父が娘に語る経済の話。

※読んだ本の一部を紹介します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 誰もが経済についてしっかりと意見を言えることそこ、良い社会の必須条件です。景気の波は私たちの生活を左右します。それを専門家にゆだねてしまうことは、自分にとって大切なものを他人にまかせてしまうことに他なりません。

 私たちは日替わりのニュースについて意見を交わすのに忙しく、本当に見るべきものが見えなくなっています。資本主義について、真剣に考えなくてはならないのです。

書籍情報

タイトル

父が娘に語る

美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい

経済の話。

著者

ヤニス・バルファキス

 2015年、ギリシャの経済危機時に財務大臣を務めました。EUから財政緊縮策を迫られるなか大幅な債務帳消しを主張し、世界的な話題になった方です。

訳:関美和

出版

ダイヤモンド社

地域格差

ポイント
●地域内の格差は、支配者が力を持つことで生まれる。
●何も持たない人が大金を稼ぐのは大変なこと。

 地理では説明できない格差が、地域内や国内の格差です。余剰を蓄積するには、権力を集中する必要があり、富が支配者に偏っているのです。

 支配階級が経済や政治の権力を持ち、文化的に力を持ちます。その力を使ってさらに大きな余剰を独り占めするのです。

 手元に100万ドルあれば、さらに100万ドルを稼ぐのは簡単です。しかし、何も持たない人が100万ドルを稼ぐことは手の届かない夢でしょう。

 そうして格差は広がっていきました。

富と競争

ポイント
●利益の概念が生まれると、生産性の競争が生まれた。
●借金を重ねると同時に、貧富の差も次第に大きくなっていった。

 利益という概念が生まれると、事業を継続させるために使うお金を蓄積しようと考える人がでてきました。起業家が生き残るためには利益を生み出すしかなかったのです。

 借金を背負う覚悟があれば、誰でも起業かにはなれました。しかし、起業家になったとたん、誰もが必死に競い始めるのです。

 新しいテクノロジーが競争優位の源泉となり、借金を重ねて技術を向上していく必要があります。うまくいかなければ破綻が待っているのです。

 倒産するかもしれないと焦りが高まるにつれて、労働者をできるだけ安く雇わなければならなくなってきます。莫大な富が生まれるのと同時に、貧困はますます深刻になっていきます。

悪魔は「人間らしさ」そのもの

ポイント
●人間は目先の目的にはしる傾向がある。
●会社は仕方なく労働力やお金を借りているに過ぎない。

 家、自動車、食事、娯楽、ご褒美であり目的になるものです。

 従業員を雇ったり、お金を借りたりすることは、手段であって目的ではありません。

 交換価値のあるものを生産するために仕方なく労働力やお金を借りているのであって、借りなくていいのであれば、飛び上がって喜ぶでしょう。

 労働力とお金という悪魔のせいで、貯蓄が雇用や投資に変わるといったシンプルな世界は実現しにくいのです。

 人は自分を守りたいという短期的な衝動に勝てません。後で自分の首を絞めるとわかっていても、衝動に従って動いてしまうのが人間の振る舞いです。

「信頼」が通貨になる

ポイント
●信用があるものであれば、なんでも通貨になってきた。
●今では物理的な通貨は消滅しつつある。
●通貨に信頼がないと取引に困難になる。

 強制収容所の世界中の監獄で、タバコは通貨として使われました。貝殻、塩、鉄などの貴金属も通貨の代わりとして機能していたのです。

 金属の硬貨が紙幣に置き換わった時に人々はショックを受けました。1000ドラクマ紙幣をつくのに20ドラクマしかかからないと知ったときもそうです。

 紙幣はますます小さくなり、次第に目につかなくなって、今ではスマホのアプリでの支払いが当たり前になっています。

 それでも収容所のタバコと同じように、通貨を通貨たらしめているのは「信頼」です。

 硬貨を溶かして、少量の金や銀でニセ硬貨をつくり、懐を肥やそうとする人は後を絶ちませんでした。世の中に効果への不信が広まり、取引に支障をきたします。こうした疑念を晴らすために、肖像を効果に刷り込んで安全な通貨を保証するようになったのです。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 支配者が勝ってしまう民主主義についてのお話でした。

 2019年発刊の、もう3年も前の書籍です。このような経済関連本がロングセラーになっていたということでしょう。

 そこから、今の自由な働き方をする人が増えるのではないかと予想されるようになり、事情が変われば結構コロコロと書き方が変わるものなのかな?と思いました。

 貧富の差がどうして生まれるのか、その疑問について考えたい方は読んでみるのも良いのではないでしょうか。

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