読書推薦人からみて、重要に思えた部分を紹介します。
この書籍の中から、各章で興味をひられたものを紹介いたします。
目次
書籍情報
タイトル
2022年日本はこうなる
著者
三菱UFJリサーチ&コンサルティング
出版
東洋経済
第1章 国際社会・海外ビジネス
アフリカビジネス
アフリカ市場は急成長しています。人口増加に後押しされるかたちで、経済成長も期待されています。
人口の6割が農業に従事し、製造業の産業は発達に乏しいです。しかし、モバイルマネーや遠隔医療などの最先端技術が進み、先進国から駆け足で成長しています。
アフリカの規制の柔軟性や既得権益の少なさを活かして、救急医療品を運搬する米Ziplineの事業のモデルを展開しています。新規事業の場として、注目されているのです。
アフリカ諸国が抱える問題は、インフラの未整備、伝染病、乳幼児死亡率、望まない妊娠の多さと、多くをかかえています。各国からの支援も続いていて、医療、交通、農業、希少植物、水事業、エネルギー関連などの公共調達の参入をきっかけに事業を起こす企業も少なくありません。中小企業が参加しやすいともいえるでしょう。
日本企業のアフリカ進出は勢いが加速すると予想できます。積極的にアフリカ事業に乗り出すことを検討すべきです。
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- ASEANにおける脱炭素 ASEANにおける電力供給を石炭から変化させたい、ASEANに拠点をおく日系企業も脱炭素・再生エネルギー比率といった課題に具体化させる年になる
- メガFTA/EPA戦略 FTAは関税の撤廃や削減をさだめるもの、EPAは国同士のルールのことである。TPP11やRCEPで経済連携を図ろうとマラッカ海峡あたりの各国が参加している。インドの参加可否が焦点となるだろう
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- ワクチンパスポート ワクチン接種をデジタル証明できることで、空港での水際対策に使われる
第2章 産業はこうなる DX編
行動変容
日々の習慣にデジタル技術を活用するヘルスケアが発達してきました。運動や食事改善などに関する運用です。オススメの行動をタイミングよく提示し、日々のデータを記録して見せるといったものがほとんどでしょう。
ここ1、2年これまでのデジタル介入で、ひとの習慣を変えることがあまりないことが解ってきました。自分の生活習慣を可視化し、他人の目を意識させることで効果があるといいます。ネット上で情報を公開したり、共有するのも1つの手です。ただ、万人にできることではありません。
これからは、それぞれの人にあった形で、個人と社会を結ぶデジタル行動変容の介入が求められます。
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- シェアリングエコノミー インターネットのプラットフォームを介して混雑状況を把握し、休暇している民泊施設などを提供できるシステム
- データセンター クラウドが急拡大しているのを支えているのが、データセンターの存在である
- 建設業のDX 3次元での調査、設計、施工が具体的になってきた
- アナログ半導体 アナログ半導体はデータ通信が生活に取り込まれるほど、需要を増してきていて開発を与儀なくされている
- 産業用ロボット 環境にあったロボットの開発がされていたが、ロボットに得意なことさせる環境をつくるようにシフトしてきた
- 5G 5Gは特に交通渋滞の緩和に期待が良さられていたが、エリア拡大が難しく時間がかかっている
- チャレンジャーバンク スマホで銀行サービスや決済、送金を手軽にしたいというニーズにどう答えるのか
- NFT デジタルコンテンツに証明書情報を添付
- スマートファクトリー デジタル技術をフル活用する製造現場に、社会情勢などの目的に合わせた多様化が試み始めている
- 介護業界のDX 介護は人の手や会話、表情が必要なことが多く、なかなかデジタル化が進んでこなかった。最近はスマホやタブレットのハード・ソフトウェアの導入、介護記録を手書きする手間が減り、残業が減った例もでている
第3章 産業はこうなる 時代の潮流編
漁業法改正
漁業や養殖業の新規参入がしやすくなりました。
「漁業生産の増大、並びにこれを通じた漁業所得の向上、および就業機会の確保、その他の地域の水産業の発展に最も寄与すると認められる者」に免許が交付されいます。
資源調査の本格化、漁業者に漁獲量の割り当て、そん色ない資源管理システムの導入と2020年12月に大きく施行されたのです。稼ぐ視点と守る視点が取り入れられた形になります。
創業記録を共有することにより「獲りすぎ」防止に繋がり、水中ドローンや人工衛星を活用した漁場予想モデルの開発も進められています。今後は、個々の漁業者の姿勢が注目されるでしょう。
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- ドローン活用 ドローンが一部で規制が緩和されて、生活圏内の導入へ
- 農業人材活用 日本の農家は外国人の労働力で人手不足を解消しようとしているが、技術や育て方、DNAなどがタダで盗まれるなどのリスクも明白になった
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- 日本版宇宙ビジネス 衛星通信、除雪トラック作業自動制御、防災予防の市場形成に期待ができるのではないか
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第4章 企業経営はこうなる
カルチュラル・イノベーション
最近のヒット商品は、一見するとよくわからないと言われています。高額のコーヒー、Tシャツ、リターンが無いクラウドファンディング、メリットが不明のオンラインサロンなどです。
他人にはわからない理由は、商品、サービス、人にストーリーなどを感じたりして購入至るからです。商品やサービスが内包するメッセージや経営者への共感などに価値をおいています。
従来の日本は、機能性に注視して商品を買っていましたが、これからは理想とする社会観念の共有や高揚感を大切にする時代へと変わりつつあるようです。
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- 国の科学技術基本計画 科学技術の評価は終盤にしか行われていなかったが、段階的な目標を定めて進歩を測る指標が設定されている
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- ISO30414 人的資本の透明性や価値を向上させる目的で、国際指標が示されている
第5章 働く場はこうなる
記事の見出し
- リスキリング 継続して、自主的に、職場内にこだわらず、勉強していく人材開発戦略
- 高年齢者雇用 長年のキャリアで築き上げた専門性を活用し、副業をするという選択肢がある
- 人財戦略 中核人財の多様性と、人的資本投資の情報開示が求められる
- 執務環境のQOL向上 地球環境に配慮しつつ、健康や快適性などの執務生活の質を向上する
- 学校法人のガバナンス 実用性のあるガバナンス強化と情報公開が必要
- 危機管理 顕在のリスク、潜在的リスク、全てのアクシデントに対応したマルチインシデント対応へ
- 役員の指名・報酬ガバナンス 企業価値の持続的向上を目的に、必要なガバナンス設備を整える
他にも記事があります
社会・文化はこうなる
- データサイエンス教育
- 知財創造教育
- マンション管理評価制度
- 教育改革
- 18歳成人
- eスポーツ
- 地域福祉
少子化・高齢化はこうなる
- オンライン服薬指導
- 男性の育児休業
- 医療・診療報酬改定
- かかりつけ薬局
- 健康保険組合
- 病院の働き方改革
- 子ども政策
地域はこうなる
- ポストコロナの三大都市圏/東京圏
- ポストコロナの三大都市圏/名古屋圏
- ポストコロナの三大都市圏/大阪圏
- 災害時要配慮者への対策
- スーパーシティ
- EBPMを支えるデータ提供基盤
- サステナブル・ツーリズム
- デジタル庁
地球環境・エネルギーはこうなる
- 国内太陽光発電マーケット
- 食品ロス削減
- 生物多様性
- 欧州サステナビリティ対応
- 森林の有効活用
感想
そこそこ難解な書籍ではありますが、記事の要点を探すような形で読んでみました。「そういうこともあるかもしれない」と話し半分で解釈し、ざっくりと噂のトレンドを知ることができたと思います。
未来の予想をズバリ当てるビジネス書のようなものではありません。確かなことが書かれていないからこそ、現場レベルでのヒントになるのではないでしょうか。
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