※サイト管理人が興味をもった部分を紹介します。
はじめに
2022年現在ウクライナで起こっているロシアとウクライナの戦争で気がかりなことは、それが多国籍化した資本主義の様相をしめしていることです。
資本主義には、利益の裏に支配や搾取という側面があります。資本主義の利益追求は止められません。
資本主義のもたらしたプラスの側面と、マイナスの側面を理解してください。
目次
書籍情報
タイトル
資本主義全史
著者
的場昭弘
経済学博士。神奈川大学教授。
日本を代表するマルクス研究者です。
出版
SB新書
資本主義のプラス面とマイナス面
資本主義とは、あくなき利潤獲得を目的とする制度です。
結果として、交通網、生産力、通信手段などが発達し、人類に貢献しました。これらは、利益を求めた結果であることは間違いありません。
マイナス面としては、地球環境を破壊し、人種差別を生み、貧富の差が開いたことです。
ある者が利潤を得ると、ある者が損をすることは、世界全体をみると間違っていないのです。西欧の200年の豊かさは、アジア・アフリカの貧困の上にあります。
資本主義は、世界がともに豊かになるシステムとなっていません。
まとめ
●資本主義のもと、インフラが発達して人類に貢献した。
●マイナス面は、地球環境の悪化し、人種差別が生まれ、貧富の差が開いたこと。
●歴史や全体像をみると、資本主義は世界の全てが豊かになるシステムではない。
帝国主義の時代とヨーロッパの発展
19世紀は、西欧の帝国主義国がアジア・アフリカにきた時代です。
利潤拡大のために、安い金銀、原料、燃料、労働力を求めて、西欧は各国に進出しました。
経済的にととまらず、文化をも支配する時代でした。音楽、芸術、科学は全て西欧が世界基準とされていたのです。
不平等な条約を結び、海外に植民地が拡大していきました。西アフリカはフランスの植民地に、アルジェリアから南のコートジボワールもフランス直轄地となったのです。アフリカの東はイギリスの植民地となりました。
遅れて資本主義化した日本も、アジアに侵出し、領土獲得競争をしています。
まとめ
●帝国主義の時代に、利潤拡大の動きがあった。
●ヨーロッパ、日本と植民地拡大した時代であり、実状は文化の支配だった。
●資本主義の国同士で19世紀は領土獲得競争をしていた。
アメリカ経済の繁栄と衰退
1929年10月の大恐慌が起こるまで、アメリカは繁栄の国でした。
第一次世界大戦までアメリカの農業は好調で、それを受けて投資が進み、農業生産量が上昇しました。戦争によって輸出が増えて、さらなる投資も行われたのです。また、農業の機械化に貢献しています。
1918年に戦争が終わると、穀物の価格が下がりアメリカの農業は天候不順もあって悪化をしました。一方で、工業は発展を続けます。住居、交通インフラ、クレジット決済といった改革が行われ、事業は拡大をしていったのです。
しかし、移民の制御をしたのもあって、人口が減少しました。それに伴って、消費が細くなっていくにも関わらず企業は事業を展開していきます。そして、金融緩和が行われ、現実の経済状況を反映しない経済が誕生したのです。
まとめ
●大恐慌が起こるまでは、アメリカは繁栄の国だった。
●戦争があったときは、農業が好調で投資先としても順調だった。
●戦争が終わると人口が減っていき、消費が減ったので経済が回らなくなった。
アジア型資本主義の可能性
経済発展を遂げたアジアから新しい資本主義のモデルが生まれようとしています。
中国型の内需型で国家による調整型経済、朝貢型経済の動向に注目です。
経済的覇権を求めて西欧と中ロが対立していますが、台湾やウクライナの問題といった形で顕在化するようになっています。
覇権が中国に移れば、他の国々も追随せざるを得なくなります。
「未来はアジアのものである」とした一帯一路計画など、発展させようとしていることは見てとれるでしょう。
歴史を遡れば、国家主義の在り方は発展途上国にみられた政策です。個人主義に変化しないとも限りません。しかし、今の個人主義はあくまで時代に適応しながら生まれたものにすぎないのです。
まとめ
●経済発展を遂げたアジアが新しい資本主義のモデルを生み出すかもしれない。
●経済的覇権を争って、台湾やウクライナの問題として顕在化している。
●未来がどんな社会になるか、まだわからない。
感想
サイト管理人
社会主義、国家主義、過去にこのような時代を送った人々に与えられた仕事をみると、そんな生活したくないと思ってしまう。
ヒトラーの仕事のなかには、下水道の見回りといった謎の仕事がありました。やりがいがないでしょう。
インタビューなどで、口では違うことを言いながら、筆談で本音をやりとりするような社会も嫌だなぁ…
高齢者数と人口の推移をみると、経済的覇権が移るのかな?と疑問にも思います。
中国は優秀な若者エンジニアにお金をかけてきただけあって、技術力は半端ないのです。本当に凄いのも事実としてあります。
本当に、どんな未来になるのでしょうか?
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