に点在しており、検討中の自然公園を選ぶ可能性が低いです。さらにアフリカは、インフラ設備が充分でなく競争できる環境にありません。
自然公園事業を始めるには土地と自然の整備のために、多額の初期費用が必要です。航空事業も運営費がかかるでしょう。
この業態は不景気時に売上が大きく下がりやすいです。
以上、客層やコスト、リスクを考えた上で大きな問題があると感じられます。
最低限おさえたいポイント
日本でもJALが経営破綻時、民間企業なのに国の公的資金を投資られた事例があるように、国の関与が強いことが想定できます。
国全体の利益の視点から判断した場合、少しの赤字であれば航空路線を維持したい、あるいは拡大したいのではないかという解釈ができるのです。
インフラとしての、外部効果が大きいことがあげられます。
経済の発展において、海外との連携や交流は重要です。海外と自己の間で交易するためには国際線は事実上必須条件になります。
つまり、国際線で移動した人が発生させた付加価値も考慮にいれるできなのです。
ポイント1、2の理由から「低い搭乗率の改善」が重要な課題となることが予測されます。
自然公園は、航空路線とはまったく異なるタイプです。収益源を惜しいだけなら法人向けの貨物空輸などの候補があります。
そんな不自然な候補さす背景には、認識できていない何かがあると考えるのが自然です。
見落としが発生する原因
- 定量化を意識しすぎる
- 問いの要求や条件を検討に反映できない
- 意思決定者の立場をイメージできていない
- 「結論の仮説」によって検討内容が偏る
定量化しやすいのは一部のみ
いきなり台数の計算を求めたり、いきなり収益構造を分解しようとすると、未確定の領域が見えなくなってしまいます。
ものごとを数値で考えるのではなく「言葉や文字」で表してみましょう。
単語を明確に認識する
前回の例題をもとに説明するなら、アフリカ、航空会社、自然公園、といった単語を明確に認識し、その意味を考えて回答へ反映させなければなりません。
意思決定者の視点をもつ
社長の視点から特徴を考慮することで、疑問を抱きやすくなり課題が見えやすくなります。
結果の仮説を立てると、支持する検討に偏る
収益が見込めないと思い込んでしまうと、その否定の収益性がよくなる示唆が見落とされてしまう可能性が高まります。
課題のとらえ方
1つの問いには、多様な課題が存在する場合が多いです。重要な課題だけを厳選したくなりますが、いったん広めに洗い出しておきましょう。
そして、既存の打開策から逆算し、課題を特定していきましょう。
広めに課題を洗い出しして積み上げていくと、検討範囲が膨大になります。見落としてしまった課題を逆算によりチェックしておくのが有効になります。
まず課題を積み上げて、既に存在する打開策の例をもとに課題の特定をしていく方法が現実的といえます。
日常の出来事から知識を得よう
街中を散策中にANAクラウンプラザホテルを見かけたら、ANAがホテルを所有する理由を考えてみましょう。そうすることで、疑問をより定着させることができます。
本屋の会計の横にお菓子が置いてある背景、ヨドバシカメラをみてまわった時に関係ないテナントの場所に商品が点在している背景、を考えるといった内容です。
検討中の案件に、その知識を活かしやすくなるというメリットがあります。
感想
サイト管理人
知識が偏っていると、見落としがある。そんなことを押してくれる1冊となっていました。
物事を考える方法に迷っている方におすすめします。
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