デマの影響力

※ 毎朝、5分以内で読める書籍の紹介記事を公開します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

まえがき

 コロナ禍の影響を受けてソーシャル・メディアのツールが増えて、利用する人も増えました。

 ソーシャル・メディアは、人と人との意味あるつながりを生み、協調を促すもの、社会的支援を受けて命を守るものに必要な譲歩を受け取るのに役立つものでしょうか。

 ソーシャル・メディアを立ち上げて20年間、有益な情報も多く伝えてくれますが、明らかな嘘が瞬時に拡散されていくのを何度も見てきました。抑圧と闘う道具にも使えますが、同時に抑圧を促進する道具としても使えます。ヘイト・スピーチの蔓延につながりやすいのです。

 ソーシャル・メディアのなかの仕組みがわかり、私たち人間の脳がソーシャル・メディアに引きつけられやすい性質を持っていることや、感情、社会、経済、様々な要因が私たちをソーシャルメディアに結び付けていることも知りました。

 ハイプ・マシンは次の世代の人たりすべてに関係があるということです。

書籍情報

タイトル

デマの影響力

なぜデマは真実よりも速く、広く、力強く伝わるのか?

第1刷 2022年6月7日

訳者 夏目大

発行 ダイヤモンド社

ブックデザイン 小口翔平、畑中あかね、須貝美咲(tobufune)

編集協力 編集室カナール 片桐克博

本文DTP キャップス

校正 円水社

製作進行 ダイヤモンド・グラフィック社

印刷 信毎書籍印刷(本文)、新藤慶昌堂(カバー)

製本 ブックアート

編集担当 齋藤俊太朗

ISBN 978-4-478-10487-3

総ページ数 589p

著者

出版

フェイク・ニュースの影響

UnsplashObi – @pixel7propixが撮影した写真

 人間はなぜ、フェイク・ニュースを信じてしまうのでしょうか。研究は進んでいますが、確固たる理論があるわけではありません。

 いったん嘘を信じてしまうと、それが嘘であると証明する情報に触れたとしても、自分の誤りを修正できず、分析的思考を深めることで、さらに嘘を信じるようになります。

 また、たとえ嘘であっても同じ話を繰り返し聞くと、それを本当だと思いやすい性質があります。

 また、嘘を信じている人に間違っていることを指摘しても、ますます間違いを強く信じるようになるといった裏目に出てしまうことが多いのです。

 思慮深く考えることは、嘘と本当を見分けることに役立ちます。自分がすでに得ている知識に合致する情報を信じやすいという確証バイアスはありますが、思慮深い人が伝える訂正の情報には一定の効果があります。

神経学的要因

Image by StockSnap from Pixabay

 ソーシャル・メディアは人間の脳に合うように作られています。

 人から認められているという感覚に関わる脳の部位にはたらきかけて、報酬系ホルモンのドーパミンが分泌されます。私たちはさらに報酬を求めるようになるでしょう。

 関わりたい、つながりたい、共有したいと思うようになり、すでにその証拠を示すものは1980年代の進化理論で証明させています。気候変動、食生活の改善、生態系上の必要性などの理由が考えられるようです。

 人間の認知能力の進化の要因が、ソーシャル・メディアに引き付けられる人間という理論を裏付ける経験的証拠となっています。ソーシャル・メディアのデザインが人間の進化に革命的な影響を与えている可能性も否定できないのです。

恋愛への影響

UnsplashBalázs Kétyiが撮影した写真

 マッチング・サイトの利用者は急増しています。デジタルの社会的信号が、私たちの恋愛にも大きな影響を与えるようになったということです。

 2013年以降は、オンラインアプリケーションで恋人を見つける人のほうが、友人から紹介される人より多くなっています。

 出会いのかたちが変わり、デートし、恋愛する相手が変わったことには間違いありません。マッチング・サイトでは、過去の行動を元に合いそうな相手を勧めるというアルゴリズムです。

 従来とは比べ物にならないほどのスピードで恋人候補を検索できます。自分の設定した条件に合う人を探し出して、その人のだいたいのプロフィールを見ることができるのです。

 アプリの仕様が恋愛に大きく影響することは間違いありません。従来にはなかった種類の社会的信号を、従来ではできなかった方法で送れるのです。

透明性のパラドクス

Image by Gerd Altmann from Pixabay

 ソーシャル・メディアには「もっと内部の仕組みをオープンにし、透明性を高めよ」という圧力にさらされます。ターゲティングのアルゴリズムがどうなっているのか、具体的にどのようにデマが拡散されていくのかを知ることができれば、利用者がどうアプリを使ったら良いかがわからるからです。

 一方で「プライバシーとセキュリティを守れ」という圧力もかかります。カリフォルニア州消費者プライバシー法など、個人情報の扱いについては厳しく罰せられるようになりました。

 2つの要求は本質的に矛盾しており、「透明性のパラドクス」とでも呼ぶべき状況になっています。

 個人は匿名にするが、データの解析は許すという方法もあります。選挙への介入や、犯罪に関わるデータがあれば発見できるが、データにつながる個人の名前は伏せられていてわからないといったものです。透明でありプライバシーも守られる第三の道もあると思います。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 立ち止まっていたり、座っていたりする人で、携帯の画面を見ているひとは多いです。

 SNSを見ているか、気になる記事でも読んでいるか、ソシャゲをしているか、マッチングアプリや資産アプリなどを確認しているか、ネットの影響力は生活に進出しているのかもしれません。

 そのなかで、口あたりの良いデマが繰り返し流れていると、信じやすく浸透しやすいということです。BTOパソコンと自分でパーツ組み立てるのとではかかる費用が変わらないとか、ブルーライトカットが携帯で目を悪くする原因だとか、言われているほど酒やタバコに害がないだとか、繰り返し繰り返し言われると「そうかも」と思ってしまいます。

 電子タバコ初期のアイコスから愛用している人の腸の様子をみたときに衝撃がはしったことを覚えています。吸っていない人に比べて、肥大している人がほとんどで、どう健康被害があるのか解明しきれていないだけで、確実に体に悪いことが目視できました。死因に大腸がんが多いのも納得できます。これを見せられたら、みんな禁煙するのではないでしょうか。

 少しでも深く考えてみると、ある程度は嘘を見抜けると思います。パソコンに詳しいとは限らない組み立て・検品する人や、大量に安く仕入れている使いづらい外箱が、自分で組み立てるPCのスペックに敵うわけがありません。汎用性がないでしょう。物凄い高いPCであれば、人件費が乗ったところで確かに大差ない価格になると思います。たった数万~数十万しか変わらないという認識ができるでしょう。宣伝する人は嘘をついている自覚はたぶんありません。

 余暇な時間にデマ情報に触れて、変な固定概念をつけるより、本でも読んで深く考えてみてはいかがでしょうか。買わなくても、本を検索して図書館で借りるでも良いと思います。

 下にリンクを貼っておきますので、本書の購入を検討してみて下さい。

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