※ 毎朝、5分ほどで読める書籍の紹介記事を公開します。
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
目次
はじめに
先進国では7割以上の労働者が、自分の給料を上げてもらうように、毎年経営者と交渉しています。
日本では、自ら賃上げを求めたことのある人は日本では3割にも満たないのです。
日本人の労働者は今日まで、一方的に「経営者から評価される」立場にあります。しかし、働く人が急激に減るなかで、働く人は貴重な存在です。これからは「経営者を評価する」時代となるでしょう。
だからといって簡単に高い給料を求められるわけではありません。日本と海外の給料の差は、毎年1%弱の賃金上昇率の違いから生まれています。
昇給の理想はインフレ率が0%の場合に4.2%です。現在の初任給が21万円だとすると、2060年の男子大卒の初任給は35万円になります。
まじめに働いていれば幸せになれるのは、当たり前であるべきです。
書籍情報
給料の上げ方
日本人のみんなで豊かになる
第1刷 2023年4月20日
編者
発行者 田北浩章
発行 東洋経済新報社
発売
ブックデザイン
装幀
装丁 橋爪朋世
DTP アイランドコレクション
印刷 港北メディアサービス
製本 積信堂
編集協力 小関敦之
編集担当 桑原哲也
ISBN978-4-492-55809-6
総ページ数 315p
デービッド・アトキンソン
小西美術工藝社社長。オックスフォード大学「日本学」専攻。金融調査室長として日本の不良債権の実態を暴くレポートを発表し、注目を集めました。
東洋経済新報社
4つの選択肢
UnsplashのAlexander Milsが撮影した写真
昇給の選択肢
●海外に移住する
●給料交渉をする
●転職する
●起業する
人口減少が待っている日本から逃げるのも選択肢の1つです。人口減少がなく、給料水準が高い国移住できれば、日本でおきる問題を回避できます。
会社と交渉し、希望する給料がもらえないのであれば、適切な給料を支払ってくれる企業に転職するべきです。
自分で会社をつくる選択もあります。失敗しても国の支援が受けられるので、新しい発想で経営していけば、いままでにない付加価値を生み出すことも不可能ではありません。
若い人が起業のチャレンジするケースが増えていますが、事情を踏まえると彼らの気持ちがよくわかります。
生産性を上げる
Image by PublicDomainPictures from Pixabay
イギリス政府の依頼によってまとめられた「The Five Drivers of Productivity」という論文では以下のような5つの要因によって生産性が上がると報告されています。
- entrepreneurship
- 設備投資
- 人材投資
- 技術革新
- 競争
アントレプレナーシップは、新しい事に挑戦する全般を指しています。イノベーションを実現する設備、設備を運用する人材が必要です。
生産性は技術力をどこまで普及させて、活用できるかの技術革新をしていく必要があります。使われない特許の数は日本は世界トップクラスです。
競争に至っては、強い相関関係がみられません。相関係数は0.05と、非常に低い数値にとどまっているようです。適度な競争は必要でも、過当競争が生産性を下げるのです。
生産性があがって、給料が上がるか否かは、新しいアイデアを広く普及させ、定着させるイノベーションの成否によって決まります。
評論家が挙げがち俗説
8つの俗説
●消費税の引き上げ
●デフレ
●新自由主義の影響
●グローバリズム
●四半期決算の導入
●もの申す株主の影響
●日本型資本主義の崩壊
●政府が公共工事などを減らして、緊縮財政を進めている効果
なんとなく正しそうな話が世間に流れています。事実かどうかをきちんと検証しなくてはいけません。
消費税の話と経済停滞をセットにして語られるものは、わかりやすい比較ができます。ほとんどの先進国が日本より高い税率の消費税を導入しているにもかかわらず、経済が成長しており、給料も上がっているのです。
たしかに、消費税の引き上げは経済成長にプラスの影響を与えることはなく、マイナス要因です。しかし、消費税を引き上げただけで、550兆円規模の日本経済の成長が止まることはありません。
おわりに
1983年から日本と日本経済の勉強を始めました。1990年からは住まいも日本に移し、33年間暮らしています。
第二次安倍政権以降は、政府も日本の給料水準を上げようと、最低賃金を毎年3%ずつ引き上げていますが、一般の人が受け取る平均給料はほとんど上がっていません。
日本では政府にできることが非常に限られていて、海外に比べて強制力が弱いのです。
政府に期待できない以上、みなさんが自分の生活を守るために、自分で給料を上げるように努力をしなければなりません。
感想
サイト管理人
ものは試しに、賃金交渉してみてはいかがでしょうか。
製造業に至っても、作業書の読み、材料を取ってきて、機械にセットして、調整して生産管理を終えた後、検品し、試験し、ダブルチェックをして、丁寧に包装し、トラックに積めるように加工し、荷捌きと出荷作業をしなければなりません。
全てを同じ人がやる事はないと思いますが、これらの工程を流れ作業にして生産数を間に合わせなければならないはずです。
慣れたら同じ作業とはいえ、結構な量と質の仕事だと思います。これを当たり前と思ってはいけません。これらの流れ作業を同じペースで、同じ質で、同じ量を生産することが外国人にできると思わないことです。適正のある一部の外国人しか、本当にできません。それも、結構裕福な家庭で育った人が多い気がします。
誰でもできると言う人もいるのですが、おそらく「誰でも」はできません。実際、器用なことを要求されています。
まずは、ホウレンソウの相談をしましょう。給料上げてもいいじゃないですか。どんどん還元していきましょう。相談されて、出来ないのであれば、転職を勧めたらいいじゃないですか。
自由度が高くなっていけば、幸せな人も増えると思います。
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