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目次
書籍情報
自動運転・MaaSビジネスの法務(第2版)
発刊 2020年7月1日(第1版)、2024年1月10日(第2版)
ISBN 978-4-502-48131-4
総ページ数
戸嶋浩二
佐藤典仁
秋田顕精
林浩美
岡田淳
毛阪大祐
片野泰世
中山優
真下敬太
塩崎耕平
阿南光祐
鈴木彬史
福澤寛人
古橋悠
松井春樹
園田観希央
北和尚
清水池徹
村井智顕
齊藤悠輝
岡朋弘
岡田宏樹
澤和樹
牧野則子
芳川雄磨
中央経済社
- 第1章 自動車ビジネスの進展
- 自動車産業とCASE
- MaaS
- 自動車ビジネスと法規制の全体像
- 第2章 自動運転
- 自動運転技術の進展
- 自動運転中の事故
- 自動運転に関する法制度
- 交通ルールのあり方
- 責任関係
- 自動運転車の安全確保に関する考え方
- 公道実証実験
- 無人自動運転移動サービス
- 自動運転車を用いた物流サービス
- 国家戦略特別区域法
- 第3章 新しいモビリティサービス
- 新しいモビリティサービスと法規制
- マルチモーダルサービス
- タクシー・ライドシェア
- 乗合サービス
- 電動キックボード・自動配送ロボット
- カーシェリング
- 物流サービス
- 駐車スペース
- 第4章 コネクテッドカーとデータ
- 自動車とデータ・通信
- コネクテッドカーとサービス
- コネクテッドカーと個人情報、プライバシー
- ビッグデータ
- 電気通信・電波
はしがき
史上初の量産車T型フォードが登場してから約110年が経ち、自動車は我われの生活になくてはならないものになりました。
日本政府は目標としていた自動運転レベル4を実現すべく、道路交通法を改正したのです。電動キックボードや自動宅配ロボットの規制が緩和されました。
自動運転は実証実験の段階から実装の段階へと移り始めています。技術の進歩というだけでなく、ヒトやモノの移動自体を大きく変えることとなるでしょう。
自動車ビジネスと法規制の全体像
自動車関連の法律は多岐にわたります。自動車運転・自己責任・車体に関する法律と、運送サービスに関する法律に分けることができるのでしょう。
- 自動車の運転・自己責任・車体
- 交通ルール
- 道路交通法
- 自動車の保管場所に確保等に関する法律
- 事故責任
- 自動車損害賠償保障法
- 製造物責任法
- 自動車の運転により人を死傷させる行為の処罰
- 車両
- 道路運送車両法
- 大気汚染防止法
- スパイクタイヤ粉じんの発生の防止
- スパイクタイヤ粉じんの発生の防止
- 騒音規制法
- その他
- 自動車低当法
- 交通ルール
- 運送サービス
- 旅客運送
- 道路運送法
- タクシー業務適正化特別措置法
- 特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び適正化に関する特別措置法
- 自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律
- 貨物運送
- 貨物自動車運送事業法
- 運輸事業の振興の助成に関する法律
- 土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法
- その他
- 貨物利用運送事業法
- 旅客運送
自動車運送事業における検討報告書
運転者が不在となる自動運転車で運送事業を行っても、非常時における対応を確実に実施し、輸送の安全を確保することが望まれます。
遠隔操作監視や外部委託する場合であっても事業者自身において一定の体制・設備の整備が必要です。判断、指示を行う場合には原則として事業者の支持を都度仰ぐ必要があるとされています。
外部委託に対してはやや厳格な立場が示されており、運送事業者や遠隔監視業務等を受託するサービス事業者は、業務委託の範囲や体制を慎重に検討する必要があるでしょう。
駐車スペース
車庫法は、安全かつ円滑な道路交通の妨げとなる路上駐車を防止するために、自動車の保有者に自動車の保管場所を確保するよう求める法律です。
今や、ネットで予約をして駐車できるスペースをシェアするkとができるサービスがあります。
月極駐車場を借りている場合には車庫証明を取得することができますが、時間貸しやネットで契約した一時的な権限では当該駐車場について使用権原を有していないとして、車庫証明が出せません。
保管場所とは異なる場所に15日以上駐車すると、変更の届出が必要という制限があるのも留意がいります。
走行映像データ
車両に設置されたカメラにより収集される周辺環境の映像データを集めて、AIに学習させるなどの研究が行われています。
保険会社、消防、警察などの機関に緊急通報するサービスの利用や、無人走行車による地域の見守りサービスへの活用が期待されているようです。
特定の個人情報を検索できるように体系的に構成されていない状態であれば、個人の顔は「個人データ」には該当しません。容易に照合できない限り個情法上の問題は起きないのです。
周辺環境が映ることで、個人のプライバシーとの関係で問題が生じることがあります。走行映像データを収集する場合にも、周辺環境の中に、歩行者の容貌以外の自宅等の領域が映り込む可能性があることから、一定の注意が必要となるでしょう。
Googleの日本法人を被告として損害賠償請求を求めた裁判では、画像から得られる物が何であるか判然としないことが重視され、違法性は認められないと判断されています。