目次
書籍情報
タイトル
サクッとわかるビジネス教養 地政学
著者:奥山真司 おくやま まさし
1972年横浜市生まれ。地政学・戦略学者。戦略学Ph.D.(Strategic Studies)。国際地政学研究所上席研究員。戦略研究会編集委員。日本クラウゼヴィッツ学会理事。カナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学(BA)卒業後、英国レディング大学院で、戦略学の第一人者コリン・グレイ博士(レーガン政権の核戦略アドバイザー)に師事。地政学者の旗手として期待されており、ブログ「地政学を英国で学んだ」は、国内外を問わず多くの専門家からも注目され、最新の国家戦略論を紹介している。現在、防衛相の幹部学校で地政学や戦略論を教えている。また、国際関係論、戦略学などの翻訳を中心に、セミナーなどで若者に国政政治を教えている。
著書に『地政学 アメリカの世界戦略地図』(五月書房)、『”悪の論理”で世界は動く!』(李白社)『世界を変えたいなら一度”武器”を捨ててしまおう』(フォレスト出版)訳書に『大国政治の悲劇』(ジョン・ミアシャイマー著)、『米国世界戦略の確信』(スティーヴン・ウォルト著)、『進化する地政学』(コリン・グレイ、ジェフリー・スローン編著)、『胎動する地政学』(コリン・グレイ、ジェフリー・スローン編著)『幻想の平和』(クリストファー・レイン著)、『なぜリーダーはウソをつくのか』(ジョン・ミアシャイマー著、以上、五月書房)、『戦略論の原点』(J・C・ワイリー著)、『平和の地政学』(ニコラス・スパイクマン著)、『戦略の原点』(J・C・ワイリー著)、『平和の地政学』(ニコラス・スパイクマン著)、『戦略の格言』(コリン・グレイ著、以上、芙蓉書房出版)、『インド洋圏が、世界を動かす』(ロバート・カプラン著、インターシフト)がある。
巻末より抜粋
出版
新星出版社
内容
地政学とは
「国際世辞を冷酷に見る視点やアプローチ」と考えています。
国際政治での国家のふるまいは冷酷で残虐です。
今後ますます混乱する世界情勢を理解する視点を身につけていただければと思います。
「アメリカの大統領選挙」「イギリスのEU離脱」その裏側を知るために、地政学は注目を浴びました。
地政学は、アジア・中東・ヨーロッパの3大エリアで衝突する国々のふるまいについて研究されたものです。
他国を支配するには「道」と「要所」を手に入れる事です。
必ず通る要所を見張れば物流コントロールし、支配することができます。
地政学を戦術として初めて利用したのが、プロイセン王国(ドイツ)と言われています。フランスに勝利したことで、研究しようという流れになりました。歴史をたどると
アメリカのハマン 「シーパワーとランドパワー」 (明治時代)
↓
イギリスのマッキンダー 「ハーランド」
↓
アメリカ スパイクマン 「リムランド」 地政学の基礎が完成
と地政学は研究されてきました。
内陸のウズベキスタンと海に囲まれている日本では、防衛の仕方が違うのです。
領土を奪われる「恐怖」、威厳を保ちたい「名誉」、お金を儲けたい「利益」が国の思惑として動いていて、歯向かわないよう「工作」し、材料を安く購入し、製品を高く売却することで、コントロールする国とされる国ができあがります。
地政学を学び、国同士の思惑をしっかり理解しよう。
地政学の基礎
地政学を理解するには、簡単に用語と概念を知る必要があります。
アメリカの4つのオプション
場合分けをした関与の仕方で国々をコントロールしている、地政学的考え方からみたアメリカの基本的な考え方です。
バランス・オブ・パワー戦略
バランス・オブ・パワーとは勢力均衡という意味です。
1位が2位を敵対し、
3位以下の国と協力して、2位の国力を削ぐというものです。
1980年代は、1位がアメリカ、2位が日本、3位が中国。
2010年代は、1位がアメリカ、2位が中国、3位が日本。
チョークポイント
上記の地図の赤い丸で印した場所がチョークポイントとなります。
チョークポイントとは、ルートを航海する上で絶対に通る海上の関所のことです。
大規模な物流の中心は、今でも海路です。海路は国家運営の命綱とも言えるでしょう。
この世界のチョークポイントを監視しているのが米海軍です。要所に艦隊を浮かべています。
「ランドパワー」「シーパワー」
ランドパワーとは
ユーラシア大陸内陸部の国々、道路や鉄道を使った陸上輸送能力に優れています。
- ランドパワーの国々
- ロシア
- 中国
- ドイツ
- フランス
シーパワーとは
国境の多くが海洋に面する国々、造船場や港湾施設などを持ちます。
- シーパワーの国々
- アメリカ
- イギリス
- 日本
歴史からみても、ランドパワーとシーパワーは両立しない。
「ハートランド」vs「リムランド」
ハートランドとリムランドの国同士で、衝突を繰り返している。
- 1950年 朝鮮戦争
- 1955年 ベトナム戦争
- 2001年 アフガニスタン戦争
- 2003年 イラク戦争
ハートランドとは
ユーラシア大陸の心臓部
リムランドとは
ユーラシア大陸の海岸線に沿った沿岸部
シーランドが持つ「拠点」の持つ意味
拠点の効果
- レーダーで監視し、相手国の動向を見る
- 軍隊を駐屯するなどして影響力を保持する
米軍基地「拠点」
- 主に中国や北朝鮮に影響力を持つための拠点
- 他にもディエゴ・ガルシア島(インド洋)
- ドイツのラムシュタイン
米軍のレーダーが国々を監視しています。
ビジュアライゼーション
宗教問題、人種・民族問題など、根深い対立の歴史などの知識が必要になることもあります。
その知識や国々の関係性は、地図で説明できると考えています。
大戦略
地政学とは、配置や補給ルート、資源の配分方法を考えるための理論です。局地的な範囲ではなく、地図上の国を見る視点を持つ学問です。
島国・内陸国・半島の特徴
島国
- 他国が侵略しようとした場合、非常に攻めづらい
- 守る島国側が非常に有利
内陸国
- 近くの国から侵攻されやすい
- 近くの国に侵攻しやすい
- 侵攻されることを考えながら、国土を拡大していかなければならない
半島
- 周辺の強国の影響を受けやすくなる傾向あり
- 北朝鮮、韓国も昔から中国の強い影響を受けている
日本という島国
地政学的な優位性で独立を守れた島国
江戸時代までは海外との衝突がほとんどありません。
衝突はたったの3回
- 663年 白村江
- 1274年 元寇
- 1592年 朝鮮出兵
明治になると海洋進出を始めます。→失敗します。
海洋進出をする理由
- 欧米諸国から国土を守る
- 産業の工業化
- アジアの盟主になる名誉
古くから流通の基本は海運を利用していて、陸上交通の発達は遅い国です。
独立をこんなに維持できる国はほとんどない
- イギリスは1066年 ノルマン・コンクエストでノルマン人に征服される
- フィルピンは300年以上スペインの植民地にされ、その後も数々の国に支配される
ナゼ北方領土はロシアから返還されないのか?
日本にとって返還されたら困る土地で、ロシアにとっては大事な土地だからです。
理由
- ロシアは海の向こうのアメリカを監視したいから
- ロシアは「北極海ルート」を守りたいから
- 日本にとってメリットがないから
変換前・返還後の比較表
日本 | ロシア | |
返還前 | 国民感情として、ロシアと対立 | 北極海ルートの支配 アメリカの動向を観察する アメリカを遠ざけられる |
返還後 | かつての住民が移住できる 国民感情が好転する 周辺の海から海産物がとれる | 北極海ルートの防衛が難しくなる アメリカに拠点を作られる可能性がある アメリカとの距離が近くなる |
沖縄米軍基地は完璧な拠点
アメリカ人にとって、侵略で勝利して手に入れた領土という意識が高く、そしてメリット多い拠点です。
沖縄米軍基地の特徴
- ICBM:大陸間弾道ミサイルを配置すると、世界中の都市を射程に収めることができる
- インフラ設備が整っている
- 政情も安定している
- 基礎設備を整えやすい 世界最高レベルの設備
ミサイルの射程には
- モスクワ
- ローマ
- ロンドン
- 北京
など主要な都市が全て入る。
日本人にとっての問題
- 沖縄の人によく思われていない
- 自衛隊も使えない持ち物が多い
- 米兵の交通事故
世界の警察、米海軍横須賀基地
アメリカ国外唯一の空母の母港であり、数多くの軍艦が寄港する基地です。
世界最大級の船の修理設備ドライドックがある
- 世界に展開する上で欠かせない施設
- アメリカ本国より技術が高い
- 大型の軍艦や空母の修理も可能
- ハワイ・アメリカ本土まで戻っていると迅速な対応がとれないので、重要な拠点となっている
対馬列島、尖閣諸島の近海の争い
中国の目的は近海の拠点を手に入れること、そのためにはどうしても台湾がほしい。そして、尖閣諸島の位置は台湾有事の際に邪魔になります。
もちろん、国際法上も明確に日本の領土としています。
他の島も危ない
- 与那国島
- 宮古島
- 石垣島
この島々には自衛隊の駐屯地を開庁、建設中です。
日本は石油がないと命がない
日本は石油消費量 第4位
- 385万(バレル/日量)
- 1日に2回 大型石油タンカーが来ないと日本は破綻
安全に石油を輸入できるのは米海軍のおかげ
ホルムズ海峡→マラッカ海峡→シンガポール海峡→日本。というルートを通り石油を運んでいる。
- ホルムズ海峡には海賊、2019年にタンカーが襲撃されている
- マラッカ海峡には中国軍
ロシアから石油や天然ガスのパイプラインを結ぶ計画が持ちかけられている
- 北方領土問題で頓挫している
- ロシアとしては、お金が欲しいし、ルートも確保しておきたい
- 日本としては、現状としては濁す形で現状維持がベスト
北朝鮮のミサイルは相当な脅威のはずなのに
7分で着弾するミサイルはほぼ陸地に向けて発射されれば、止めようがない速度です。本当は非常に高リスクなのに、国民感情としてもあまり危機感を感じておりません。
北朝鮮の内情
- 細かく縦割りされている組織で、反乱が起きにくい組織を作っている
- 考えてることがわからない。と思わせたい
- 動きが読めないことで、動きにくくしたい
- ベトナムみたいになりたい?
- 核を使う?と思わせたい
世界をコントロールするアメリカ
地政学で考えるアメリカの特徴
- 孤立した大きな島(シーパワー)
- 他国から侵略されにくい
- 外に戦力を向けやすい
- 太平洋と大西洋のルートを確保している
- 隣接するカナダやメキシコは競える国力がない
世界三大戦略地に関わり、ユーラシア大陸をコントロール
- ヨーロッパ 主にロシアを監視
- 中東 主にイランを監視
- アジア 主に中国を監視
中国の急成長に対するアメリカの思惑
アメリカvs中国
- 中国からの中品に関税をかける
- 中国の大手通信企業の機器の使用を制限
- アメリカの関税に対し、報復として輸入品へ関税をかけて対抗
アメリカのゆずれないもの
- 安全保障
- 海の覇権
ブルー・ドット・ネットワーク
中国の一帯一路構想への対抗策、日本・オーストラリア・アメリカでインフラ設備の支援をします。
インド太平洋構想
インドを仲間に入れて、自由で開かれたインド洋を作ろうというもの。海洋ルートを守ることに繋がります。
アメリカと中東諸国
アメリカと仲の良い国はアメリカ軍を置いてもらい自国を守ります。敵対しているイランはロシアと中国から支援を受けて対抗しています。
イランを完全包囲する中東の米軍
- イラク
- ヨルダン
- サウジアラビア
- アフガニスタン
- UAE
上記の国に軍を置き、ロシアをけん制するためにも中東での大国イランをおさえることが重要だったのですが、アメリカでシェールオイルが発見されて、中東の重要性が低下しました。
本音は手を引きたい。アジアに中東の戦力を回したいと考えています。
トランプが思い描いたものは?
実は自身が大統領でいることが彼の本心、常に世論を意識し政策や起こした行動が支持されればそれを続けます。
莫大な支出が必要な世界の警察役は無駄と考えていて、関与を減らしたい、中東から引き返せ、日本や韓国にも圧力をかけてやる。とこんな具合になります。
ホワイトハウスの一部の官僚はシーパワーを確保しておきたいと考えていました。
ロシアはかつての力を取り戻したい
ロシアの特徴
5大南下ルート+北極海ルート
- バルト海ルート
- ロシア海軍基地があり、安全に海岸を通れるメインルート
- ヨーロッパ陸ルート
- 第2次世界大戦でドイツ軍と旧ソ連軍が対峙したルート
- 現在はNATO勢力ドイツ、ポーランドがあるため通行不可
- 黒海ルート
- クリミアが独立したため、併合したことにより港を自由に使えるようになった
- 黒海→ボスポラス海峡→ダーダネルス海峡→地中海→ジブラルタル海峡→大西洋に進出できる
- インド・アフガニスタンルート
- 1979年アフガニスタン紛争後、進行不可
- シベリア・ウラジオストクルート
- 不凍港をめぐって日本と少し対立
- 北極海ルート
- シーパワー勢力にとって、非常に攻めづらい
- 他国が絡まず、海賊もいないので安全に航行できる
- 高価な耐氷船が必要で、補給基地を確保できていない
バッファゾーン
国境が広いため完璧に防衛するのは難しいロシア。仲良くする事で、NATO勢力から守っている。
本来は僕のもの
かつての領土を取り戻したい。国力回復運動を展開したい。
ロシアの弱点
- 隣接する国の数が14と多すぎる。攻められるかもしれないと考えておかなければならない
- 大国にしては経済力が低い
- 天然資源の輸出により向上したが、13%程度は貧困層
外国のいいぶん
アメリカ
武力による領土変更するな → 本音:勢力を拡大するな
EU
武力による領土変更するな(小声)→ 本音:エネルギーちょうだい
中国、フランス、日本など
北極圏周辺に石油や天然ガスのエネルギーがあるとこから、開発に参加している
プーチン戦略
レーニン・ゴルバチョフが共産主義の失敗におわる。1917~1991年
エリツィンが資本主義の失敗に終わる。1991~1999年
プーチンはイデオロギーを捨てて、強烈なリーダーシップと地政学的な視点で物事を見ている。
プーチンの考え
- 世界一の領土の維持・拡充
- 国際社会での影響力の拡大
中国はシーパワーも手に入れたい
中国の地政学的特徴
国土が広い事で昔から争いが絶えない
- 四方に住む異民族、東夷、西戎、北狄、南蛮との争いが絶えない
- ロシア、ベトナムとの国境紛争が絶えない
- 漢民族のほかに50以上少数民族がいる
- 国内の治安維持費が国防費を上回る、珍しい状態
治安維持費に含まれるものは、ジャーナリストの盗聴、過激派対策、ネットの政治的内容の添削などが含まれています。
中国の思惑
- 周辺国を取り込みたい
- 海洋に進出したい
- 漢民族こそが世界の中心だ
中国の海洋進出アプローチは斬新
海洋進出には拠点を展開して、海を制します。
中国は海に線を引いて、面で海を支配しようとしています。
第一列島線、第二列島線、第三列島線と拡大していく計画にあるようですが、思うように進んでいません。
一帯一路の構想
アジアとヨーロッパを繋ぎ、南シナから地中海を結ぶ物流ルート
目的
- 過剰になった製品を国外に売り付けたい
- 13億人の国民を国外で仕事に就かせたい
消費国金融の債務の罠
パキスタンやスリランカに対して金を返せないなら、道を自由に使わせろ!と圧力をかけている。
水をめぐって対立
中国は都市への水の配給が上手く行っていません。なので、メコン川上流に目をつけてダムを建設することにしました。
メコン川、ブラマプトラ川にダムを造ることで、水源を奪われたラオス、タイ、バングラディシュ、インドは「水返せ!」と死活問題になっています。
近々、水戦争が起こる可能性が非常に高いと言われています。
中国の言い分は滅茶苦茶
- 環境に配慮している
- 発電に使うんだ
水量がなくなって、生態系が普通に壊れそうですし、発電が目的ではありません。
新型コロナウイルス後の世界は中国がさらに勢いがつく?
グローバリズムが土台であるシーパワーは蔓延中に弱まっていくでしょう。収束後、国内で経済を回せる中国はそれなりに力を発揮できるでしょう。そこから5~10年後はシーパワーが復活するので、思うように動けなくなるでしょう。
習近平の考え
- 香港、台湾を奪われた思いから中華帝国をもう一度取り戻したい
- 台湾 → なんとしても統一してやる
- アメリカ → ベトナム戦争よりマシだ
- 北朝鮮 → 臣下として治めよう
- 日本 → 敵にしない程度に仲良くしておこう
アジアはバランスをとりつつ発展したい
アジアの特徴
- ランドパワーとシーパワーの衝突が絶えない地域
- 経済面では中国に依存
- 安全保障面ではアメリカに依存
異なる3つの文化圏
- 中華文化
- インド文化
- イスラム教
異なる宗教・文化が共存している。
インドvs中国
インドは人口が増えており、経済規模も拡大している。平均年齢も27歳と若くこれからも発展していくだろうと考えるとなると、エネルギー源の石油が必要になってきます。
インドに石油のルートの主導権を渡したくないがために、インドを囲む様にして航海しています。別名、真珠の首飾り戦略といわれている。
インドは中国の輸入ルートに対して外側から包囲する戦略を取っています。別名、ダイヤのネックレス戦略といわれている。
アジアの米中関係
- ベトナムは中国と敵対し、アメリカと強調
- ラオス・カンボジアは中国の支援を受けながら、ベトナムをけん制
- タイはアメリカの同盟国でありながら、中国が最大の貿易相手
ASEAN諸国にとって、中国の経済依存が避けられずにいるけれども、アメリカの支援も受けたい。
シンガポールの発展
ハブ港のマラッカ海峡付近の場所に位置する。初代首相リー・クアンユーはそれを活かした。
リー・クアンユーの手腕
- 積極的に外資企業を誘致
- 税制上の優遇措置を設ける
- インフラの整備
アジアのビジネス拠点へ成長しました。
サイト管理人
こう言うとシンガポールがすごく良い場所にみえます。
芸能人、著名人がシンガポールに移住している事もあり、旅行先として注目されているかもしれませんが….
治安が良く、スリや軽犯罪もない場所というのは観光名所になっている狭い範囲だけですので、旅行の際は十分気を付けて下さい。
中東の混乱
中東の特徴
昔は貿易の中継地、今は石油の産出地です。オスマン帝国の平和な時代もありましたが、他国の支配下に置かれ、独裁的な指導者が誕生し、民主化運動をするも失敗し、政治的空白からISが生まれました。
サイクス・ピコ協定
勝手に分割されて混乱する住民たち。
- 宗教や民族的に統一感がなく、国への帰属意識が低い、立て直す気力がない
- 長らく傀儡国家だったため、独裁者でないと国を治めにくい
イギリスの矛盾する2つの密約
- バルフォア宣言
- ユダヤ人から戦費提供を受ける代わりに、パレスチナにユダヤ人国家を認める
- フレイン・マクマホン協定
- アラブ人がオスマン帝国に反乱すれば、アラブ人国家建設を約束する
イラン | サウジアラビア | トルコ | シリア | イスラエル | |
主な民族 | ペルシャ人 | アラブ人 | トルコ人 クルド人 | アラブ人 クルド人 | ユダヤ人 アラブ人 |
主な宗派 | シーア派 | スンニ派 | スンニ派 | シーア派 民はスンニ派 | ユダヤ教 イスラム教 キリスト教 |
核保有 | 将来的に〇 | イランが持てば〇 | 将来的に〇 | おそらく✖ | おそらく〇 |
アメリカとの関係 | 反米 | 親米 | 今は反米 | 反米 | 親米 |
バラバラですね。
ISは崩壊したのに混乱するシリア内戦
ISとは?
- スンニ派の反体制組織から誕生した団体
- 帝国建設を目指し、世界中でテロを起こしている
未だに争っているのは?
IS+反体制組織とアサド政権が衝突し、そこに米軍に空爆を受けて首都ラッカが陥落しました。独立を目指す世界最大の民族クルド人が勢力を得てしまい。反体制組織とアサド政権とクルド人とで三つ巴の争いが起こっているというわけです。
イランとアメリカの対立
石油の利権を求めるイランに独裁政権が成立した時、当時のアメリカは自国に利がある独裁政権を支援しました。
民衆がイラン革命をおこし、独裁政権を打倒すると、アメリカの影響力が薄れてしまいました。
その後、イランにイラクが侵攻したとき、アメリカはイラクを当然支援します。
同時に旧ソ連も南下政策でアフガニスタンへ侵攻します。
ブッシュ(息子)→イランを悪として、核開発を非難し、経済政策を開始します。
オバマ→IS打倒で利害一致し、核開発を一部認めて経済制裁を解除しました。
トランプ→核合意には欠陥があるとして離脱、再び経済制裁を開始します。
サウジアラビアと米露との関係
サウード王家の王国です。石油が発見されたことによりアメリカとロシアの協力関係が生まれました。
- アメリカとは石油の共同開発
- ロシアとは経済関係を深めた
シーア派のイランとは、激しく対立している。2016年に国交を断絶。
トルコと米露との関係
本来はシーパワーの勢力の一員です。
イラクを支援した際、クルド人を支援したと思われているので、アメリカとの仲が悪化しています。
ロシアとは食料とエネルギーの分野で関係を深めています。
パレスチナとイスラエルの関係を整理しよう
- ユダヤ人が世界中からパレスチナに移住して、パレスチナvsユダヤ人がスタート
- 世界大戦後、ユダヤ人国家のイスラエルとアラブ人国家のパレスチナに分割
- 4度の中東戦争
- 両者が「2国共存」を認める。パレスチナ暫定自治協定を結ぶ
- 協定に反する過激派組織によるテロが頻発、和平交渉は頓挫する
ヨーロッパの国々
ヨーロッパの特徴
- ヨーロッパは大きな半島。揺れ動きが激しく、安定しづらい
- 海洋に進出しやすい
- 陸続きのロシアが脅威になっている
- 南のイスラムのせめぎあいが続いている
- 第二次世界大戦後、アメリカが介入して軍事のNATOができた
- 政治経済はEUという形
イギリスの伝統的な戦略
- ユーラシア大陸から距離をとってコントロールする
- 強国がでてきた場合に、その周囲の国を支援し、両者を競わせることで勢力を均衡させてきた
- イギリスはEUとして大陸側と1つになるのか不安
- エリート層は他国との関係が重要と考える、EU残留派
- 一般の庶民は外国人労働者に仕事が奪われたという意識が強く、EU離脱派
ドイツが優勢なのはEUのおかげ
- ユーロ安によりドイツの経済は右肩上がりになった。→輸出増
- 古くから周辺国に侵略を受けてきた
- 周辺国にとっては世界大戦後を引き起こしたドイツは驚異の存在だった
- 旧ソ連が崩壊すると、ドイツは再統一した
- EUはっそは再び巨大な帝国にならないためではないかといわれている
フランスではなぜテロが多いの?
- 移民2世3世がテロに関わる場合が多い
- 最初は当動力として受け入れられたが、移民のこどもは差別を受けるようになった
- 自由な信仰を妨げられて、過激派の思想に染まっていく若者が後を絶たない
ギリシャを救ったのは?
ギリシャは財政赤字を隠蔽したことが発覚して、経済危機に陥りました。
ロシアとしては黒海から地中海に抜けるルートの安全確保をしたいので、お金を貸したい。
EUはアジアへ抜けるルートを確保したいのと、ロシアをけん制したい。
結局、ギリシャが支援を拒否したにもかかわらず、EUが押し切って支援を実行しました。
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