目次
書籍情報
タイトル
変な家
著者:雨穴(うけつ)
インターネットを中心に活動するホラー作家。
ウェブライター、Youtuberとしても活動している。
巻末にて抜粋
出版
飛鳥新社
ストーリー
2019年、9月。知人からある一軒家について、相談をされる。
一軒家は、都内で、駅が近くて、自然が多く、築年数が浅い、開放的で明るい内装の好感の持てる家だという。
ただ、間取りに問題があった。台所とリビングの間に壁に挟まれた謎の空間があったのだ。不審に思った知人は、オカルト専門のフリーライターをしている私に、相談することを決めたようだ。
建物に関して私は素人だ。そこで、ミステリーの愛好家である建築士の栗原さんに、協力をあおいだ。栗原さんは興味を持ってくれたので、一軒家の間取りのデータを送り、話を聞くことにした。
栗原さんと話していくと、「意図的に作られたもの」「本来必要ない2枚の壁」「2回の子供部屋に窓がない」「子供部屋の出入口は2重ドア」いくつもの、奇妙な点が次第に明らかになっていきます。
不可解な間取りが示す意味とは何なのか。真実はいかに……
間取りの謎を解き明かす、新感覚の不動産ミステリーです。
※この物語はフィクションです。
登場人物
- 主人公 名前なし
オカルト専門のフリーライターをしている。
仕事がら、怪談話や奇妙な体験談を耳にする機会が多い。「誰もいないはずの二階から足音がする」「リビングに一人でいると視線を感じる」「押入れの中から話し声が聞こえる」といった、いわくつき物件のエピソードは、数多く耳にしてきた。
この物語の問題になっている一軒家について、記事を書き情報を発信することになる。
- 栗原さん
大手の会社で、建築士をしている。ミステリーやサスペンスが大好き。
世田谷区梅丘のアパートに住む。決して綺麗とは言えないところだが、本人はいたく気に入っている。
Tシャツに短パンというラフな格好が普段の恰好である。短く沿った刈った髪とたくわえた顎ひげ、というスタイルは昔から変わらない。
自宅にかなりの数の蔵書数をもつ。建築関係の本より、推理小説の本を尋常じゃないほど持ち合わせている。
- 宮江柚希
主人公が公開した間取りに、心当たりがある女性。
埼玉県在住の会社員。
主人公に対して、会って話したいとメールを送る。
著書の魅力
問題になっている一軒家の間取りが、常に隣のページにあります。自分が感じた、不可解な間取りの答え合わせをしていき、楽しむような構成になっています。
キッチンからダイニングが行き来できなかったり、外から丸見えだったりと、不便な家だと感じはしました。けれど、こんな大きな犯罪が関わってくるのか、と驚きました。
ホラーが苦手すぎる私は、怖いと思いながらも読み進めていったわけです。ですが、なんでことないです、対話形式でストーリーが進むので、サクサクと読み進めることができてしまいます。あっという間に、読み終わりました。
最後はハッピーエンドまではいかないまでも、前向きな形で話が締めくくられています。後を引くような、気持ち悪さがないのは良い点だとおもいます。
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