※ 毎朝、5分以内で読める書籍の紹介記事を公開します。
目次
書籍情報
ペットの命と生きる本
ペットロスを乗りこえるためのトライアングルケア
サニーカミヤ
一般社団法人日本国際動物究明救急教会代表理事
一般社団法人日本防災教育訓練センター代表理事
福岡市消防局のレスキュー隊小隊長を勤めた後、国際緊急援助隊員、ニューヨーク州救急隊員として活動。
緑書房
- はじめに
- 第1章 命の週末に寄り添うターミナルケア(終末期ケア)
- ターミナルケア(終末期ケア)とは
- 痛みの管理
- メンタルケア
- 環境の整備
- ターミナルケアには飼い主に対するサポートも含まれる
- ターミナルケアの目的
- 家族で事前に話し合っておくことも大切
- ペットの苦痛はわかりにくい
- 生き残るため
- 社会的地位を守るため
- 飼い主への配慮
- ひと目でわかる苦痛は特に要注意
- 苦痛を正確に把握し、適切な処置を受ける
- ペットの苦痛のサインとは
- 体に現れる変化(生理的サイン)
- 行動に現れる変化(行動的サイン)
- 日頃からよく観察し、少しでも変化があればすぐに対応する
- 痛みを評価するメリックチャート
- 終末期の苦痛を取り除く介助
- 環境を整える
- 排泄の介助
- 飼い主とのふれあいは不可欠
- ペットを癒すヒーリングタッチ
- ヒーリングタッチの手順
- ヒーリングタッチに期待する効果
- ホリスティック獣医学
- 健康を多角的に捉え、さまざまなアプローチを統合する
- 免疫力を引き出す治療と生活習慣
- 免疫細胞療法
- リラックスできる環境を整える
- 食事と栄養
- 苦しみから救う安楽死という選択
- 安楽死を選択した事例
- 安楽死を検討するときの留意点
- 亡くなったペットは飼い主が苦しむことを望まない
- ターミナルケア(終末期ケア)とは
- 第2章 命の終末を受け止めるグリーフケア(祝別ケア)
- グリーフケア(祝別ケア)とは
- グリーフケアのプロセスは幅広い
- グリーフケアの目的
- 温かい記憶を心の糧とする
- グリーフケアを行うときの注意点
- 悲しみの深さは人によって異なる
- ペットの死に対する子どもの反応
- 声がけとふれあい(ケアハグ)
- 悲嘆の極みにある人への対応と注意点
- ペットから飼い主へのメッセージ
- ペットロスを乗り越える4ステップ
- ステップ1 喪失の事実を受け入れる
- ステップ2 悲しみと向き合い、徐々に乗りこえる
- ステップ3 ペットのいない日常に慣れる
- ステップ4 失ったペットを心において生活する
- 急がずに自分のペースで進んでいく
- グリーフケアの事前準備
- ペットの葬祭場を調べておく
- 死後の手続きを把握しておく
- 情報収集とペットロス体験の共有
- ペットの旅立ちを受け入れる祝別式
- 魂の旅立ちを祝福する
- 感謝の思いをかみしめて、祝別の手紙を書く
- 生前に近い姿でお別れするために
- 遺体を清める
- 遺体を安置する
- 悲しみのプロセス
- ショックと否認
- 怒り
- 取引
- 抑うつ
- 受容
- グリーフケアの今後の展望
- 命の循環
- 飼い主や仲間を失ったペットへの配慮とケア
- 飼い主が亡くなったらペットはどうなる
- ペットの悲しみについて私たちは何を知っているのか
- ペットの悲しみに兆候
- 悲嘆にくれるペットへのサポート
- 愛する存在の遺体をみせる
- 悲しみは成長の旅
- 同居ペットの死も悲しむのか
- ペットに遺産を残す方法
- 負担不遺贈
- 負担付死因贈与契約
- ペット信託
- グリーフケア(祝別ケア)とは
- 第3章 ペットの命に向き合うスピリチュアルケア(命のケア)
- スピリチュアルケア(命のケア)とは
- ペットの絆を新たなかたちで継続する
- スピリチュアルケアの目的
- 深刻なスピリチュアルペイン
- スピリチュアルペインを癒す方法
- 死を「魂の成長と進化」と捉える
- 解放された魂は私たちのすぐそばにある
- ポジティブな状態で魂とつながっていく
- 猫は天使で犬は神
- 古代から変わらない普遍的な願い
- マキアの呼吸で心をオープンに
- マキアの呼吸法の実践
- ペットの魂を送り出す祝別式
- 祝別式の準備(時間と場所)
- 式次第
- レセプション
- 祝迎の儀式
- 思い出以上の価値をもたらす祝別式
- ペットと過ごした日々で得られるもの
- 悲しみの先に新しい人生の扉がある
- 旅立ったペットは飼い主に何を望むか
- ペットの魂を常に身近に感じる
- 新たなペットを迎えるという命のつながり
- 笑顔と幸せが旅立ったペットへの最高の贈り物
- スピリチュアルケア(命のケア)とは
- おわりに
書籍紹介
この本は、サニーカミヤさんという著者が、ペットと共に生きること、そしてペットを失うことへの深い洞察を綴ったものです。ペットの終末期から死後までのケア、そして新たな命を迎えるまでの心の準備と過程を「トライアングルケア」というコンセプトで解説しています。
- ターミナルケア(終末期ケア)
- ペットの最期を看取るためのケア方法。痛みの管理、メンタルケア、環境整備など、飼い主ができることを具体的に示しています。
- グリーフケア(悲嘆ケア)
- ペットロスの悲しみを乗り越えるためのステップ。悲しみを受け入れ、ペットとの思い出を大切にしながら、新しい日常に慣れていく方法を提案。
- スピリチュアルケア(魂のケア)
- ペットの魂とのつながりを保つための精神的なケア。ペットが亡くなった後も、その存在を感じ続ける方法や、ペットへの感謝の気持ちをどう表現するかについて触れています。
ペットロスを乗り越えよう
ペットとの日常の喜びや苦しみをリアルに描き出します。特に、ペットの死という避けて通れないテーマを扱う際の、著者の優しさや理解は読者に深い共感を呼びます。ペットの終末期のケアについての情報は、多くの飼い主にとって非常に有益です。痛みの評価や安楽死の選択についても丁寧に解説されており、ペットの苦しみを少しでも緩和するための知識を得られる点が非常に価値があります。
ペットの終末を看取ることの難しさと、それを乗り越えるための具体的な方法を提供しています。ペットとの生活に少しでも関心がある方には、ぜひ手に取ってほしいです。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
ペットの苦痛のサイン
ペットは苦痛を隠す傾向にあるため、その苦痛に気づくことは容易ではありません。飼い主が普段からペットの行動や習慣をよく観察することで、ペットの変化に気づく必要があります。
- 体に現れる変化(生理的サイン)
- いつもより呼吸が速くなり、息苦しそうな様子をみせる
- 食欲がなくなる、または水を飲まなくなる
- トイレの回数や排泄物の色、量、においが変わる
- 体温が上がったり下がったりする
- 心臓の鼓動や呼吸のリズムが変わる
- 黒目の部分(瞳孔)が大きくなったり小さくなったりする
- 歯茎や舌の色が青白くなったり、紫色になったりする
- 急激に体重が落ちる
- 行動に現れる変化(行動的サイン)
- 人目につかないところに隠れたがる
- 活発さがなくなり、動きたがらない
- 食べ物の好みが変わる、食べ方が変わる
- 泣き叫んだり、うめき声をあげたりする
- 攻撃的になる、またはおとなしくなりすぎる
- 寝る時間や場所が変わる
- ふせの姿勢をとる(うずくまる)
- 体の特定の場所を何度もなめる、かむ
- 飼い主に甘えたがる、またはいつもと違う態度をとる
変化に気づいたら、獣医師に相談してみるとよいでしょう。ペットの苦痛を正確に知ることができるかもしれません。
悲嘆に暮れるペットへのサポート
飼い主を失ったことで、声のトーンや亡くなった飼い主を探し求めるような行動がみられるペットがいます。ペットとのボディランゲージを多くしたり、ペットといる時間を多くする配慮が必要かもしれません。
ほとんどのペットは、日課に従っているときに最も安心します。大きな変化があっても平常心を保つうえで最適な方法です。特定の時間になるとご飯を要求したり、排泄のための散歩を要求したり、遊ぶために興奮したりして、ペットは自分の要求を伝えようとしています。
悲しみに暮れるペットには、好きな遊びで楽しむことも効果的です。新しい飼い主とのコミュニケーションになります。適度に刺激を与えて、快適な生活に知被けることが必要でしょう。
命のつながり
ペットが亡くなった喪失感を埋めてくれるのは、ペットです。多くの飼い主が新たなペットを迎えることで立ち直ります。
ただし、亡くなったペットの「代わり」をみつけることではありません。それぞれ唯一無二の存在であり、取って代わることはありません。新しい家族の一員として、独自の個性と魅力をもった存在として受け入れましょう。