書籍『「みんな違ってみんないい」のか?』

※サイト管理人が興味をもった部分を紹介します。

はじめに

 世の中には、両立しない意見の中から、どうにかして一つにきめなければならない場合があります。

 多くの人は「人それぞれ」の相対主義か「真実は一つ」の普遍主義かという二者択一に陥りがちです。どちらも、相手のことを理解しようとしない点で似たようなものでしょう。

書籍情報

タイトル

「みんな違ってみんないい」のか?

相対主義と普遍主義の問題

著者

山口裕之

徳島大学総合科学部教授。専門はフランス近代哲学、科学哲学。

出版

ちくまプリマ―新書

道徳的な正しさについて

 道徳的な正しさとは、「他人に対する行為や他人を巻き込む行為の善悪」のことです。

 人が困っていたら助けなればと感じますが、岩が土石流で押し流されても助けようとは思いません。

 道徳的な善悪は、人間が他人に対して抱く感情を出発点として作り上げられていくものなのです。

「正しさ」を作っていかなければならない場合

 お互いの間で「正しさ」を求めることが必要になる場合があります。それは両社の意見が対立したときでしょう。

 「日本で原子力発電所を維持するのか廃止するのか」といった国全体で一つに決めなければならないことについて、決めていかなければなりません。

 道徳感情は人類普遍的なものであり、それが「正しい」とはかぎらないのです。個々が感じる道徳感情も異なります。

機械の法則

 機械が上手く動作できれば、毎回同じように動作します。

 最初に作ってみた機械は、うまく作動しないものです。いつでも同じように作動する機会を間違いなく作れるようになるのは、試行錯誤の結果なのです。

 うまく作動する機械が作られるようになると、単に法則が正しいから機会が動くという認識になってしまいます。

 「正しさは人それぞれ」でも、「物体や自然界にある自然法則が実在する」というわけでもありません。

 人間は物をいつでも同じように扱う方法を工夫し、その工夫を他の人間と共有することで、「より正しい正しさ」へ向けて合意を作っていくのです。

感想

サイト管理人

サイト管理人

答えがなく、白黒つけないからこそ、哲学の書物には考えさせられます。

「正しさ」をどう作り上げていくか、そこにあてた哲学で、頭を使ってみてはいかがでしょうか。

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