※読んだ本の一部を紹介します。
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
はじめに
『医者の本音』は外科医で小説家の中山先生が患者さんに伝えたいことを詰め込んだ名著です。
その名著をベースに漫画にして、私が伝いえたいことを足したのが、この本です。
目次
書籍情報
タイトル
腐女医さーたりが描く
患者が知らない医者の世界
原案者 中山裕次郎
発行者 小川淳
発行 SBクリエイティブ(株)
装丁 SAVA DESIGN
本文デザイン・DTP アーティザンカンパニー(株)
印刷・製本 (株)シナノ パブリッシング プレス
校正 (有)あかえんぴつ
著者
さーたり
外科医。漫画家。専門は消化器外科。
同期の夫と結婚し、現在3児の母として子育て中です。メディアでも活躍し、トップブロガーの仲間入りをしています。
出版
SBクリエイティブ
医者はどのくらい忙しいか
医者は外来診察室が開く前の2時間前くらいから仕事が始まります。入院している患者さんとお話など、見回りです。夜勤の看護師さんから患者の対応が大変だったと真っ赤な目で報告を受け、電話できた追加の診療予約などを聞き、時計を見ると2時間近く経っています。
外来中も1人に対して与えられた時間は8分です。お話をし、検査を複数予約を入れ、カルテに症状をなどを書き、今後の計画を考え、お薬を出し、次回の外来の日にちを決めます。
30分はかかる患者さんもおり、心の中では「やばいやばい、次の人の待ち時間が」と思っているのです。手術などの至急の用事が入ると更に待ち時間が伸びます。
最低限を医者に伝えるためのシートをつくりました。このシートをもとに質問していきますので、「もっと詳しいほうが」と悩まなくてけっこうです。使って下さい。
医者にはじめてかかるときシート
どんな症状が
いつから
体調
☐だんだん良くなってきた
☐悪くなってきた
☐同じくらい
一番辛かったのはいつ?
☐いま
☐( )日前
☐( )時間前
どんな時にその症状は悪くなる?
いま一番困っていることは
お医者さんに聞きたいこと
抗生物質の間違い
カゼをひいたら抗生物質、ケガをしたら抗生物質、とやたらと抗生物質を処方する時代がありました。なので、年配の方ですと、抗生物質を所望する患者さんがいらっしゃいます。
しかし、抗生物質は細菌という微生物をやっつける薬であって、カゼの原因であるウイルスには効果がありません。
必要がないのに抗生物質を飲んでしまうと、抗生物質に対して耐性ができてしまうのです。将来、別の病気にかかったときに、抗生物質が効かなくなってしまいます。
必要のないお薬はなるべくなら飲まないようにして下さい。
病院のサービスが向上しないわけ
病院というのは、使う人にとって快適な場所ではありません。
サービスとの良し悪しではなく、提供する医療の種類で病院を選ぶからです。
東京などの大都市では競争がないわけではないですが、ほとんど病院が乱立しているところはありません。サービスが向上しなくても患者さんは来てくれます。
一昔前に比べればマシになりました。ですが、レストランやホテルと比べると、まだまだ質が低いことには変わりません。
医者だって再発はつらい
再発。がんを専門にする医者にとって、これほどイヤな言葉はありません。医者は患者さんよりも先に検査結果を見て、再発を見つけます。
パソコンの前で声を上げてしまうこともあるのです。何回か見返しますが、結果が変わることはありません。
次に考えることは、再発とどう戦うかです。手術か、放射線か。けれども、再発したあとの選択肢はは、それほどたくさんあるわけではなく1つ2つになります。
「どうやって伝えよう」
外来診療室で、私にもらえる時間は長くても1人15分ほどです。少し冷たいくらいの感じで、淡々とお伝えしているような気もします。顔がこわばりすぎないように、明るすぎないように、それ以外うまくできないからです。
日常的に「再発した」ことを伝えていますが、砂を噛む想いです。家に帰っても思い出しますし、こんな生活をしていれば、いつかしんどくなるかもしれません。けれど、しんどくなるまでは続けたい、今はそう思っています。
感想
サイト管理人
3児の母で、外科医で、漫画家という、とんでもない活力を発揮する著者のマンガ本はいかがでしょうか。
特に終末期に関するご家族の様子は、マンガにされてより解かり易くなっております。よくある話です。これを機に、延命治療について少しでも考えていただければと思います。
施設に預けている親族がいる方、親がガン治療を続けている方、医者のことを不親切だと思っている方などに、オススメしたい一冊です。
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