※ 毎朝、5分以内で読める書籍の紹介記事を公開します。
目次
書籍情報
絵師の9割筆を折る
残りの1割筆を売る
ダテナオト
漫画家・イラストレーターを経て、現在フリーのイラストレーター兼インターネットお絵描き講座の講師として活動。
玄光社
- はじめに
- chapter1 「絵」を描きたいか、「絵」で食べたいか
- 目標がなければどこにもいけない
- 何を基準に「成功」とするのかを考えよう
- 目的によって手段もマインドも異なる「戦略と戦術」
- 自分がどのタイプの絵描きか確認
- 市場価値とアプローチ
- 目的に合わせた市場価値を探す
- 自分を分析して目標を決める
- モチベーションを保つのは習慣化
- 専門学校やサロンは「手段」になるか
- 目標がなければどこにもいけない
- chapter2 「絵描き」は「作品」を製造するビジネスパーソン
- 「絵描き」の職種について知ろう
- マンガ家の場合
- 同人作家として活動する
- アシスタントについて知ろう
- イラストレーターの場合
- アニメーターの場合
- 類似業・その他
- インハウスかフリーランスか(絵描きの雇用形態いろいろ)
- 「絵」以外に必要なスキル
- 報酬と交渉の話
- スケジュールと報連相
- 著作権や利用範囲
- 共同作業とコミュニケーション
- クライアントや編集者は対等な関係
- 「絵描き」の職種について知ろう
- chapter3 「絵描き」の炎上とお金の話
- SNSでの炎上や誹謗中傷
- ネットでのトラブルを回避するために
- 政治的な発言をしない
- 過激な発言をしない
- ケンカをしない
- ネットの言動は作品の評価と「イコール」である
- 赤裸々なお金の話
- 正しい納税と確定申告
- そもそも税金と納税とは何か
- クリエイターの人生設計
- 社会保障の話
- SNSでの炎上や誹謗中傷
書籍紹介
絵師の世界は、非常に厳しい競争や精神的なプレッシャーに満ちています。ダテナオトさんは、この本の中でそうした現実を直視しつつ、プロとしての道を歩むために必要な心構えやスキルについて語っています。
目標がないとたどり着けない
絵を描きたいという思いだけではプロにはなれないという現実を突きつけつつ、それでも「絵で食べる」ための道筋を示す内容になっています。ダテナオトさん自身の経験や、業界の内情を知ることができるので、絵を描く人々にとって非常に有益な情報源となっています。
ただ技法を学ぶだけでなく、絵描きとして生き抜くためのビジネスセンスやメンタル面の強化についても触れています。
実用的なアドバイス
絵を描くことに対する情熱と市場価値とのバランス、SNSでの炎上対策、金銭管理など、プロフェッショナルとして成功するための実用的なアドバイスが満載です。
絵を描きたいと考えている人や、既にプロとして活動しているイラストレーター、マンガ家、アニメーターなど、すべての「絵」にかかわるクリエイターにとって必読の一冊と言えるでしょう。ダテナオトさんの視点から見た絵師のリアルな姿と、その中で自分がどう生き残るかを学ぶことができます。
目標を達成する一助に
絵描きの道を志す者はもちろんですが、何か目指すものを見つけたい人にとって、単なる技術書ではなく、精神的な支えにもなる一冊です。これからプロを目指す人々が、現実と理想のギャップに折れることなく、自分の道を切り開くための道標となるでしょう。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
活躍できる場所を探す
一時的に絵の仕事をするのであれば、無計画でもなんとかなります。しかし、長期的に続けるのであれば、絵描きとしてのキャリアに関して真剣に考えなければなりません。
先を見越してできる範囲で市場調査を行い、興味があるジャンルや分野が、市場でどのような需要があるのかを調べ、将来的に仕事が見込めるのかを把握しましょう。
自己分析を行ったうえで、地震がどのようなキャリアを目指すのか明確にし、具体的な目標を立てましょう。目標を立てたあとに、どのよな努力をしていくべきかを考えることができます。
複数人で創作を行う
複数人で創作を行う代表格がマンガ家のCLAMP先生です。この名義は1人の人物を指していません。海外発症で流行しつつあるウェブトゥーンでは、ストーリー担当、ラフ担当、ペン入れ担当、仕上げ担当といったように、完全にアニメのような分業制を取っています。1人の人間がすべてをこなすという体制を維持するのは、いつか終わりが来るのかもしれません。
大勢のクリエイターと同時に仕事をするわけですから、よく考えて人付き合いをしていく必要があります。自分だけの主張をするのではなく、みんなで作品を作るという姿勢を堅持することが重要です。
ネットの言動は作品の評価と「イコール」である
作家がSNSで活躍する機会が増え続けている状況から、むしろ「SNSでの投稿が作品の一部として評価の対象になる」が、これからの常識となると思っています。
商売や創作のためにアカウントを運用するなら、日記帳として使用しないほうが良いです。とはいっても、自分の失敗談などを含め、人の話を聞いたり、自分が手伝ったりした結果から得られた教訓を書いているにすぎません。書いてあることをそのまま採用する必要はないでしょう。
現代のインターネットは人々と繋がることを売りにしており、基本的にコミュニケーション能力を求められるシチュエーションが多いです。誰の目から見ても正しい人との付き合い方が存在しないのと同じで、誰から見ても正しいSNS投稿は存在しません。試行錯誤しながら運用方法を編み出していくものなのでしょう。