神の発明

※読んだ本の一部を紹介します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 人間の心が神を発明するのです。

 そこには、宗教の本質をめぐるマルクスの洞察が大きな影を落としています。神学や形而下学なども歴史の中でこそ、はじめて真実の意味が理解されるのです。私はこのように理解された「マテリアリズム」の方法を駆使して、人間の心に具わった霊性を擁護しようと試みました。

書籍情報

タイトル

神の発明 カイエ・ソバージュⅣ

著者

中沢新一

宗教学者、思想家。明治大学特任教授/野生の科学研究所所長。多摩美術大学美術学部芸術学科客員教授。

出版

講談社選書メチエ

多様性の森としてのスピリット

ポイント
●トロールなどのスピリットは童話になって、語り継がれている。

 スピリットの最大の特徴は、種類の多さです。

 日本の妖怪を考えてみれば、スピリットの多様さがわかります。こういった特徴は、世界中でも一般的なようです。

 キリスト教によって、聖霊という特別な連中を残して、スピリットは死に絶えていません。さまざまなスピリットの活躍は語り継がれていますし、北欧の「トロール」と呼ばれるスピリットの生活は、童話や絵本になって子どもたちに愛好されています。

基本構造が存在するはずだ

ポイント
●多神教宇宙にも、体系的な基本構造があるのではないか。
●神々にも、基本構造があるかもしれない。

 スピリットは人間の前に姿を表さなくなり、来訪神とか半神とか水平神という形になって現れます。得体のしれない妖怪として扱われ、個性的な存在が増えていき多神教宇宙で宗教的に受け継がれていくのです。

 多神教宇宙は、唯一神発生の母体となった高神、来訪神、残余のスピリットの3つの要素で出来上がっています。つまり、親族体系のように、多神教の神々の宇宙にも、基本構造というものが考えられるのではないか、ということです。

 神々の宇宙に同じことが言えそうで、人類の脳を舞台に形成されたことを認めるならば、基本構造があるのではないでしょうか。

一神教革命の意味

ポイント
●多神教宇宙の考えと、一神教の絶対的な信仰者が生まれていった。
●精神の構造をつくりかえようとする強いもので、世界の在り方を変えるかもしれない。

 出エジプトの体験とモーセの思想を通貨したのち、「高神」は人間との間に絶対的な距離を保ち、ほかの神々の存在を激しい嫉妬心を込めて拒絶する、「唯一神」に変貌を遂げます。

 人類の思考のうちにはじめて、絶対的に非対称な神が出現したのです。

 そして苦難の歴史を体験するたびに、イスラエルの人々の間には、「唯一の神ヤハウェ」への絶対的な信仰が生まれます。そして、「異教の神」としてレッテルを貼られることになった多神教宇宙の神々に対する拒絶を主張する預言者たちが次々に登場しました。

 私たちはどう受けとめたらよいのでしょう。「精神の考古学」は、心の構造をつくりかえようとして、強い衝動を見出します。世界の姿を変えてしまう力をもつに至るでしょう。確かに、「革命」なのかもしれません。

スピリットと商品開発

ポイント
●スピリットの三位一体の構造は、「資本主義」社会にも言える。

 スピリットの三位一体の構造は、商品社会の原理を先取りしています。

 物と物を「交換」する行為を積み重ねていくと、そこに共通の価値尺度というものが作られます。そこに持ち運べる貨幣という貨幣が生まれるのです。貨幣は純度の高い金属などで作られます。

 硬貨が生まれると、物を売って、利潤を発生させる「商品」という概念ができました。三位一体の構造ができたのです。

 こうした性質をもった商品の集積が、「資本主義」にほかなりません。

 スピリットの心的多様性により種類が増えていきます。経済も価値の多様性による利潤が増えるものです。三位一体の型にはまり、どちらも似た構造が浮かび上がってきます。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 固定概念を消し去った上で、読み進めなければ最初の宗教の作り、概念、神を受け入れることができず、凄く難しい話に思えました。立ち止まっては、前のページを振り返ったりと、理解ができないと思いながら読み進めいきます。

 後半まで読むと、神の信仰や宗教の在り方で真反対のものができ、波紋が大きくなっていくというような文章があるのです。

 理解が難しいものに心酔している人々がいて、他の思考衝突し強い衝動になるという、恐ろしさを感じられました。

 結構無理やりですが、お金の価値といったものも、宗教と似たようなものがあると、そんなように受け取れます。

 戒名ですら訳わからんと思っている私は、残念ながら1割もこの本の内容を理解できていないと思います。(ガリガリくんのハズレ棒でコジと文字を書くのと、俗名~居士と位牌に印刷機で印刷するのと、どう価値が違うのかサッパリ解らない私です)けれど、触らぬ神に祟りなしと言いますか、こと宗教感に関しては、人を判断して慎重にならざるを得ないと思うのです。

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