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目次
書籍情報
訂正版3版 経理の教科書1年生
発刊 2024年1月5日
ISBN 978-4-405-10437-2
総ページ数 159p
宇田川敏正
宇田川税理士事務所所長(東京都港区新橋)
大手ゼネコンで各工事現場の工事事務全般を担当。平成13年に独立開業した。
個人事業者から上場企業まで、誰にでもわかりやすく、納得のいく税務・会計指導を行っている。
新星出版社
- ごあいさつ
- part1 経理の仕事 基本の基本
- お金や商品・サービスのやりとり
- 経理の仕事の流れ
- 経理が扱う帳簿
- 文字や数字を記入する
- 会計ソフトを使った記帳が主流
- Column お札を数える
- part2 簿記の基礎知識
- 複式簿記をおぼえる
- 仕訳をする
- 鑑定科目をおぼえる
- 資産グループ
- 負債グループ
- 売掛金と買掛金
- 純資産のグループ
- 収益のグループ
- 費用のグループ
- 現金が入ってきたとき
- 現金が出ていったとき
- 売上があったとき
- 仕入があったとき
- 経費の支払いをするとき
- 仕訳帳のかわりに、伝票に記入する場合
- Column 経理1年生が目標にしたい資格
- part3 現金預金や経費の管理
- 出納担当者の基本ルール
- 経費精算
- 経費の仕訳
- 税率ごとに分けて経費を仕訳する
- インボイス制度のしくみと対応
- 領収書がもらえない経費の精算
- 経費の仕訳
- 月割経費で、毎月の経費を平準化する
- 仮払金の支払いと精算
- 売上代金を現金で回収する
- 小口現金の管理と照合
- 現金が合わないときの仕訳
- 当座預金と預金出納帳
- 小切手の処理
- 手形の処理
- 預金口座に入金があったとき
- 預金口座から出金があったとき
- Column インターネットバイキングの利用
- part4 売上取引・仕入取引の業務
- 売上があったとき
- 請求書を作成する
- 売上を仕訳する
- 元帳や補助簿に転記する
- 経理担当者のちょとした一言
- 仕入があったとき
- 仕入を仕訳する
- 元帳や補助簿に転記する
- Column 印鑑の基礎知識
- 売上があったとき
- part5 給料の計算と支給
- 基本給と各種手当
- 天引きされる控除額
- 給料明細書を作成する
- Column 年末調整の計算
- 給料を仕訳する
- part6 決算書作成までの流れ
- 試算表を作成する
- 棚卸と売上原価の計算
- 期をまたぐ費用・収益
- 固定資産の減価償却費
- 減価償却費を仕訳する
- 決算書を作成する
- 損益計算書と賃借対照表
- 損益計算書の見方
- 納税の基礎知識
- 消費税のしくみ
- 帳簿の保存期間と保存方法
- Column フローチャートでわかる 決算事務の流れ
はじめに
この本は、これから経理の仕事につく人を対象にしたハウツー本です。
簿記や会計の知識がゼロという初心者でも安心して読み進め、理解することができるようにしました。
出納担当者の基本ルール
現金出納業務
経理担当者は、金庫やレジの中のお金を毎日確認し、帳簿上の残額と実際の残高を1円単位まできっちりと合わせなければなりません。また、この業務は経理の初心者に任せられることがよくあります。
「現金出納」とは、現金の出し入れを記録することです。帳簿上の残高と、実際の現金を一致させる業務となっています。現金を渡すときは、領収書と引き換えを原則とし、そこに書かれた金額や内容を十分に確認しましょう。
「現金出納帳」も作成します。現金の出し入れだけを毎日発生順に記録して、現金の残高を管理する帳簿です。仕訳帳や元帳のほかに作成する理由があります。いつ・どのような理由で入金や出金があったかを明確にすることで、経費としての正当性が判断できるからです。
売上を仕訳する
売上があったときの処理
請求書を発行したら、次に売上の仕訳を行います。ここでのポイントは、日付の記入と消費税の処理です。日付の記入と消費税の処理をします。
「税込処理方式」か「税抜処理方式」で、仕訳が異なります。
ビジネス者向けの専門店などで、仕入れ値や原価からプラスして販売価格を設定する場合などは、税抜処理方式での仕訳をすることがあります。
税抜処理方式では、「仮受消費税」という勘定科目を貸し方に設定して、商品を売り上げたときに消費税を〇〇円預かりましたという記録を残さなければなりません。
給与計算
基本給と各種手当
給料の計算と支給は、経理の大切な仕事。一人ひとりの勤務状況を検証して、基本給にさまざまな手当を加算します。
給料日が近づいてきたら、昇給や昇格などの人事データをそろえて、給料計算の準備をしましょう。
給料計算基本式
会社支給額 ー 控除額 = 差引支給額
会社支給額は、基本給にプラスして手当を付けたものです。
各種手当には、時間外手当、役職手当、家族手当、住宅手当、通勤手当などの支給金となっています。
損益計算書の見方
損益計算書には1会計期間における会社の利益(Profit)と損失(Loss)が示されています。
損益計算書は「P/L」(ピーエル)と略して呼ばれることもあります。
売上高 | 売上 |
売上原価 | 期首商品棚卸高+当期商品仕入高ー期末商品棚卸高 |
売上総利益 | 売上高から売上原価を差し引いた粗利益 |
販売及び一般管理費 | 人件費や営業経費、減価償却費など |
営業利益(損失) | 本業による利益。 売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いたもの |
営業外収益 | 本業以外による収益 ex>受取利息、家賃収入など |
営業外費用 | 本業以外による損失 ex>支払利息など |
経常利益(損失) | 会社が通常の活動であげる利益。 営業利益に営業外収益や営業外費用を加減したもの |
特別利益 | 予想外の利益や、数年に一度の臨時的な利益 ex>固定資産売却益など |
特別損失 | 予想外の損失や、数年に一度の臨時的な損失 ex>災害損失など |
税引前当期純利益(損失) | 経常利益に特別損益を加減した、税引前の利益 |
法人税等 | 法人税、住民税及び事業税 |
当期純利益(損失) | 税引前当期純利益から税金等を差し引いた利益 |
売上総利益 = 売上高 ー 売上原価
営業利益(損失) = 売上総利益 ー 販売費及び一般管理費
経常利益(損失) = 営業利益 + 営業外収益 ー 営業外費用
税引前当期純利益(損失) = 経常利益 + 特別利益 ー 特別損失
当期純利益(損失) = 税引前当期純利益 ー 法人税等