LOVED 市場を形づくり製品を定着に導く

※ 毎朝、5分以内で読める書籍の紹介記事を公開します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 当時Loudcloud社は世界初のインターネットのInfrastructure as a Serviceを提供する企業でした。そのコンセプトは新しいアイデアで、2021年にはインターネットデータセンターの負荷の95%がクラウドトラフィックになるとはまったく想像されていなかったのです。ビジョンはあったものの、必要なインフラのコストは費用対効果のある方法で提供するには高価すぎたのです。私はマーケティングリードし、会社やカテゴリーを作りだすことの限界について身をもって学ぶことになりました。適切な市場要素が全てと整っていなければ、どんなに優れた精神やビジョン、計画があっても不十分であることを学んだのです。

 あなたのプロダクトが市場から愛されるべき時だと感じているなら、この先を読み進めて欲しいのです。

書籍情報

タイトル

LOVED

市場を形づくり製品を定着に導くプロダクトマーケティング

第1刷 2023年7月30日

訳者 横道稔

発行者 張士洛

発行 日本能率協会マネジメントセンター

装丁 西垂水敦、市川さつき(krran)

本文DTP (株)明昌堂

印刷 広研印刷(株)

製本 東京美術紙工協業組合

ISBN 978-4-8005-9121-0

総ページ数 332p

著者

マルティナ・ラウチェンコ

SVPG社のプロダクトマーケティングパートナーであり、アーリーステージのベンチャーキャピタルであるCostanoa Ventures社のパートナーです。MicrosoftとNetscapsという、最も成長したテック企業で働いた後、スタートアップやフォーチュン500の企業にアドバイスを提供しています。現在、カリフォルニア大学バークレー校の工学部大学院で講師を勤めています。

出版

日本能率協会マネジメントセンター

もくじ

  • 本書によせて
  • はじめに:私の経歴
  • part1 プロダクトマーケティングの基本
     アンバサダー、ストラテジスト、ストーリーテラー、エバンジェリスト
    • chapter1 巨人に打ち勝つとき:なぜプロダクトマーケティングが重要なのか
    • chapter2 プロダクトマーケティングの基本
    • chapter3 アンバサダー:顧客と市場のインサイトをつなぐ
    • chapter4 ストラテジスト:プロダクトのGo-to-Marketを方向付ける
    • chapter5 ストーリーテラー:世界がプロダクトをどう捉えるかを形づくる
    • chapter6 エバンジェリスト:他社がストーリーを語れるようにする
  • part2 プロダクトマーケターの役割
     スキルと責任、パートナーシップ
    • chapter7 強いプロダクトマーケティング:優秀な人のスキル
    • chapter8 プロダクトマネジメントとのパートナーシップ
    • chapter9 マーケティングとのパートナーシップ
    • chapter10 営業とのパートナーシップ
    • chapter11 マーケットフィットのディスカバリーと再ディスカバリー
    • chapter12 アジャイル時代のプロダクトマーケティング
    • chapter13 重要な指標
  • part3 プロダクトマーケティングの戦略
     戦略を導くコンセプト
    • chapter14 戦略がプロダクトGo-to-Marketを導くとき:Salesforce社の事例
    • chapter15 iPhoneから見る、採用ライフサイクル
    • chapter16 ブランドというレバー:誤解と本来の目的
    • chapter17 プライシングというレバー:知覚される価値
    • chapter18 プロダクトに関係しないマーケティング
    • chapter19 ワンシートのプロダクトGTMキャンパス
    • chapter20 実践から理解する:マーケティング計画の事例
  • part4 ストーリーとメッセージング
     効果を生み出す実践とプロセス
    • chapter21 ポジションのディスカバリー
    • chapter22 聴き方、つなぎ方:ExpensifyとConcurの事例
    • chapter23 実践から理解する:NetflixとZendeskの事例
    • chapter24 バランスをとる:適切なメッセージと適切なタイミング
    • chapter25 ワンシートのメッセージングキャンパス
  • part5 プロダクトマーケティングリーダー
     組織変革と成長、人材採用と育成
    • chapter26 プロダクトマーケティングをリードし変革する
    • chapter27 強力なプロダクトマーケティング人材を採用する方法
    • chapter28 プロダクトマーケティングのキャリアを導く方法
    • chapter29 ステージ別のプロダクトマーケティング:アーリー、グロース、成熟
    • chapter30 成熟企業の変曲点:プロダクトマーケティングに傾倒するタイミング
  • まとめ 今すぐできること
  • 付録 マーケティング用語の解説
  • 謝辞
  • 著者について
  • INDEX
  • 訳者謝辞

マーケティングとパートナーシップ

 マーケティング戦略の基礎は、チームが「なぜ」「いつ」を知る手立てです。具体的な例として、顧客にデジタル広告・サーチエンジン対策(SEO)・メディア記事などを利用して問題を認知させること、パッケージング・イベント・レビューなどで購入や更新を促すこと、インフルエンサー・ソーシャルメディア・パーティなどでブランドのロイヤルティを高めることなどがあります。

 これらの活動をうまく複合させて、勝利の方程式を考えていきます。定着曲線に沿って、ちょっとずつ変化していくものなので、継続的な協力がかかせません。

パートナーシップがうまくいってるサイン
●市場のニュアンスと最適な顧客の傾向を把握している
●良い仕事につながる役立つ重要な発見を感じることができる
●製品のどの機能が重要かだけではなく、価値があるのかという背景を理解している
●市場において推奨される活動の背後を理解している
●新しいアイデアが探索される
●顧客獲得コストが、ビジネスにとって持続可能なものになっている
●マーケティングの適用について、チームが協働している
●マーケティング活動が目標に向かって機能しているとかんじている

新しいブランドで市場浸透力を向上させる

 Microsoftというブランドは、エンタープライズや生産性ソフトウェアに強く結びついています。最先端のゲームとは結びついていません。そのため、同社はXboxというブランドを作り、今ではすべてのゲームプロダクトに使用し、ゲーマー層へのマーケティングに活用しています。

 企業は別の事業ラインや主要ブランドを作る必要があるかもしれません。あるいは個別の事業にマーケティングするよりも、1つの傘下でマーケティングに統合する方が簡素化できる場合があります。

 ブランド名をつけることは、誰のために何をするのかを理解してもらうのに役立ちます。「Studio」が名前に含まれていれば、その名前に関連するものだとわかるのです。将来のロードマップの見通しを良くするのにも影響します。

実践から理解する

 映画やテレビドラマのストリーミング配信が始まる以前は、映画やテレビドラマを見るのに、近所のビデオショプでVHSテープかDVDを借りるのが一般的でした。当時の問題点は何でしょう。

同時の問題点
●コスト。安く借りることができたが、延滞料金などが高額などのペナルティが異常だった。
●面倒さ。店まで足を運び、棚から選んだり、列に並べなければならなかった。
●選択肢。ほとんどのレンタルチェーンでは、古典映画をあまり扱っていなかった。見たい番組のDVDが借りられていることがザラだった。

 Netflixは、ホームエンターテイメントを変えるというミッションを中長期ビジョンとしていたが、それをはじめからメッセージとしていたわけではありません。

 レンタル彫金の数本分の金額で好きなだけ借りられることを広告し、新作や古典などをいつでも視聴できることをサービスとして、現状よりも気軽に利用できることを宣伝しました。このメッセージを最初から10年以上も考えていたのです。

 今では当初のブランドイメージを変えて、文化的な潮流の一部となるようなメッセージを発しています。ここまでくるのに20年近くの時間を要しているのです。優れた企業であっても、卓越性を得るには時間がかかります。

キャリア初期1~5年

 キャリア初期では、幅広く、かつ迅速に学ぶことが最も重要です。特定の機能的なタスクの上手なこなし方を学ばせるだけでなく、市場のシグナルを解釈する能力を磨きましょう。

 Webサイトのリニューアルやキャンペーンレベルの戦略立案をリードさせるのも良い手です。インパクトと成功の測定方法を確実に学ばせましょう。

機能的なスキル
●顧客調査や市場調査を解釈する能力
●インサイトに富んだ市場テストや顧客インタビューができる
●競合他社の分析
●プロダクトのデモ
●営業ツール
●ウェブサイトのコンテンツ
●ソートリーダーシップのコンテンツ
基本的なスキル
●書くこと:より簡潔な表現とストーリーテリングに務める
●話すこと:オーディエンスの反応を読み取り、必要であればその場で反応に沿うように調整する方法を学ぶ
●顧客、営業、プロダクトチームとの生産的な議論

 キャリア初期のマーケターが次に踏み込めるのは、ビジネスを明らかに前進させる複雑でインパクトのあるプロジェクトのマネジメントを成功させたときです。マーケティングチームの中だけで何か素晴らしいことをしたとしても、同じような成果とは言えません。

今すぐできること

 全ての企業でマーケティングをさらに良いものにできます。思い込みを考えなし、これまでよりも多くの事を期待する勇気を持つことから始めましょう。

 あなたの旅路に良い風が吹き、幸運が訪れることを願っています。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 マーケティング用語を日本語にして脳内変換すると読みにくく、良く意味がわからないような文章が多々ありました。マーケティング初心者向けではないのかもしれません。

 有名企業の戦略や、ベンダー企業のマーケティング例なども読めるので、製品の売り出し戦略の概要を学ぶものとして活用できると思います。

 ネトフリはレンタルビデオの悪い部分を全て便利するようなサービスです。レンタルビデオは実店舗ならでは不便さがありました。思えば、家に帰る前にお店に立ち寄るという行為は面倒くさいものです。安いし、返却する手間がありません。

 最近はオリジナルコンテンツありきですが、家に帰ってネトフリでも見ながら一息つく、なんて人も多いのではないでしょうか。まさに、生活の一部であり、文化になりつつあるような感覚を受けます。

 新作のビジネス書読み放題のようなサブスクがあれば、便利なのにと思わずにいられません。どうすれば造れるのであろうか、そんなプロダクトから考えてマーケティングまで行けたら幸せだろうなと思います。

 『プロダクト』を学んだあとに、マーケティングについても学んでみてはいかがでしょうか。

 下にリンクを貼っておきますので、本書の購入を検討してみて下さい。

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