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目次
書籍情報
子どもを壊す食の闇
発刊 2023年10月20日
ISBN 978-4-309-63161-5
総ページ数 253p
山田正彦
- まえがき
- 第一章 農薬づけの日本の食卓
- 山積みされて売られている除草剤の正体
- 学校給食のパンからグリホサートが検出
- 遺伝子組み換え作物は除草剤を撒いても枯れない
- 残留値に合わせて基準をゆるめる
- 知らず知らずのうちに口にしている遺伝子組み換え作物
- 「遺伝子組み換えでない」という任意表示も禁止に
- ミツバチの大量死で問題になったネオニコチノウド系農薬
- 茶葉やペットボトルのお茶からネオニコ系農薬
- 主食の米、野菜や果実、ハチミツからもネオニコ系農薬が
- 日本茶では2500倍もゆるい基準値
- 第二章 表示が消される食品添加物
- 食品添加物大国・日本
- 食品添加物の「無添加」「化学調味料不使用」の表記も禁止に⁉
- 市民で食品表示問題ネットワークを組織して動き出す
- これまで通り「無添加」「化学調味料不使用」等の表示を続ける
- 第三章 ゲノム編集食品が日本史所を席巻する
- 狙われる学校、ゲノム編集されたトマトが学校へ
- ゲノム編集は、品種改良と同じ?
- 肉厚のマダイに巨大トラフグまで
- 第四章 食べるものが孫やひ孫の健康に影響を与えることも
- 発達障害と診断される子どもが増えている
- 残留農薬と脳の発達
- 無毒性量の投与で、マウスに行動異変
- 生殖機能も低下させる
- 発がん性が認められ、モンサント社が敗訴
- ラウンドアップ撒布で悪性リンパ腫に
- 訴訟に次々と負けて「終わった」モンサント
- かんだけではない世代を超えた影響
- 腸内環境にも影響
- さまざまな疾患は腸内環境の悪化で引き起こされる
- 国会議員の頭髪からもグリホサート
- 被験者の94%の尿からネオニコ系農薬も
- 第五章 日本のタネを守ろう
- 農薬規制と同じようにタネも逆行する日本
- 種子法廃止で米・麦・大豆の種子が多国籍企業に支配される
- 市民の力で実現した、地方での種子条例
- 政府は日本の優良な育種知見を民間に提供させる法律を制定
- 種苗法改定で自家採種(増殖)を禁止する
- 道県から登録品種の自家採種を認める動きが
- 自家採種禁止の国内での取り締まりが始まる
- TPP協定によって脅かされる日本人の健康と命
- TPP交渉差止・違憲訴訟を東京地裁に申し立てる
- 種子法廃止は私たちの食への権利を侵害しており違憲である
- 第六章 食を変えれば体が変わる
- 食の見直しで、薬では治らないものが改善される
- 腸内の炎症は脳にまで関係する
- 有機食材に変えてデトックス
- オーガニックのものを食べると医療費がかからない
- 第七章 世界に広がる有機農法とオーガニック市場
- 世界に押し寄せるオーガニックの波
- スーパーでも広がる有機コーナー
- 温暖化を止めるにも有機農業は効果的
- 日本もみどりの食料システム戦略で有機農業に
- 頭打ちになる遺伝子組み換え作物
- 第八章 市民の力で食の安全を取り戻す
- 全米で母親の運動を巻き起こす
- 北海道の主婦が止めた、100円ショップでのラウンドアップ販売
- プレハーベストをやめさせる
- 川越市の公園でも農薬散布をやめさせた
- ゲノム編集トマトの苗を受け取らない自治体が増える
- 鉄道会社の除草剤散布にも市民が声を上げよう
- 第九章 世界の潮流となったオーガニック給食
- 学校給食を無償オーガニック食材で実現する韓国
- 韓国では子どもたちが食堂で学校給食を食べている
- 韓国は学校給食を市町村の条例で無償、オーガニックにしている
- ブラジルも学校給食を無償有機にする
- 農民や市民の力でできたフランスの「エガリム法」
- 有機にしても食材のコストは変わらない
- 良い食の基準を作ることで学校給食を変えたアメリカ
- 日本のオーガニック認証制度は問題あり
- 第十章 地域から変わる学校給食~市民の取り組み~
- 学校給食の米を100%勇気にすることに成功したいすみ市
- 稲場さんの教えで雑草問題をクリア
- 学校給食への使用が農家のモチベーションに
- 野菜も有機に
- 子どもたちが有機農業を体験しての食育
- 学校給食のオーガニック化は必ず実現できる
- 市民の力で学校給食を有機化した武蔵野市
- 保護者と栄養士がタッグを組んだ
- 「食と農のまちづくり条例」を制定した今治市
- 有機給食成功のカギを握る自校方式給食
- 市民に危機感を示した都市宣言
- 遺伝子組み換えも寄生する条例
- 各市町村でも条例制定が始まる
- トキとの共存から始まった佐渡市の認証米
- 「みどりの食料システム戦略」が後押しに
- 学校給食の無償化が急速に進む
- センター方式では給食が冷たくなる⁉
- センター方式を自校方式に変えた五泉市
- 第十一章 オーガニック給食マップ
- オーガニック給食マップを立ち上げる
- オーガニック給食マップに全国各地で活動の124グループが
- 全国4000人をつないでのオーガニック給食フォーラムを開催
- 全国から市区町村が集まって学校給食をオーガニックに
- 第十二章 私たちの手に食料主権を取り戻すために対談 山田正彦×関根佳恵(愛知学院大学経済学部教授)
- 戦後から続くアメリカの食料戦略
- アメリカに屈しなかった韓国の学校給食
- 主食を生産する農家を守らないのは日本だけ
- SDGs成功のカギも握る学校給食の有機化
- 〝食料主権〟を報じない日本のマスコミ
- 声を上げることで消費者庁の対応を変えた
- 地方自治を変えることで未来を守る
- あとがき
まえがき
EUは25%を有機栽培にすることを目指し、アメリカも目覚ましいスピードで有機栽培に転換しています。
世界のオーガニックへの潮流は、いくら多国籍アグリ企業が巨大な資本をもってしても、止めようがありません。
発がん性が認められ、モンサント社が敗訴
グリホサートを主成分とする除草剤「ラウンドアップ」の発がん性をめぐっては、アメリカで数多くの裁判が起こされ、その危険性について法のもとですでに決着がついています。
ジョンソンさんが2018年8月10日、「ラウンドアップ」にがんを発病した原因があるとして、モンサント社を訴えました。
裁判の進行を早める特別処置により、8週間というスピード審理を経て勝訴しています。
TPPによって脅かされる命
各国が規制しているさまざまな農薬を、日本はなぜか野放しにしています。そのうえ、日本人の命をつないできたタネまでも、主要農作物の公共種子を廃止し、民間企業の金もうけのツールにして、農民の権利である種子の自家採種まで禁止するのはなぜでしょうか。
日本の農作物を守ると言って、TPP交渉を始めました。TPP協定には「国有企業及び指定独占企業」が対象となる項目があります。農水省の育種機関である「農研機構」は指定独占企業にあたり、事業額は総額70兆円といわれているのです。つまり、TPP協定で廃兵で自由な競争原理もとで、安価で種子を提供することも含まれています。
有機にしても食材のコストは変わらない
学校給食を有機にしたら給食費が上がる。そんな概念がある人がいます。
けれど、実際は多くの自治体で有機の食材を調達しても、値上がりしなかったのです。温室で栽培したトマトなどが出されるために、どうしてもコスト高になってしまいます。
旬な野菜や穀物を摂取することにより、栄養が採れて、おいしくいただけますし、食べ残しも少なくなったとのことです。
学校給食の無償化が進む
日本農業新聞の調査で全国約1600市町村のうち、3割が2022年度に学校給食を無償化したことが明らかになりました。
また、五泉市ではセンター式をやめて自校方式の給食に変えました。地域の農家や、周辺の住民の方々、学校の調理師や栄養士など、いろいろな市民が集まって、議論をし、幼稚園で実行した自校方式給食が評判となって広がっていきました。
感想
ゲノム編集をしたトマトと、自家栽培したトマトは、どちらもトマトだと思います。
食品添加物がどうのなどの、根拠のないものをぶら下げて、コンビニ弁当買うなと言っているのとおなじように思えるのです。
新書の内容を鵜呑みにする人はいないでしょうが、それなり尖ったことを述べる書物でした。