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目次
書籍情報
100分でわかる!決算書「分析」超入門2024
発刊 2023年10月30日
ISBN 978-4-02-251934-4
総ページ数 143p
佐伯良隆
日本開発銀行(現:日本政策投資銀行)にて企業向け融資業務に携わるほか、財務研修の企画および講師を勤める。その後、米国投資顧問会社であるアライアンス・バーンスタインで株式投資のファンドマネジャーを務めるなど、金融の最前線で活躍。現在は、グロービス経営大学院教授(ファイナンス)。また、財務アドバイザーを務めている。
朝日新聞出版
- はじめに
- 第1章 たった12ページでわかる決算書の仕組み
- 01 決算書って何?何が書かれている?
- 決算書にかかれていることは大きく2つだけ!
- 02 決算書は「誰が」「何のために」「どこで」読む?
- そもそも、なぜ決算書が必要?
- 03 まずはイメージをつかもう①
- 決算書の基本は3つだけ!①「損益計算書(P/L)」
- 04 まずはイメージをつかもう②
- 決算書の基本は3つだけ!②「貸借対照表(B/S)」
- 05 まずはイメージをつかもう③
- 決算書の基本は3つだけ!③「キャッシュ・フロー決算書(C/S)」
- 06 「分析」のキホン
- 3つの視点で財務三表(P/L、B/S、C/S)をみる
- 課外Lesson 知っておきたい会計知識①
- 「連結決算」とは何か?
- 01 決算書って何?何が書かれている?
- 第2章 超速!30分でわかる財務三表の読み方
- 01 超速!損益計算書(P/L)の仕組み
- これが実際の損益計算書!
- 02 損益計算書の基礎知識
- 損益計算書(P/L)を読み解くコツを速攻で習得!
- ①売上総利益(粗利)
- ②営業利益
- ③経常利益
- ④税引前当期純利益
- ⑤当期純利益
- 損益計算書(P/L)を読み解くコツを速攻で習得!
- 03 超速!貸借対照表(B/S)の仕組み
- これが実際の貸借対照表!
- 04 貸借対照表の基礎知識
- 貸借対照表(B/S)を読み解くコツを速攻で習得!
- ①資産の部 流動資産
- ②資産の部 固定資産
- ③負債の部 流動負債
- ④負債の部 固定負債
- ⑤純資産の部 純資産
- 貸借対照表(B/S)を読み解くコツを速攻で習得!
- 05 超速!キャッシュ・フロー計算書(C/S)の仕組み
- これが実際のキャッシュ・フロー計算書!
- 06 キャッシュ・フロー計算書の基礎知識
- キャッシュ・フロー計算書(C/S)を読み解くコツを速攻で習得!
- ①営業キャッシュ・フロー
- ②投資キャッシュ・フロー
- ③財務キャッシュ・フロー
- キャッシュ・フロー計算書(C/S)を読み解くコツを速攻で習得!
- 07 財務三表のつながりを理解しよう
- 3つの表の関係が一瞬でわかる
- 課外Lesson 知っておきたい会計知識②
- 外国企業の決算書にチャレンジ!
- 01 超速!損益計算書(P/L)の仕組み
- 第3章 会社の「収益性」はココをみる
- 01 決算書分析って、どうやればいいの?
- 決算書を読み解く4つの分析方法をマスター!
- 02 会社の「収益性」は、どうやってわかる?①
- 収益性の分析① 「売上高利益率」をみる!
- ①売上総利益率(粗利率)
- ②営業利益率
- ③経常利益率&当期純利益率
- 収益性の分析① 「売上高利益率」をみる!
- 03 会社の「収益性」は、どうやってわかる?②
- 収益性の分析② 「総資産利益率(ROA)」をみる!
- 04 会社の「収益性」は、どうやってわかる?③
- 収益性の分析③ 「自己資本利益率(ROE)」をみる!
- 05 会社の「収益性」は、どうやってわかる?④
- 収益性の分析④ 「利益変動」と「損益分岐」を知る!
- 課外Lesson 知っておきたい会計知識③
- 株価からみえる会社の評価
- 01 決算書分析って、どうやればいいの?
- 第4章 会社の「安全性」はココをみる
- 01 なんで会社はつぶれるの?
- 会社が倒産する理由を知ろう
- 02 会社の「安全性」は、どうやってわかる?①
- 安全性の分析① B/Sの「上下」のバランスをみる!
- 03 会社の「安全性」は、どうやってわかる?②
- 安全性の分析② B/Sの「左右」のバランスをみる!
- 04 会社の「安全性」は、どうやってわかる?③
- 安全性の分析③ 財務三表の組み合わせでみる
- 05 会社の「安全性」は、どうやってわかる?④
- 安全性の分析④ 現金(キャッシュ)の流れを確認!
- 06 会社の「安全性」は、どうやってわかる?⑤
- 安全性の分析⑤ 「運転資金」を正しく理解しよう
- 課外Lesson 知っておきたい会計知識④
- IFRS(国際財務報告基準)のしくみを知ろう[前編]
- 01 なんで会社はつぶれるの?
- 第5章 会社の「成長性」はココをみる
- 01 どうやって会社は成長するの?
- 会社の成長が、ホンモノかどうか見抜くには?
- 02 会社の「成長性」は、どうやってわかる?①
- 成長性の分析① 売上と利益の成長度合いに注目!
- 03 会社の「成長性」は、どうやってわかる?②
- 成長性の分析② 資産の成長度合いに注目!
- 課外Lesson 知っておきたい会計知識⑤
- IFRS(国際財務報告基準)のしくみを知ろう[後編]
- 01 どうやって会社は成長するの?
- 第6章 話題の会社の決算書を読もう
- 実践に入る前に どんな手順で決算書を読めばいい?
- 決算数字に隠された「ストーリー」を読み解こう!
- 実践01 空前のAIブームのカギを握る半導体設計企業
- エヌビディアの決算書を読む
- 実践02 創業105周年を迎えた老舗総合電機メーカーの奮闘
- パナソニックホールディングスの決算書を読む
- 実践03 小売業店舗数世界No.1企業の次なる一手とは?
- セブン&アイ・ホールディングスの決算書を読む
- 実践04 世界各地に”食卓のお供”を届ける老舗食品メーカー
- 味の素の決算書を読む
- 実践05 世界中のインフラを素材を支えるエクセレントカンパニー
- 信越化学工業の決算書を読む
- 実践06 モバイル事業設立から約5年半、その成果はいかに?
- 楽天グループの決算書を読む
- 実践07 オリエンタルランドの決算書を読む
- 実践に入る前に どんな手順で決算書を読めばいい?
- INDEX
はじめに
決算書は、その気になれば、誰でも知識ゼロから読めるようになります。
要点がわかれば、意外なほどシンプルで、ものの1時間で会社の業績を分析することは不可能ではありません。
本書は、決算書を読むための本当に必要な部分だけを、徹底的にわかりやすく、まとめました。
財務三表をみる
3つのポイント
●「収益性」
●「安全性」
●「成長性」
儲かっているか。倒産しないか。成長するか。この3つをみるために、P/L、B/S、C/S、をみます。
これらの財務三表は、材料に過ぎません。知りたい情報を意識して、情報に優先順位をつけることで分析が素早くできるようになります。
財務三表が読めるようになれば、「株主資本等変動計算書」や「包括利益計算書」などの変動推移を表した書類も順々によめるようになります。会社が保有する株式の「時価評価」を反映している書類です。株式も含めた会社の利益を計算したものとも言えるかもしれません。
「売上高利益率」をみる
損益計算書にかかれている利益は合計5つあります。(売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益)これらをパーセンテージをみることで、「収益性」を分析できます。
売上に対してどれだけの利益を出しているのかの計算方法は簡単です。それぞれの利益を売上だけで割れば利益率が導き出されます。この収益性をみると、収益をあげるための戦略がみえてくるのです。
例>
営業利益率(%)= 営業利益 ÷ 売上高 × 100
当期純利益率(%) = 当期純利益 ÷ 売上高 × 100
利益率を出すことで、実数分析ではみえないことに気づけるでしょう。売上高が2倍以上になっていたとしても、利益率が30%くらいダウンしているという状況が判断できるのです。効率的に利益をあげているかどうかの指標となっています。
売上総利益率を出せば、商品の付加価値がわります。営業で利益率を調べれば、事業の儲ける力がわかるのです。
現金の流れを確認
安全性を分析には、貸借対照表の「営業CF」「投資CF」「財務CF」の3つの数値の大小に注目しましょう。
事業が好調でで多くの現金を生み出せている状態は、事業で得た利益を使って施設投資を行っており、余った現金で借金の返済や配当に回すことができています。
事業で現金を生み出せてはいるものの、それを上回る額を投資している状態は、外部からの資金調達で補っているということです。単に業績が低迷し営業CFが停滞しているのか、ベンチャー企業などで成長過程にあるのかは、経過観察が必要となっています。
業績不振にもかかわらず、事業継続のために設備投資を行わなければならない状態は、融資が止まれば倒産してしまいます。早急な営業CFの改善が必須です。
資産の成長度合い
収益性を測る「総資産利益率(ROA)」を算出してみましょう。
ROA =
総資産回転率(売上 ÷ 資産) × 売上高利益率(利益 ÷ 売上)
ROAが低下している場合は、総資産回転率か売上高利益率に分解して原因を探ることができます。
総資産回転率は、資産からどれだけ売上を生み出せているかをみる指標です。この数値が低下している場合は、資産の成長に見合った売上が増加できていません。
売上高利益率は、売上に対する利益の割合を表したものです。これが低下した場合は、ムダな動きが増えて効率的な経営ができていません。
損益計算書と貸借対照表をみて、売り上げや利益を拡大していっているのか、他社を買収して一気に成長しているのかを判断します。
借入金(負債)を使い、より速く事業規模を拡大することができます。純資産とのバランスを考えて、資産の増加と同じ分だけ負債を増やすことで、財務的に安全性を保ちながら成長を加速できるのです。
また、M&Aにより、会社を買えば、その分野での顧客や技術が手に入れられます。短期間で手に入れる方法が、買収や合併することです。
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