もっと本が読みたくなる 読書論/著者:和田渡

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書籍情報

タイトル

もっと本が読みたくなる読書論

―図書館長からのメッセージ―

発刊 2024年7月20日

ISBN 978-4-7710-3804-2

総ページ数 263p

著者

和田渡

同志社大学大学院文学研究科博士課程単位取得
哲学博士
阪南大学名誉教授

出版

晃洋書房

もくじ

  • はじめに
  • 4月
    • 文学と宗教への招待 若者たちへ
    • 考えるよろこび 思考が開く地平
  • 5月
    • 水の惑星の変貌と危機 いま世界で起きていること
    • 危機の時代を生きる 若い世代への期待
  • 6月
    • ふたりのメジャー・リーガーと本 菊池雄星と大谷翔平
    • 挑戦する人生 クルム伊達公子と山岸秀匡の哲学
  • 7月
    • 啓蒙と教育 カント・村上・亀山の提言
    • 経済の話 ヤニス・バルファキスはこう考える
  • 8月
    • ふたるの言語を生きる フランソワ・チェンの歩み
    • 書くことと生きること あるジャーナリストの見方
  • 9月
    • 詩と真実 ヴィスワヴァ・シンボルスカの詩
    • 詩と哲学の二重奏 ふたりの詩人とひとりの哲学者
  • 10月
    • 人間とは何か マーク・トゥエインとボーヴォワール
    • サマセット・モームの世界 『雨』と『サミング・アップ』
  • 11月
    • さわる経験へ 触覚の讃歌
    • 見る経験への問いかけ 身体とのあたらしい出会い
  • 12月
    • 生きることを学ぶ 絵本はこころの扉を開く
    • 活かされて生きること、ことばによって生きること 岩崎航の歩み
  • 1月
    • 母国語を離れて 別のことばで考えることと書くこと
    • 母国を離れて生きる 多和田洋子と山崎佳代子
  • 2月
    • インドの衝撃、日本の驚愕 作家、写真家、ジャーナリストの報告
    • バンコクからの報告 アジア管見
  • 3月
    • 『夜と霧』 心理学者の強制収容所での体験報告
    • 本の魅力 管啓次郎の読書論・書評・詩
  • おわりに

書籍紹介

 月ごとに異なるジャンルの良質な本を紹介し、読書の大切さと楽しさを教えてくれる素晴らしいガイドブックです。

図書館長からの心温まるメッセージ

 本書は、長年図書館に携わってきた和田渡氏が、これから社会に出る若者たちへ向けた心温まるメッセージが詰まった一冊です。和田氏は、読書がどれほど人生を豊かにし、社会人としての成長に役立つかを熱く語っています。

月ごとに異なるジャンルで広がる世界

 和田氏は、毎月異なるジャンルの本を紹介することで、読者に幅広い知識と深い洞察を提供します。これにより、一年を通じて多様な視点やテーマに触れ、自分の興味や関心を広げることができます。以下に、月ごとのテーマとその魅力をご紹介します。

  • 4月 文学の喜び
    • 新しい年度の始まりに、「文学と宗教への招待」や「考えるよろこび」というテーマで、深い思考と感受性を養う読書体験を提供します。
  • 5月 世界の現状と未来への期待
    • 「水の惑星の変貌と危機」と「危機の時代を生きる」というテーマで、現代の世界情勢に対する理解と若い世代への期待を語ります。
  • 6月 挑戦する人々の物語
    • 「ふたりのメジャー・リーガーと本」と「挑戦する人生」を通じて、挑戦し続けることの重要性とその魅力を伝えます。
  • 7月 啓蒙と経済の視点
    • 「啓蒙と教育」や「経済の話」を通じて、教育と経済の重要性について深く考えるきっかけを提供します。

若い人に読んでほしい本を厳選

 これから社会人になる皆さんにとって、人生を豊かにするための素晴らしいガイドブックです。異なるジャンルの本を読むことで、幅広い知識と新たな視点を得ることができます。図書館長としての経験と愛情が詰まったこの一冊を手に取り、読書の楽しさを再発見し、もっと本が読みたくなることでしょう。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

ふたりのメジャー・リーガー

 菊池雄星の『メジャーをかなえた 雄星ノート』(文藝春秋、2019年)は、若者に強く勧めたい刺激的な一冊です。14年間にわたって書き綴られた「野球ノート」を中心に、当時の記事や写真が豊富に収録されています。自分の投球やチームの活動、相手チームの観察内容などが詳細に記され、葛藤や挫折、喜びの軌跡、トレーニングファイルなど、読者を圧倒する内容となっています。

 中学2年生のとき、菊池は毎日必ず本を1ページ以上読むと決め、読んだ本の内容をまとめたり感想を書き留めたりしていました。彼は日記や記録を書くことで、自己分析が深まると考えていたようです。

 また、菊池は「人生を豊かにするのは人、本、旅」だと言っています。中でも「人に出会うこと」を最も望んでおり、読書を通じて会えない人に会えると捉えているようです。

 大谷翔平もまた、読む人であり書く人です。彼は、本を読むことで自分の行き詰まりを打開してくれる言葉や、自分に刺激を与えてくれる言葉に出会えると語っています。

 大谷は常に前進することを目標としており、自分を観察し、プレーを見直して練習することに喜びを感じているようです。また、「先入観は、可能を不可能にする」という言葉を残しています。自分には才能がない、平凡な人間だと決めつけてしまうことは、自分の人生を閉ざすことになると考えています。彼は、可能性の芽を摘むことや、チャレンジとは無縁の惰性的な日常を良しとしていません。

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経済のはなし

 ヤニス・バルファキスの『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい 経済の話』(ダイヤモンド社、2019年)は、経済学の入門書として最適です。

 著者の「楽しく読んでほしい」という思いが、小説やSF映画を引用しながら巧みに表現されています。世界中で高く評価されているのも決して誇張ではありません。

 著者は、マスコミを人々を洗脳する手段、経済学を政治信条を刷り込む手段として批判し、「現代の労働者やお金、借金を考慮しない経済評論家」を役に立たないと断じています。

 また、自分の周囲や遠く離れた世界で何が起きているかを注意深く見つめ、深く考えること、そのために必要な知識を得ることが重要だと述べています。

 経済に関心のある人も、そうでない人も等しく訴えかける一冊です。高校生や大学生、そして社会人にとっても読みごたえがあります。

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