「薬事ハンドブック2022」を読んでみる

※ニートが興味をもった部分を紹介します。

読書推薦人

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人によって、おさえておきたい薬の知識は違うと思います。コロナ関連、医療費のデータ、開発動向と、薬についてまんべんなく知れるハンドブックになっていました。

書籍情報

タイトル

薬事ハンドブック2022

薬事行政・業界の最新動向と展望

出版

株式会社 じほう

新型コロナウイルスの経口治療薬

 経口型の抗コロナウイルス薬には、大きく分けてポリメラーゼ阻害剤とプロテアーゼ阻害薬の2種類があります。いずれもウイルスの増殖を抑える薬です。

 ポリメラーゼ阻害剤には、すでに承認されているMSDのモルヌピラビルがあります。

 プロテアーゼ阻害剤は、ファイザーのニルマトレルビル、リトナビル(パクスロビド)の開発が進んでおり、厚生省の特例認証を受けています。2022年中に200万人分を国内に確保する予定です。

 塩野義製薬のS-217622もプロテアーゼ阻害剤となります。1日1回5日間、単剤で無症状から軽症の感染初期患者を治療できる経口薬として開発中です。

 オンコリスバイオフォーマのOBP-2011はタンパク阻害剤です。ウイルス増殖過程の後半で作用する薬となります。形状はカプセル剤で、単剤の投与を想定しています。これも2022年中にP1を開始する予定です。

オプジーボ特許使用料訴訟

 本庶佑氏は、2006年に小野薬品と結んだオプジーボに関する特許使用料の料率が低すぎるとして、2020年6月に提訴しました。

 全面的に対立していましたが、計5回の和解交渉を経て本庶佑氏に50億円と京大が若手研究者の研究を助成するための基金「小野薬品・本庶記念研究基金」に230億円の寄付を行う形で和解しました。

 本庶佑氏は、納得できる内容の解決ができたと声明を発表しています。

 京大は230億円の運用純益を原資として、生命科学を主とする事前化学の研究分野の若手研究者を対象に雇用・研究資金を助成し、研究者を育成するとしています。

うつ病治療薬

 世界保健機関(WHO)は、2015年の世界のうつ病患者数は3億人を上回り、世界人口の4.4%に相当すると推計しています。

 2017年に厚生労働省が実施した調査によれば、国内のうつ病患者数は127万6000人です。

 うつ病の性格な病態生理は不明ですが、脳の特定領域における神経伝達物質モノアミンの機能的欠如により生じると考えられています。

 治療ではモノアミン(セロトニン(5-HT)およびノルアドレナリン(NA))濃度に影響を与える方法を用います。モノアミンが分解されるのを阻害する薬を服用する方法です。

 神経症に使われている「サインバルタ」の売り上げは減少しているが、うつ病や社会障害といった限定的な症状に使われる「イフェスサー」や「トリンテリックス」は、売り上げを伸ばしています。

 イフェクサーは国内での2021年の売り上げを2%増やし、トリンテリックスは前年比の226%の売上増加を計上しています。

がんの薬

 2021年5月21日、挿入変異のある成人非小細胞肺がんに対する最初の治療薬として、二重特異性抗体薬RYBREVANTを承認しました。

 治療終了後に病勢が進行した非小細胞肺がんで、挿入変異陽性の81例に対する奏効率(ORR)は40%です。奏効期間(DOR)の中央値は11.1カ月、患者の63%が6カ月以上を達成しました。

 2021年5月、FDAは、前立腺がんの転移または再発の歌会を診断するため、静注用PET画像診断薬piflufolastat F18(PYLARIFY)を優先審査で承認しました。重篤な疾病の診断・検出するための革新的な画像診断による標的療法およびAIソリューションに特化したプロバイダーLantheus Holdings申請したのです。piflufolastat F18は申請から6カ月以内に全米で使用可能になっています。

 高いバッチ製造脳と画像解像度と組合せ、従来の画像診断よりもPYLARIFY PET画像診断の特異性と陽性予測値(PPV)の改善を示しました。

国民医療費

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厚生労働省:「2019年度国民医療費の概況」よりダウンロード

 当該年度内の医療機関等における保険診療の対象の治療に要した費用を推計したものです。

 先進医療や選定療法(特別の病室への入室)、不妊治療などの費用は含まれていません。

 2019年度の国民医療費は前年度より2.3%増の44兆3895億円で、過去最高となっています。国民所得に対する国民医療費の比率も過去最高の11.6%です。

 「後期高齢者医療給付分」の増加傾向が続き、全体の約1/3を占めています。

 財源別ではすべての区分で前年を上回っており、「保険料」の構成割合は全体の約1/2となっています。

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厚生労働省:令和2年度 医療費の動向-MEDIAS-よりダウンロード

 2020年度の概算医療費は対前年度比3.2%減の約42.2兆円となり、4年ぶりに減少に転じました。

 75歳以上の概算医療費は、対前年度比の2.4%減にとどまり16.6兆円と全体の4割弱を占めています。

医薬品開発プロジェクト現況

 日本製薬工業協会薬事委員会新製薬事部会により毎年アンケート調査を行っています。製薬協薬事委員会加盟会社67社の回答をまとめたもので、開発プロジェクト数について答えています。

 開発プロジェクト数は2020年より66多い1028で、2020年い比べ国際共同治験を含むプロジェクトが増加しています。国内は減少しました。
 グローバル開発品目の割合は全体で85%を占めています。

 開発領域では抗悪性腫瘍薬の割合が高い傾向にあり、全体の45%です。

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