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目次
書籍情報
モチベーションの問題地図
~「で、どう整える?」ため息だらけ、低空飛行のみんなのやる気
関屋裕希
心理学博士。
臨床心理士。公認心理士。
キャリアコンサルタント。
専門は、産業精神保健(職場のメンタルヘルス)であり、おもにポジティブ心理学、組織心理学、認知行動的アプローチに詳しい。組織内のメンタル的コンサルティングや執筆活動に力を入れている。
技術評論社
- はじめに どうしてモチベーションが上がらない、やる気が出ない?
- 3つの誤解
- 責めることで、やる気やモチベーションが湧いてくる
- やる気やモチベーションを引き出すには”アメとムチ”が有効
- やる気やモチベーションの問題は『内側』の問題だと思われている
- 3つの誤解
- 1丁目 やる気を奪う指示
- やる気を奪う5大指示
- かけ違いは「前提の違い」から
- まずは基本的な5W1Hをチェック
- 不幸なかけ違いには6つの「見せる」
- よく効く「訊く」と「聴く」
- コラム モチベーションを「下げない」工夫も大事
- 2丁目 全部自分のせい
- 「新しいチャレンジにモチベーションが湧かない」その原因は?
- 責任をどこか1つに追求すること自体が非現実的
- 責任追及よりも原因究明(WhoよりWhy)
- 原因究明が終わったら、対策志向の視点で問いを立てる(WhyからHowへ)
- 「お腹を見せられる」関係をつくる
- 「うまくいっていない」をうまく伝える方法
- 「わからない」「うまくできない」をサポートしあう
- 視線を遠くに送ることで、批判や否定から抜け出す
- 問題を「外在化」する
- 一度は”舞台裏”に目を向ける
- 1人で失敗しないための3つのコツ
- 「成長体験」は100%ハッピーな体験ではないことが多い
- コラム 感情を「なかったこと」にするとモチベーションが下がる
- 3丁目 がんばっても報われない
- 何事もなくてあたりまえ、問題が起きたら責められる
- 「一生懸命やっている人のほうが責められる」という不思議な事態も
- 「あたりまえ」って、本当?
- 「あたりまえ」になってしまったよさが見える3つの視点
- 目標の「性質」を自分に合わせたものにする仕事の複雑性をふまえて目標を「萌える」ようにカスタマイズしていく
- 効果的にフィードバックする3つのコツ
- あの手この手でフィードバックをもらいやすく
- 「お金」だけではない報酬を大事にする
- コラム 「がんばっても無駄」無力感から自分で抜け出すには
- 4丁目 言ってることとやってることが違う
- 言動不一致あるある
- 会社や上司への信頼が失われるこの現象の原因は?
- 自分をがっかりさせた相手の裏事情を分析する
- 「一緒にがんばれる」相手を分散確保する
- 「思いやり目標」をもつ
- コラム ネガティブなフィードバックこそ、成長のカギ
- 5丁目 やる気が長続きしない
- いつの間にか「アメとムチ」が日常
- 「アメとムチ」の限界
- モチベーションには「種類」があることを知る
- 「3つのスイッチ」でやる気のレベルを上げよう
- エネルギーが自然と湧いてくる「セルフ・コンパッション」
- 自分の人間観を見つめ直す
- 「目標設定」にもセルフ・コンパッションを
- 目の前で現実に起きていることに集中する ~マインドフルネス
- 苦痛を表明する
- 自分のリソースを差し出す
- 内発的な人生目標を立てる
- コラム 成果主義が目標を高めるどころか低める結果になってしまった理由
- 6丁目 「わくわく」がない
- 「退屈」が人の元気を奪うことも
- 「踊る警備員」に学ぶ! わくわくプラス
- 仕事や自分の役割に対する「捉え方」を変える
- 「やり方」を工夫する
- 「対人交流」の総量をプラス
- 「夢中になれる」をつくる
- ゲーム感覚でフロー状態をつくり出す
- コラム あなたの仕事は接近モチベーション? 回避モチベーション?
- 7丁目 誇りや自信がもてない
- 「仕事のことはそれ以上聞かないで」その裏側にある気持ちとは
- 仕事や会社の歴史を知る
- 仕事と社会とのつながりを知る
- 働くうえで大切にしたいことを見つける25の視点
- 強みを捉える2つの見方
- 自分の強みを見出す3つの視点
- 強み×働くうえで大切にしたいことのクロスで働き方を考える
- コラム 強みは「知る」だけでなく「活用する」
- おわりに モチベーションとの自分らしいつきあい方を見つけるために
書籍紹介
本書は、指示があいまいだったり、一方的だったり、適正を無視したり、頻繁に変更されるなどの指摘によって、個々人のやる気が阻害される現状を描き出します。さらに、「全部自分のせい」という自己責任感が過度に強調されることで、一人ひとりが自身の能力や行動に疑問を持つようになる現象も取り上げています。
やる気が出ない理由
「がんばっても報われない」という感覚や、言動の不一致、やる気が持続しない理由も分析しています。特に注目すべき点は、「わくわく」が欠如していることや、誇りや自信の喪失がモチベーション低下の大きな要因となっていることです。
モチベ問題の改善
こうしたモチベーションに関する「あるある」問題を体系的に整理し、問題の全体像を示すことで、読者が自分自身や周囲の状況を理解する手助けをします。また、個々の問題に対して、半径5メートル以内で自分が取るべき具体的なアクションを提案し、現実的な解決策を見出すためのガイドを提供しています。
モチベ対策の具体案を考える
「モチベーションの問題地図」は、単に問題を指摘するだけでなく、どうやってそれに対処するかという視点も含んでいます。ビジネスパーソンからマネージャーまで、モチベーションの向上を目指すすべての人にとって非常に有益な一冊です。この書籍は、モチベーションという目に見えない問題を可視化し、行動に移すための道筋を示してくれるでしょう。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
視線を遠くに送ることで、批判や否定から抜け出す

うまくいかないときに、目の前の問題だけを見ると、つい責任を個人に追及したり、だれかを批判してしまいます。そんな時に有効な手段は、視線を遠くに送ることです。
そもそも、なんでこの仕事が必要なのかを考えてみるのも良いでしょう。チームメンバーとは、どんな関係でいたいかを考えてみるのも良いでしょう。
望んでいる関係性や、目的に合った仕事の進め方といった内容で、目の前の問題から立ち止まって考えてみると目標に収束していきます。
対人交流をプラス

ちょっとしたコミュニケーションで仕事が進みやすくなります。雑談は大事です。頼ってみることやサポートをすること、感謝の気持ちを伝えることをすると、やる気も出やすいでしょう。
メールやチャットでのコミュニケーションに、ちょっとした雑談をふることも効果があります。そこで、最近どんな仕事をしているかを批判に発展しない程度に聞くのがベストです。
社内でのコミュニケーションに慣れたら、社外の勉強会に参加したり、同業種や異職種の交流機会をもつのも刺激があるでしょう。学生時代の友人と集まることも、価値観の考え方が広がります。