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目次
書籍情報
難しいことはわかりませんが、50歳でも農業を始められますか?
発刊 2024年4月17日
ISBN 978-4-473-04592-8
総ページ数 271p
深瀬貴範
農業キャリアコンサルタント。1985年、リクルートグループに入社。2020に独立。
農林水産省、経済産業省、地方自治体向けに農業フェアをやってきた経験を活かし、地方行政の農業活性化事業に関わっている。
淡交社
- はじめに
- 1部 まずは農業に触れよう
- 1章 農業について右も左もわかりません!
- 農業やってみたいです。 でも、 クワもカマも持ったことがありません。そして、 なにもわかりません。 そんな私でもできますか?
- わからなくて当然。 農業はイメージがしにくい
- 今の農業界は初心者ファースト
- 私、 けっこう 〝いい年〟 なんです。 それでも農業を始められますか?
- 農業界の平均年齢は68歳。 〝いい年〟 でもバリバリの現役
- 体力の問題はどうしたらよい?
- 50代で農業を始めるメリット・デメリットは?
- 50代で農業を始めるメリット
- 50代で農業を始めるデメリット
- 農業への憧れはありますが、 失敗しないか不安です。
- 「憧れの農ある暮らし」 で終わらせないために
- 「今の生活」 から 「やりたい農業」 をイメージ
- 農業やってみたいです。 でも、 クワもカマも持ったことがありません。そして、 なにもわかりません。 そんな私でもできますか?
- 2章 「自分のやりたい農業」 をイメージするには?
- まずは、 なにをイメージしたらよいですか?
- 「農業を楽しむ姿」 をイメージしよう
- 「すぐできる情報収集」 と 「すぐできる農業」
- CASEベランダ農業から本格農業をスタート
- 忙しくて週末しか時間を確保できません。そんな私にも始められる農業はありますか?
- 初心者が始めるならまずは 「週末農業」
- レンタル農園のことをもっと教えてください!
- 費用を安くおさえたいなら 「市民農園」
- 手厚いサポートなら 「民間運営のレンタル農園」
- 自分に合ったレンタル農園を選ぼう
- CASEレンタル農園 「シェア畑」
- まずは、 なにをイメージしたらよいですか?
- 3章 「週末農業」 ってなに?
- 週末農業の楽しみ方について教えてください!
- 初心者は週末農業をどう楽しめばいい?
- 週末だけとはいっても、 農作業は大変ですよね?
- 準備を怠ると大変な目に……
- 市民農園・レンタル農園で気をつけることは?
- 農園は 「シェアであること」 を忘れずに
- 有機農業に興味があります。 週末農業でもできますか?
- 有機農業とは?
- 週末農業で有機野菜は育てられる?
- 野菜をたくさん作っても食べきれない場合は、 どうしたらよいですか?
- 初心者によくある 「収穫しすぎ」 の落とし穴
- 解決策は 「少量多品目栽培」
- ところで、 自分で作った野菜を売ることはできますか?
- 状況に合わせた 「販売ルート」 を選ぼう
- 週末農業で、 栽培も収穫も経験できて満足です。もっと農業を楽しくするにはどうしたらよいですか?
- ひと通り経験したら 「振り返り研究」 をしよう
- INTERVIEW52歳で始めた市民農園/介護講師と農業の二刀流
- 週末農業の楽しみ方について教えてください!
- 1章 農業について右も左もわかりません!
- 2部 さらに農業を深めよう
- 4章 情報収集のしかたを教えて!
- 農業について情報を集めたいのですが、 いろいろありすぎてわかりません。
- 初心者の前に立ちはだかる 「情報収集の壁」
- 効率的に情報を集めるにはどうすればよい?
- 農業には、 どのような始め方がありますか?
- 「どう始める?」 の前に、 押さえておきたいこと
- 最終ゴールは 「新規・独立自営就農」
- 栽培する作物はどのように決めたらよいですか?
- 初心者が始めやすいのは 「露地野菜」
- 露地野菜はどうやって決める?
- 「儲かる露地野菜」 のポイントが知りたい!
- 農業を始める場所はどのように決めたらよいですか?
- 「どこで始めるか」 は初心者がいちばん迷う点
- 「憧れの土地」 で農業を始めるときに注意すること
- 農業について情報を集めたいのですが、 いろいろありすぎてわかりません。
- 5章 農業に関する知識や技術を知るには?
- やっぱり自分に作物を育てられるか不安です……。
- 小学校の 「アサガオ栽培」 を覚えていますか?
- プロから直接教えてもらうことは可能ですか?
- プロから学べる4つの場所
- 学べる場①「農業体験」 とは?
- 「先生と生徒」 の関係で学べる 「農業体験」
- 短期農業体験とは?
- 中期農業体験とは?
- 農業体験はどのような心がまえで参加する?
- CASE中期農業体験ができる場所
- 学べる場②「週末農業アルバイト」 とは?
- 役に立ちながら経験を積む 「週末農業アルバイト」
- 農業アルバイトはどう探す?
- 学べる場③「農業ボランティア」 とは?
- 手助けしながら経験を積む 「農業ボランティア」
- 農業ボランティアはどう探す?
- 「NoPay」 ならぬ 「農ペイ」 の気持ちでのぞもう
- 学べる場④「農業インターンシップ」 とは?
- 50代も参加できる 「農業インターンシップ」
- 農業インターンシップでできることは?
- どうすれば効果的に利用できる?
- もっと実践的な知識を学べるところはありますか?
- 本格的な農業を学ぶなら 「農業研修」
- 農業研修で注意することは?
- 体験とか研修とかではなく、 学校みたいに学べるところはありますか?
- 自分に合った学び方が選べる 「農業の学校」
- 知識や技術は自分のペースで身につけよう
- 先々本格的に独立して農業を考えています。学校に通う以外どんな方法がありますか?
- 独立なら 「就職」 も手段のひとつ
- やっぱり自分に作物を育てられるか不安です……。
- 6章 実際に相談に行ってみよう!
- どこに相談に行けばよいですか?
- まず、 相談に行くのはいつがよい?
- 相談窓口はどんなところ?
- 相談はどんな感じで進む?
- 相談するときに注意することは?
- とはいっても役所の相談窓口はやはり行きづらくて……。もっと相談に行きやすいところはありますか?
- 相談のしやすさなら 「新・農業人フェア」
- 目的別 「新・農業人フェア」 活用術
- CASE「新・農業人フェア」 相談ブースいろいろ
- どこに相談に行けばよいですか?
- 7章 知っておきたい!農地や資金についての基礎知識
- いよいよ農地が必要になりました。むずかしいことも覚えないといけませんよね?
- 避けては通れぬ 「農地の話」
- 農地を管理する 「農業委員会」
- 「農地法」 で押さえるべきは 「3条許可」
- 農地を探すには、 実際にどんな方法がありますか?
- 農地の探し方はさまざま
- やはり農地はなかなか手に入らないですか……。
- 法改正で以前より借りやすくはなった
- 農地を探す前に気をつけたいことはなんですか?
- 自分なりの 「営農計画」 を立てよう
- 営農計画はどう立てる? (露地栽培の場合)
- 農地をみつけるまで、 どんな流れになりますか?
- ひとつずつ手順を踏めば農地はみつかる
- 「地域とのつながり」 を確認しよう
- 農地を借りるときに、 気をつけたいことはなんですか?
- なにより大事な 「地域の人との信頼関係」
- 農地を探すときに覚悟しておきたいこと
- 独立して農業を始めるのに実際お金はいくら必要ですか?
- 露地野菜なら1年目は400万円程度が目安
- なににお金がかかるのか、 もう少しくわしく教えてほしいです。
- 露地栽培ではどんなものに費用がかかる?
- 自己資金30万円で農業を始めた人も
- 国の支援策はありませんか?
- 国の資金面での支援対象は現状 「49歳以下」
- 市町村の支援策はありませんか?
- 「50歳以上」 が支援対象のところもある
- CASE年齢制限なし!長野県の支援策 「新規就農の里親制度」
- 資金が足りないのですが、 借り入れはできますか?
- 実績を積めば借りられる可能性はある
- INTERVIEW成功のカギは情報収集/シニアの農業に必要なもの
- いよいよ農地が必要になりました。むずかしいことも覚えないといけませんよね?
- 4章 情報収集のしかたを教えて!
- 3部 おさらいしよう
- 8章 最後の仕上げ!どんな農業人になる?
- 新規・独立自営就農と法人雇用就農、 結局どちらがよいですか?
- 最終的に目指すのは 「生き方としての農業」 か 「ガチ農業」 か
- 農業法人への就職はいわゆる転職と同じですか?
- 農業でも前職の 「知識」 「経験」 「スキル」 は活かせる
- 農業法人への転職で押さえておくこと
- 求人情報はどこで手に入れられますか?
- 求人情報の効率的な探し方
- 農業法人に応募するとき、 注意することはありますか?
- 求人情報は常にチェックしよう
- 「50歳からの農業」 これからどうなる?
- 50代が農業を始めて生まれる 「3つの好循環」
- INTERVIEW
- 50代の転職で考えた農業
- 目指すは福祉×農業
- ご縁でみつけた
- 35aの農地
- 55歳で 「農業学校1年生」 に
- 新規・独立自営就農と法人雇用就農、 結局どちらがよいですか?
- 8章 最後の仕上げ!どんな農業人になる?
- 付録ページ
- おわりに
書籍紹介
現代社会では、第二の人生を模索する人々が増えています。その中でも農業は、自然と共に生きる生活を求める多くの人々にとって魅力的な選択肢となっています。しかし、農業の世界は未知の領域であり、特に50歳を過ぎてから新たに始めるのは簡単なことではありません。そんな疑問に答える一冊です。
本書の概要
本書は、農業を全く知らない50歳以上の人々に向けて書かれた実用書です。著者の深瀬貴範さん自身も50歳を過ぎてから農業を始めた経験者であり、そのリアルな体験を基に、農業の基本から実際に取り組む際の心構えまでをわかりやすく解説しています。
主な内容と魅力
- 農業の基本知識
土壌の準備、作物の選び方、季節ごとの作業内容など、農業の基礎知識が豊富に盛り込まれています。初心者でも理解しやすいよう、専門用語は極力避け、簡単な言葉で説明されています。 - リアルな体験談
農業を始めた人の体験談がふんだんに紹介されています。農業を始めるにあたっての苦労や喜び、成功と失敗のエピソードが具体的に描かれており、読者は現実的なイメージを持つことができます。 - 具体的なアドバイス
農業を始めるにあたっての具体的なアドバイスが満載です。土地の探し方や購入のポイント、必要な道具や設備、資金計画など、実際に農業を始めるためのステップが詳細に解説されています。 - 心の準備
農業は決して楽な仕事ではありません。しかし、自然と向き合い、自分の手で作物を育てる喜びは格別です。心の準備とモチベーションの保ち方についても丁寧に述べています。
読者の声
本書を読んだ多くの読者から、「農業の魅力がよくわかった」「自分でもできるかもしれないという勇気が湧いた」といったポジティブな感想が寄せられています。特に50歳を過ぎてから新たな挑戦を考えている方々にとって、本書は心強いガイドとなることでしょう。
最後に
『難しいことはわかりませんが、50歳でも農業を始められますか?』は、年齢に関係なく新しいことに挑戦する勇気を与えてくれる一冊です。農業に興味がある方、第二の人生を考えている方はぜひ手に取ってみてください。あなたも自然と共に生きる新しい生活を始めてみませんか?
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
状況に合わせた「販売ルート」
無人販売
自宅の敷地内であれば、販売許可なしで販売できます。しかし、路上で販売する場合は保健所の許可が必要です。
購入者は通りがかった方に限られますが、売れ残った場合には自分で回収できる利点があります。また、野菜の価格を自分で設定できる点も魅力です。
注意が必要なのは、ジュースやジャムなど加工品を販売する場合は保健所の許可が必要です。また、「有機野菜」などの規格表示を使用する場合にはJASなどの認証が必要で、違反すると法律で罰せられます。
ネット販売
「食べチョク」や「ポケットマルシェ」などのフリマアプリを利用して販売する方法もあります。野菜の発送や梱包、写真の撮影などは自分で行う必要がありますが、店舗を構える必要がありません。直接消費者とやり取りできる点も魅力です。
道の駅・直売所
道の駅などでの販売は、自分で価格を設定でき、手数料も安いため利益が出やすいです。
店舗への持ち込みや袋詰め、ラベル貼りなどは自分で行う必要があります。また、ライバルが多いため、お客様に手に取ってもらうためのポップなどの工夫が必要です。
JA(農協)
販売・出荷を任せたい方に適しています。規格内の野菜に限り、卸売市場に出荷してくれますが、形が少し異なる野菜は買い取ってもらえません。販売手数料は2~3%ほどで、納品時に必要な段ボールなどを購入する必要があります。
マルシェ
レストランと提携したり、駐車場などのイベントスペースで定期的に販売する方法です。出店料がかかりますが、直接会話できるため、リピーターが増えるメリットがあります。
初心者が始めやすい露地野菜
ビニールハウスや耕作栽培、果樹の栽培はコストが高く、リスクも大きいです。これらの場合、3年間収入が得られず、その後大きな利益に繋がることもあります。
新規就農者の多くは、コストのかからない露地野菜を選びます。栽培する野菜の選び方は様々で、自分が好きな野菜や、週末農業で経験した野菜、収益性の高い野菜など、人それぞれです。
例えば、食卓に使いやすいミニトマトや、定番料理に欠かせないキャベツ、管理がしやすいサトイモなど、比較的始めやすい野菜を選ぶと良いかもしれません。
露地野菜なら1年目は400万円必要
露地野菜の場合は、費用が430万円、自己資金が240万円です。施設野菜の場合は、費用が1140万円、自己資金が320万円です。
比較すると、施設野菜の場合は参入障壁が高いのがわかります。ビニールハウスの建設費が1年目に膨大にかかるので、その分割高です。農業用具や肥料・種・苗などは共通して費用がかかります。
実績がないとお金も借りられない
日本政策金融公庫(農林水産事業本部)が提供する「青年等収納資金」という制度があります。これは、農業を始める人を支援する無利子の長期融資で、最大3700万円まで借りることができます。
ただし、融資を受けるには「認定新規就農者」である必要があり、45歳以上の方の場合、特定の知識や技能を持っていることが条件となります。
農業を始める際、実績がない場合は、まず手持ちの資金を貯めることと、現在の資金でできる範囲から農業を始めることをお勧めします。
スタート段階では、資金を借りる前に農業の技術や知識を磨き、「自分のやりたい農業」を確立することが重要です。