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目次
書籍情報
非婚女性 けっこう上手く生きてます
発刊 2024年5月24日
ISBN 978-4-04-113932-5
総ページ数 270p
クォン・ミジュ
パーソナル心理カウンセラーで40代の貧困女性。30代のときに、女性問題を扱う市民団体で学習を始める。
心理カウンセリングを行っており、女性たちが抱える生活の問題に向き合っている。
KADOKAWA
- 非婚女性 けっこう上手く生きてます
- 日本語版刊行によせて
- プロローグ
- 第1章 私たちはなぜ、結婚に夢を抱かなくなったのか?
- 「ソロウェディング」を挙げる時代
- 私だけがシングルなわけではない
- 結婚? 国家にとっては必須vs.私にとっては選択
- 『82年生まれ、キム・ジヨン』になりたくない82年生まれ
- いちばん無責任な言葉「しても後悔、しなくても後悔」
- 「うちの家族」という神話
- 第2章 ひとりの人生、自分を見つめる私の目
- 完璧なのに、なぜシングル?
- シングル、私にとって良い点を書いてみよう
- 無理に自分を説明しなくても大丈夫
- 私は誰かの奥さんではない
- N年後の自分を想像する
- 私にとっていちばんの親友になることにした
- 結婚に対するささやかで淡々とした思い
- 第3章 「ひとり」でいる私の時間の点検
- 起床して最初にすること
- 退職後、眠りにつく前にすること
- 優雅な中流階級になる
- ひとりの特別な時間を楽しむ
- 祈り、瞑想をする
- ボランティア活動を趣味のようにこなす
- 第4章 ひとりでいるから?二人でも同じ
- 二人でもひとりでも人間は寂しいもの
- 不安な人はいつも不安
- いちばん親しい人が夫である必要はない
- ひとりだから憂鬱だと感じる、ある日
- 独立、彼らは彼ら、私は私
- いい人コンプレックス、誰にとってもいい人にはなればい
- 心の主治医との出会い
- 第5章 本当に独立した人生を生きる
- 一生できることを見つける
- 「マイホームをもつ」、住居に対する自分だけのロードマップ
- 一人暮らしなのにお金が貯まらないのはなぜ?
- 簡単だけど難しい家計簿
- 私のための贈り物、旅行はひとりが最高!
- ひとりで病気になっても二九番がある
- 私にいくら投資するつもり?
- 集まりに参加したり、集まりを企画したり
- たくさんあっても不幸になるし、少なくても幸せになれる、お金
- 一年に一度、最期の日を迎えたとして想定して書く手紙
- 第6章 不安はあるけど一緒だから楽しい私たちのゆるい連帯
- お金の力vs.関係の力
- 不安はあるけどゆるい連帯をなすモリ(死)たち
- 別々に、しかしまた一緒に暮らす私たちの連帯
- 囚人のジレンマに影響を受けた社会から脱却した共同体
- シングルだからって気にしないで
- 訳者あとがき
書籍紹介
独身女性の生活に焦点
韓国の著者クォン・ミジュによる一冊で、結婚という社会的なプレッシャーにとらわれずに、自分らしく生きる女性たちの姿を描いています。この本は、結婚しないという選択肢を選んだ女性たちが、どのようにして豊かで充実した人生を築いているのかに焦点を当てており、独身生活を肯定的にとらえる新たな視点を提供します。
結婚をしない選択もあるというメッセージ
クォン・ミジュはカウンセラーとして、結婚に対する固定観念や、社会的期待に縛られない生き方を提案しています。本書の中で彼女は、誰かの妻や母であることが女性の唯一の役割ではなく、「私」として生きることの重要性を強調しています。多くの女性にとって共感できるエピソードや、具体的なアドバイスが盛り込まれており、結婚しない人生に対する新たな自信と視点を与えてくれるでしょう。
現代社会の書籍としても、個人の幸せを考える書籍としても
また、現代社会における女性の生き方の多様性を示すと同時に、個人としての幸せを追求することの価値を再確認させてくれる一冊です。これからの人生をどのように生きたいか、自分自身を見つめ直すきっかけとなるでしょう。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
私だけがシングルなわけではない
今やシングルで生きることは、もはや非主流でも変わった選択でもありません。
結婚しなくても良いと答える女性は半数を超えており、「結婚せずに一緒に暮らす」「結婚しなくても子どもをもつ」という選択をする人も多くいます。
また、30代半ばでも「晩婚」という印象はなく、40代までの間に少なくとも一割以上の人が独身です。今後も結婚しない人は増えていくでしょう。
私自身も結婚していません。選ばなかった道に憧れを抱くこともありますが、だからといって極端に卑屈になったり、かっこ悪いと感じたりする必要はないのです。
他人の目を気にせず、心ゆくまで自分の人生を楽しんでいる彼女たちを、私は心から応援しています。
N年後の自分を想像する
未来を思い描き、5年後、10年後、15年後、20年後の自分の姿を想像してみましょう。
多くの人は、10年後の自分を考えるとき、どんな会社に勤め、どれくらいの年収を得て、誰と共に目覚める生活を送っているのかといったことを思い浮かべるでしょう。旅行を楽しんでいる光景を思い描くのも、もちろん素敵です。
しかし、ここで想像してほしい「10年後」とは、収入や仕事のことではありません。どんな人生を歩んでいるか、未来の自分を今よりも温かく受け入れることができるか、周りの人々に対して思いやりを持って接しているか、そしてコミュニティにどのような影響を与えているかを考えてみてください。
ひとりの特別な時間を楽しむ
スマホを見ず、手ぶらで散歩するのもいいでしょう。午前中はゆったりとしたTシャツでソファに横たわり、事前に選んでおいた小説を読み終えるのも一興です。夕食後には翌週の講義の準備をしたり、スマホのアプリにログインすることなく1日を過ごせます。
不在着信やメッセージが多数あるかもしれませんが、休みの日にどうしても対応しなければならない急用は滅多にありません。スマホを手放した日はとても快適だったので、意図的にスマホに触れない日をつくるようにしています。
周囲から距離を置く時間は、自分に集中するためのものです。それは新しい目標を立てるためでも、反省の時間をもつためでもありません。人生のすべての瞬間が将来に結びついている必要はないのです。
いい人コンプレックス
誰にとっても「いい人」にはなれません。人にはそれぞれの性格や傾向があります。職場生活を送り、恋愛をし、別れを経験する中で、人間関係を通じて適切な距離感を学び、親しくする人や、二度と会わない方が良い人など、自分にとって最適な環境を整えるようになります。
しかし、人間関係に執着し、苦しむ人に出会うことがあります。こうした人は、良好な関係を築かなければならないとか、得意先などに対して最大限の配慮をしなければならないといった強い使命感に駆られています。
人それぞれ感じ方は異なります。その違いを認めることができれば楽になりますが、それは非常に難しいことです。
できるだけ多くの人と良い関係を築けば、いずれ人生のどこかで役に立つだろうと期待するかもしれません。それは間違いではありませんが、期待通りの成果を得られることは少ないでしょう。そうした時にストレスを感じることがあります。
どうしても自分に合わない人や、気に入らない人は出てきます。そんな相手にまで期待に応えようとすると、際限がありません。
実際、私に嫌いな人がいても何の問題もないし、私のことを嫌う人がいても構わないでしょう。大切なのは、自分自身を嫌いにならないことです。