腎臓をよくする食事/著者:内山葉子

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書籍情報

タイトル

腎臓をよくする食事

腸をきたえて透析回避!計算いらずのレシピ付き

発刊 2023年11月20日

ISBN 978-4-86251-515-5

総ページ数 174p

著者

内山葉子

医学博士。腎臓内科専門医。総合内科医。葉子クリニック院長。

出版

三和書籍

もくじ

  • 腎臓をよくする新しい食事療法とは?
    • 腎臓をよくする食事の6ヵ条
  • 腎臓をよくする食事・失線レシピ
    • 正常・ステージ1~ステージ2 腎臓をよくする【基本の一色】
    • ステージ3aまでの【朝食】
    • ステージ3aまでの【昼食】
    • ステージ3aまでの【夕食】
    • ステージ3b~4の【朝食】
    • ステージ3b~4の【夕食】
    • ステージ別の食事早見表
  • はじめに
  • 第1章 腎臓とは何か?
    • 腎臓の8つの大きな働き
    • 緻密なしくみで尿がつくられる
    • 腎臓はいろいろな臓器と深く関係している
    • 腸内細菌は腎臓と深く関係している
    • 腎機能低下から腸内環境が悪化するしくみ
    • 悪循環を招く慢性腎臓病と腸内環境が悪化するしくみ
    • 腎臓はこんな臓器・器官ともかかわる
    • 「腎臓が悪い」には3つの意味がある
    • 慢性腎臓病を招く主な病気
    • 腎臓が悪くなる3大要因
    • 腎臓の余力は「ネフロン数」で決まる
    • ネフロンの数には人種や出征体重も影響する
    • 腎機能的低下で起こる10の症状
    • 腎臓の検査値の種類と意味を知っておこう
    • 自分の腎機能レベル示すステージを把握しておく
    • 血清クレアチニン(Cr)に基づくeGFR推算式早見表・男性
    • 血清クレアチニン(Cr)に基づくeGFR推算式早見表・女性
  • 第2章 腎臓をよくする食事
    • 腎臓病の食事の常識が大きく変わってきた
    • これまでの一般的な慢性腎臓病の食事療法
    • 私が腎臓病の食事療法を見直し始めたきっかけ
    • 腎臓病の新しい食事療法 ポイント①
      • 食事全体とエネルギーのとり方
    • 腎臓病の新しい食事療法 ポイント②
      • たんぱく質のとり方
    • 腎臓病の新しい食事療法 ポイント③
      • カリウムのとり方
    • 腎臓病の新しい食事療法 ポイント④
      • 塩分のとり方
    • カリウム・ナトリウム以外の腎臓と深く関係するミネラル
    • 食品添加物に多用される「無機リン」は弊害が大きい
    • 慢性腎臓病の人が気をつけたいそのほかの栄養素
    • 「時間栄養学」にも着目して効率よく栄養をとろう
    • 朝食の適切なとり方とは
    • 古くからの知恵と最新の栄養をとろう
    • 朝食の適切な取り方とは
    • 古くから知恵と最新の栄養学に基づく食事療法
    • 腎臓をよくする食事の実践ポイント①
    • 腎臓をよくする食事の実践ポイント②
    • 腎臓をよくするために避けたい食品・調味料・調理法など
  • 第3章 腎臓をよくするセルフケア
    • 「安静第一」→「適度な運動を推奨」になった
    • 運動をして筋肉を減らさない
    • 自分に合う無理のない運動を続けよう
    • 寝る前の過ごし方を見直し質のよい睡眠を
    • 適度な日光浴でビタミンDの産生を促そう
    • 気軽なストレス解消法を見つけよう
    • 薬やサプリメントは最低限にする
    • 禁煙し、お酒はやめるか少量を楽しむ程度に
    • 環境毒もできる範囲で避けることが大切
    • 身のまわりに蔓延している有害金属に注意
    • 完全カットは無理でもデジタル毒を防ぐ生活を
  • 第4章 腎臓をよくする最新の治療法
    • 慢性腎臓病の保存機の主な治療法
    • 腎臓そのものに効く新薬が登場
    • その他の腎臓病や併発症状の新しい薬
    • lgA腎病に有効性が期待されるEAT療法
    • 末期腎不全になると必要になる腎代替療法
    • 腎臓を守る大切さを認識しよう
    • 腎臓に害を及ぼす危険がある薬剤
  • おわりに
  • 参考文献・参考図書

はじめに

 胃の具合が悪くなると胃もたれ、腸なら下痢、心臓なら息切れなどの症状が現れます。

 腎臓の機能が落ちてきても、始めのうちは何も自覚症状が現れません。むくみや倦怠感などの自覚症状が現れるのは、かなり進行してからです。

 老廃物を排出したり、水分量を調節する、命にかかわる大切な臓器ですが、認識されることが少ないです。

 日本では、慢性腎臓病が蔓延して、35万人ほどが透析治療を受けています。1ヶ月に40万かかり、ほぼ全額、保険でまかなわれています。医療財政にとっても、透析療法が必要になる人を減らしていくことが求められているのです。

 自分の状態を把握したうえで、適切な対処法がわかれば、腎臓病は怖くありません。

腎臓が悪いには意味がある

ポイント
●尿異常がある
●腎臓の働きが低下している
●腎臓の形状に異常がある

 尿に血液が混じっていたり、たんぱく質が混じっていたりすると、腎臓のろ過機能が正常に働いていないことを表しています。

 腎機能が半分以下になっても異常を示さないため発見が遅れやすいです。資金ではeGFRという指標が広く用いられるようになっています。

 先天的奇形や、腎臓に液体がたまる病気、ガンの腫瘍、結石、血管の萎縮や梗塞、事故による損傷による異常がある場合があります。

適切な朝食

 時間栄養学や生体リズムからいうと、慢性腎臓病の人は、朝にたんぱく質をとるのがいいです。それに加えて適量の炭水化物をとれると良いでしょう。

 炭水化物が少ない朝食ですと、血糖値が上がりにくく、精神的に滅入りやすいのです。

 納豆、豆腐、魚、ごはん適量、イモ類、そば、などで消化に負担をかけずにエネルギー源をとりましょう。

運動をして筋肉を減らさない

 スクワットや腕立て伏せなど、日常的にできる運動でかまいません。こうした運動を取り入れると、サルコペニアやフレイルを防ぐのに役立ちます。

 筋肉は、何もしなければ20~30代をピークに減っていきます。そこに運動不足、栄養不足などが重なると慢性的な炎症につながるのです。

 慢性的な炎症により、筋肉の合成が低下したり、食欲が低下したり、余分なエネルギーを消費したりと、問題が起こります。

 特に常に慢性炎症をかかえている慢性肝臓病の人は、適度な運動を行うことが必要です。

腎臓を守る大切さ

 今は技術が進み、透析液やダイアライザー、腹膜透析液、移植後の管理、エリスロポエチン製剤の開発など、多くの点で人工透析は従来よりはるかによいものになっています。

 透析を行いながら仕事や家事をして、日常を過ごしている人はたくさんいます。末期腎不全だと障がい者制度が利用できるので、国が負担してくれる分も増えます。

 しかし、合併症、血圧の異常、貧血、いろいろなリスクが高くなります。時間や行動、食事の制限などが加わり多くの困難が存在することは間違いありません。

 ご自分のためにも、社会的な側面からも、腎臓を守ることをがいかに大切かを認識していただきたいと思います。

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