※読んだ本の一部を紹介します。
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
はじめに
野球史上最高かもしれない「至宝」を他球団にトレードするという発想は、日本では考えにくいことかもしれません。
野球における契約がわかれば、合理性に基づくアメリカの経済構造も垣間見えてきます。スポーツは社会の縮図なのです。
目次
書籍情報
タイトル
サクッとわかる ビジネス教養
野球の経済学
著者
小林至
桜美林大学健康福祉学群教授。スポーツ科学博士。
92年に千葉ロッテマリーンズにドラフト8位で入団し、史上3人目の東大卒プロ野球選手となります。93年に退団し、その後7年間アメリカで経営学を学びました。MBAを取得したのち、福岡ソフトバンクホークス取締役を兼任し、「パシフィックリーグマーケティング」の立ち上げや、球界初となる三軍制の創設、FA・外国人選手の獲得に尽力しました。
出版
新星出版
現場スタッフにいくらかかるか?
ポイント
●選手の年棒を抜いた現場スタッフの人経費で、約7億円かかる。
●選手の年棒にかけられる金額は、収益の3割ほど。
監督で1億円3000万前後の年棒、コーチ20人として2億5000万前後、スタッフが50人として3億円前後かかります。合計で現場スタッフの人件費は年間約7億円かかるのです。
収益を100億円と仮定した場合の損益計算書モデルを表にします。
収益方法 | 金額 |
---|---|
入場代 | 33億円 |
スポンサー収入 | 33億円 |
放映権 | 15億円 |
物販 | 15億円 |
その他 | 4億円 |
合計 | 100億円 |
費用用途 | 経費 |
---|---|
選手、現場スタッフの年棒 | 45億円 |
球場使用料、光熱費、球団社員の給与 | 40億円 |
営業外費用、特別損失、各種税金 | 15億円 |
合計 | 100億円 |
球場の建築費と維持費
球場 | 建設費 | 開場年 |
---|---|---|
福岡PayPayドーム | 約760億円 | 1993年 |
京セラドーム大阪 | 約498億円 | 1997年 |
札幌ドーム | 約422億円 | 2001年 |
バンテリンドームナゴヤ | 約405億円 | 1997年 |
東京ドーム | 約350億円 | 1988年 |
ZOZOマリンスタジアム | 約133億円 | 1990年 |
MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島 | 約90億円 | 2009年 |
横浜スタジアム | 約49億円 | 1978年 |
阪神甲子園球場 | 約250万円 | 1924年 |
明治神宮球場 | 約53万円 | 1926年 |
総工費は球場の形態などにも左右されます。開放型の球場のほうが、比較的安い傾向にあるのです。人工芝か天然芝かで、維持費などに差がつきます。
阪神甲子園球場、明治神宮球場は、今の価値だと、約50億円、10.6億円で建設されているので、破格の値段だと言えるでしょう。
球場には、ライトやスコアボードなどの維持、管理費が億単位の費用が必要です。運営していくのは容易いことではありません。
ファーム特化配信サービス
配信サービス | 月額料金 | 内容 |
---|---|---|
イレブンスポーツ | 約1600円 | 巨人、広島、日ハムを除く9球団の2軍戦、 ソフトバンクの3軍戦 |
DAZN | 3000円 | 広島を除く セ・パ11球団の1軍戦 西武の2軍戦 |
パ・リーグTV | 約1600円 | パ・リーグ 6球団1・2軍戦 |
スカパー! プロ野球セット | 約4500円 | 全12球団の1・2軍戦 |
2軍選手を応援するコアなファンに目をつけたのが、イギリスに本社を持つネット配信会社「イレブンスポーツ」でした。
簡易中継車、ハイビジョンが取れる小型撮影機材、少数精鋭スタッフと作成費を抑えて、年間約600試合を無料で配信していました。主な収入源は広告でしたが、後にサービスを充実させて月額料金制に移行したのです。
年々、値上げを行っており、ファーム中継ビジネス化に苦心をしている様子が窺えます。
ボールパーク化が進む
総合エンタメ
●スポーツ施設
●ホテル
●外部巨大モニター
●ショッピングモール
●飲食スペース
●温泉
日本では、広島カープの本拠地であるマツダスタジアムが、ボールパーク化構想をいち早く取り入れました。結果、「カープ女子」という言葉が生まれたように、女性ファンも獲得することに成功しています。
このカープのボールパーク化成功を受けて、全国的にもボールパーク化が進んでいます。中でも日値ハムは2023年い向けて、商業施設、ホテル、飲食とまちづくりに力を入れています。
感想
サイト管理人
大きなお金がどう動いているか、今後、野球ビジネスはどう変化していくのかを勉強しました。
わかっていそうで、わかっていなかった部分のビジネス教養を養えます。
読めば、スポーツを経済の視点でみれるようになるのではないでしょうか。