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目次
書籍情報
仮説とデータをつなぐ思考法
DATA INFORMED
発刊 2023年10月6日
ISBN 978-4-8156-2174-2
総ページ数 262p
田中耕比古
商社系SI企業に入社。米国ソフトウェアベンチャーへの技術研修員派遣により、サンフランシスコ勤務。アクセンチュア株式会社戦略グループ入社。通信業、製造業、流通・小売業などの多様な幅広い領域でのコンサルティングプロジェクトに参画。
2011年、日本IBM株式会社入社。ビッグデータのビジネス活用を推進。2012年、株式会社ギックス設立、取締役に就任。コンサルティング・サービスを展開している。
SBクリエイティブ
- はじめに_あなたは本当にデータを「見て」いますか?
- 「データと、どう向き合うか?」は仕事の評価に直結する
- データを用いて、「仮説」をカタくする
- 文系人材でも、データを使った仮説思考で「成果」を出せる
- ITスキル「だけ」では、仕事の成果につながらない
- この本の歩き方
- 第1章 爆発的に加速するデータ時代の中で_文系〝ビジネス人材〟のデータとのつき合い方
- ビジネスで求められるのは「成功の再現性」
- 1度限りの大成功よりも継続的な成功
- 評価されるのは全体の成功率
- 「成功の再現性」を高めるために、勘・経験・度胸は不要か
- KKDは業務から得る貴重な財産
- あなたの勘・経験・度胸が通用しない理由
- KKD+データでスピードと精度を両立させる
- 「KKDに頼らない」と時間がかかる
- データを用いて、勘と経験を補強する
- 「勘をデータに基づく理論」として形式化する
- データによって人間の思考が強化されるデータインフォームド思考
- データに頼り切るのではなく、データをうまく取り入れる
- 意思決定は、機械に任せず人間が行う
- 爆発的に増加するデータに機械と共に立ち向かう
- とはいえ、データは爆発的に増えている
- 人間の手元に残るのは「人間がやったほうがいい」こと
- 機械にはできない、人間だけがたどり着ける場所
- 対話という強力なツール
- 求められるのは「データとビジネスをつなぐ力」
- ビジネスで求められるのは「成功の再現性」
- 第2章 データ活用、DX推進における誤解_あなたのデータ分析、データ活用がうまくいかないのはなぜか
- 「データを扱う技術」だけでは「データ活用」はうまくいかない
- あなたは「データを活用」できていますか?
- 必要なのは「操舵輪」と「駆動輪」
- DXを検討する際に、その概念を理解しているか?
- 新しい言葉や概念に振り回されない
- DXのゴールはビジネス変革
- ビジネス変革における業務機能は、種類×階層で捉える
- 全社構造の中で、地震の立ち位置を捉える
- 業務機能は、戦略と実行(横軸)と、ビジネスとデータ(縦軸)
- ビジネス変革における、あなたの立ち位置は?
- 「データの業務適用」は、DXの本丸
- ビジネスパーソンが注力すべきは「データの業務適用」
- 「データの業務適用」を怠ると、使われない仕組みができあがる
- データを用いて判断すると、「会議室で事件を起こす」ことができる
- 現場にいてもいなくても「同じ情報を用いて判断する」を目指す
- 現場と同じ情報を共有できる「情報フローの構築」
- データから成果を生み出す、という意識を持つ
- データ活用は「普通」のこと
- 日々の業務にうまく「データ」を加える
- 「データを扱う技術」だけでは「データ活用」はうまくいかない
- 第3章 人間が主役のデータ活用_〝ビジネス人材〟だからこそ可能なデータインフォームドな思考法
- 求められるのは「データ分析スキル」ではなく、「データとビジネスをつなぐ力」
- Data Ssientistとデータサイエンティストは違う
- データとビジネスをつなぐ仕事は、アウトソーシングできない
- データ人材とビジネス人材を組み合わせる
- データを取り扱うデータ人材と、ビジネス視点でデータを読み解くビジネス人材
- ビジネス人材は「最初」と「最後」を担当する
- データ活用もシステム開発も、ビジネス人材が成功の鍵
- データ活用の具体的な流れを追ってみよう
- 「課題の気づき」から「課題解決」までの手順
- 事業課題
- 得たい成果
- 知りたいこと
- 見たい切り口
- 分析設計
- データの理解
- データ処理
- アウトプット作成
- 事実の提示
- 新たな発見(Findings)
- 示唆(Insight)の抽出
- 事業視点での評価
- 打ち手の検討
- 課題解決/成果創出
- 「課題の気づき」から「課題解決」までの手順
- 役割の線引きは、組織の状況次第
- ビジネス人材もデータ人材も、相手の領域に一歩踏み込むべし
- ビジネス人材が行うべきは、ビジネス舵取り
- データの正しい読み方
- データの解釈はKKDベースで構わない
- インプットの精度を高めるには?
- 考える材料はデータだけじゃない
- 良いインプットの集め方
- 求められるのは「データ分析スキル」ではなく、「データとビジネスをつなぐ力」
- 第4章 仮説思考でデータと向き合う技術_データ分析だけでは出てこない、自分なりの「仮の解」の導き方
- 仮説思考=自分の脳内情報との比較
- 自分の脳と対話しながら思考を深める
- 目の前の事象の、見えない原因を考える
- 仮説にはアサンプションとハイポセシスの2種類がある
- assumptionとhypothesisはカタさが違う
- ビジネスにおいてはhypothesisで十分
- 仮説とデータをつなぐ〝データインフォームド〟な思考とは?
- 脳内情報とデータ〝も〟使って考えるデータインフォームドな思考
- データとデータを比較するデータインフォームドな思考
- データの利用タイミングは2ヵ所
- 仮説思考におけるデータ利用のポイント
- データ活用を成功に導き、仮説思考の効果を最大限に引き出すには?
- 仮説思考の5ステップ
- 「気づける」か「気づけない」かは、大きな別れ道
- ①気づき:データ利用のポイント
- 仮説は「何について考えるのか?」とセット
- ②仮説構築
- 仮説検証では、データを最大限に活用
- ③仮説検証:データ利用ポイント
- 仮説が間違っていても、得るものはある
- ④新たな疑問
- 「自分の経験則にはない、想定外の理由」を探る視点を持つ
- ⑤疑問の深掘り
- 「気づける」か「気づけない」かは、大きな別れ道
- データを見るときにやってはいけないこと
- データを見る際の「3つの禁じ手」
- 禁じ手1 データの解釈を捻じ曲げる
- 禁じ手2 自分の勘・経験に固執する
- 禁じ手3 理論性を軽視する
- データとの理想的な向き合い方
- 気づくために「基準」を持つ
- 基準を作る3つの方法
- 基準作り①:継続的に同じデータを見続ける
- 基準作り②:ある期間のデータを基準とする
- 基準作り③:比較対象物のデータを基準とする
- どうすれば「違和感」を持てるのか?
- 気づくために「比較」する癖をつける
- 似ている(違う)はずの「対象物」を比較して気づく
- 前提を揃えて比較対処を決める
- 仮説思考=自分の脳内情報との比較
- 第5章 データインフォームド思考 実践編_「報告」「企画」「営業」……。具体的シーンで〝仮説とデータをつなぐ〟技術
- 確実に成果に結びつける人になるには?
- 操舵輪の役割を果たすビジネス人材になる
- 求められるのは「高い言語化力」
- データインフォームドな仕事術 シーン1:上司に報告し、指示を仰ぐ
- 経営状況をつかむための手順
- ステップ1 適切なデータを集める
- ステップ2 データは「粒度」と「期間」で見ていく
- ステップ3 データの変化と推移を比較してみる
- 経営状況を報告し、指示を仰ぐための手順
- ステップ4 データを基に「カタい仮説」を立てる
- 上司への説明の際に気をつける4つポイント
- 経営状況をつかむための手順
- データインフォームドな仕事術 シーン2:新商品を企画する
- 新商品を企画するための手順
- ステップ1 何を狙うのか、を明確にする
- ステップ2 〝狙い〟の正しさを、検証する方法を考える
- ステップ3 データを読み解いて、具体的な状況を想像する
- ステップ4 多様なデータを用いながら、企画に落とし込む
- 新商品を企画するための手順
- データインフォームドな仕事術 シーン3:営業先と攻略方針を決める
- 新サービスの契約を獲得するっための手順
- ステップ1 ターゲットの「絞り込み方」を考える
- ステップ2 条件を設定し、絞り込む
- ステップ3 セグメントに分けて、攻略優先順位をつける
- ステップ4 攻略方針を決める
- 新サービスの契約を獲得するっための手順
- あなたのビジネス感覚とデータは表裏一体
- 「データから勝手に物事がわかる」ということはない
- 求められるのは、「データ」と「自身の業務」を紐づけて捉える力
- 確実に成果に結びつける人になるには?
- おわりに_「成功の再現性」に寄与するビジネス人材を目指そう
はじめに
根拠があるか、どう思うか、裏付けがあるか、そう指摘を受けるのは正しいデータの見方・使い方をしていないからです。
コンサルティング業界を中心に「仮説」という言葉が使われます。最初のうちは曖昧で、正しいかどうかよくわからない仮りの答えです。ここにデータを加えて、自分の考えが正しいかどうかを確認していくことで、徐々に確からしさが増していきます。つまり、だんだんと「カタい仮説」になっていくわけです。
爆発的に増加するデータ
AIなどに使われるインプットデータの量と質の問題は、今後、どんどん改善していくことは明らかです。
バイタルデータなどもApple WatchやOura Ringなどによって日常的に取得され、蓄積されています。その制度も、年々向上しているのです。
人間の表情を読み取る技術や、声のトーンから感情を推測する技術も進んでいます。こうした情報は、従来は人間が感覚的に理解することしかできませんでした。また、それを逐一記録することも難しい情報だったといえます。技術が進んでいく中で、面談中の相手の感情をタブレットに表示された顔文字を選ぶ形で記録する、などの仕組みもできました。
通信速度は大きく向上し、衛星回線なども実用化され、世界中のあらゆる場所で高速通信が可能となってきています。そして、クラウドにデータを保存すれば、低コストで大量のデータを蓄積することができるのです。
活用可能なデータが爆発的に増えていることを踏まえると、これから先、機械がより一層の進化を遂げていくのは疑いようがないでしょう。
データ活用は普通
多くの方が、データ活用をするときに「なにか、新しいことをやらなければならない」と勘違いしています。
データの使い方には、特に新しいことは何もありません。普段の業務を少し強化することから始めれば良いのです。
データの活用するのは、ビジネスの成果を得たいからです。きれいなグラフを描くことでも、素晴らしい機械学習モデルを作りあげることでもありません。
売上が上がる、コストが減る、もしくは料理をよりおいしくするといったことに、データを使用しなければならないのです。
思考を深める
仮説思考は、「実際に目の前で起きている現象」と「自分の脳内にある情報」とを比較しながら考える思考法です。
目の前で起きていることの、見えない原因を考えるときに、「自分の脳内情報との比較」が行われます。
得た知識や経験則と現象を比較して、「この現象には、こんな原因があるんじゃないか?」と考えてみます。これが「仮説を作る」という作業です。
単なる当てずっぽうではなくて、仮の考えを出せるのが、仮説思考の特徴です。
勝手に物事がわかることはない
大量のデータが存在し、それを自由自在に分析する環境と技術があれば、機械学習によって「答えらしきもの」を導き出すこともできます。もっといえば、「機会の出した答えを、そのまま信じる」というのも、人間の判断です。
「どのデータを使えば何を判断できるのか」「どういう基準を設けてデータを見ていくのか」などを、自身の担当業務と紐づけて理解しておく必要があります。
自分が身に付けてきたビジネス感覚は、どうしても主観的で、他人と共有しづらいものになっています。それらをデータと紐づけて捉え直すことで、客観的で、周囲と共有可能な〝形式知〟として再構築することができるのです。
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