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目次
書籍情報
人は「口」から老化する
一生自分の口で食べるためのセルフケア

照山裕子
歯科医・歯学博士・東京科学大学非常勤講師。
世界でも専門医が少ない『顎顔面補綴』を専攻し、口腔がんの患者と歩んだ臨床体験から予防医学の重要性を提唱する。
PHP研究所
- あなたの「口」は大丈夫?
- はじめに 「口」は健康のバロメーター
- 第1章 すべての老化は「口」から始まる
- 「口」は健康の要、老化が始まりやすい場所
- 「口」は全身の健康に関わっている
- 「口」もフレイルになる
- 口が衰えると全身が衰える
- 見逃せない、歯や口の”ささいな不調”
- 3段階で進む「口の老化」
- 1 口が渇く、活舌が悪くなる、歯ぐきの腫れ、歯周病
- 2 飲み込めない、むせる、軟らかいものばかり食べる
- 3 食欲がなくなる、体力が落ちる
- コラム① 噛む力が衰えると顔の骨密度が下がる⁉
- 「口」は健康の要、老化が始まりやすい場所
- 第2章 「4つの力」が低下して口の老化が進む
- 「口」の衰えが始まる理由
- 年齢とともに低下する口の「4つの力」
- 口腔機能を調べてみよう
- 口の力①噛む力(咀嚼)
- 歯があっても筋肉が衰えると低下する
- 「噛む力」の低下は口呼吸を招く
- 口の力②舌の力(舌圧)
- 食べ物を飲み込むために必須の力
- いくつになっても鍛えられる
- 口の力③唾液量
- 年齢を重ねるごとに量が減っていく
- 唾液は「天然のシャワー」
- 口の力④飲み込む力(嚥下)
- 不足するとむせやすく、嚥下を招く
- 若い時の量やスピードで呑みこまない
- セルフケアで口の「4つの力」をキープする
- 自分でできることをコツコツと
- 歯科医院を大いに活用しよう
- コラム② 若い人の「口」も老化している
- 「口」の衰えが始まる理由
- 第3章 「口」の老化を食い止める スゴイ方法5
- 何歳からでも遅くない! 口の「4つの力」をアップする方法
- まずは1つからでも始めよう
- すべての力をよみがえらせる ①「毒出しうがい」
- お口をチェック ②「いーあー」ストレッチ
- 「舌圧」の低下を予防 ③「パタカ」
- 唾液量を確保 ④唾液腺マッサージ
- 飲み込む力を高める ⑤ごっくんトレーニング
- まずは1つからでも始めよう
- チェックしよう①舌と歯は正しい位置にある?
- チェックしよう②口内の粘膜を気にしよう
- コラム③ 気づきにくい口腔がん セルフチェックで早期発見を
- 何歳からでも遅くない! 口の「4つの力」をアップする方法
- 第4章 9割の人が間違っている口腔ケア
- あなたの歯磨き 間違っているかもしれません
- 1日最低2回、ていねいに磨く
- 正しい歯磨きは「音がしない」
- ゴシゴシ磨きは百害あって一利なし
- 「1回5分」は長い?短い?
- 歯ブラシだけでは不十分
- 家族全員同じ歯磨き剤でOK?
- 「正しい歯磨き」とは
- 自分に合った歯ブラシを選ぼう
- 歯磨きは「一筆書き」で
- フロスや歯間ブラシで「磨き残し」をフォロー
- 歯ブラシ2本使いで磨き残しをなくす
- コラム④ 歯磨きは「食後すぐ」にしてもいい?
- あなたの歯磨き 間違っているかもしれません
- 第5章 「口」が若返れば全身が若くなる
- 噛む力がアップする食事が健康寿命を支えてくれる
- きちんと噛むことで、食事がよりおいしくなる
- 歯を守る食事 WHOのルール
- 噛みごたえのある食材で「噛む力」をキープ
- 軟らかいものばかり食べるいると
- いつもの食事に「ひと噛み」をプラス
- 酢やかんきつ類のジュースは「酸蝕歯」に注意!
- 飲んだら口をゆすぐ習慣を
- コラム⑤ ペットも「口」が命?
- 噛む力がアップする食事が健康寿命を支えてくれる
- 第6章 歯科クリニックを味方につけよう
- 歯科医と上手につき合う方法
- 歯科医の賢い選び方
- 相性も大切
- 「受け身」ではなく主体的に
- 保険診療と自由診療
- 保険診療
- 人生100年時代 QOLを考えて選択を
- 虫歯のつめもの、かぶせもの
- 義歯、ブリッジ、インプラント……どれがいい?
- 毎日のケアがとても重要
- 歯科医と上手につき合う方法
- おわりに
書籍紹介
この本は、口腔ケアがいかに私たちの健康や老化に深く関わっているかを詳細に解説しています。
口は健康のバロメーター
口の状態が全身の健康状態を反映し、また影響を与えることがこの本の大きなテーマです。口元の老化が見た目の問題だけでなく、食事や会話、さらには全身の健康にも影響を与えるということは、私たちが日常生活で見落としがちな重要なポイントです。
口の老化の進行
口元の老化がどのように進行し、それが全身の老化につながるのかが具体的に説明されています。例えば、口元のシワや縦ジワ、マリオネットラインといった見た目の老化から、歯の喪失や唾液分泌の減少による機能的な問題まで、幅広く取り上げられています。特に、女性にとって口元の老化は自信喪失や社会的な活動への影響も大きいと指摘されています。
口腔ケア
本書では口腔ケアの具体的な方法も紹介されています。例えば、正しいブラッシングの方法や、デンタルフロスやマウスウォッシュの使い方、そして食事の栄養バランスまで、口腔の健康を保つための知識が満載です。著者は、日々の生活習慣を見直すことで、若々しさと健康を手に入れられると主張します。
「人は『口』から老化する」は、私たちが口腔ケアを通じて全身の健康を管理し、老化を遅らせることができるという希望を与えてくれる一冊です。専門知識と実践的なアドバイスは、読者に口の重要性を再認識させ、日々のケアに新たな視点をもたらすことでしょう。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
歯磨きのタイミング

歯磨きは基本的に毎食後に行うのが理想的ですが、何がなんでも1日3回磨く必要もありません。
歯磨きの目的は、歯に付着した食べかすをきれいに取り除くことです。虫歯菌や歯周病菌に餌を与えない習慣が大切となってきます。これらの細菌が増えると、繭のような「バイオフィルム」を形成するため、この病原性の高いバイオフィルムを持たないうちに落とす習慣をつけましょう。
朝きちんと歯を磨いていれば、昼食後に磨かなくても、夜で挽回ができます。一番重要な歯磨きは、夜寝る前の歯磨きです。ここで歯についてる汚れを丁寧に落とせば、細菌の増殖を最小限に抑えることができます。
正しい歯磨きは「音がしない」

カシャカシャゴシゴシと音を立てて歯磨きをしてしまうと、汚れが付いていない場所だけを無駄に傷つけている可能性があります。歯ブラシを大きく動かすと、歯ブラシの先端が歯と歯のあいだに入らず、強く歯に押し付けると歯ブラシの先端が動きません。歯ブラシの先端が搔きだす動きをしないため、汚れを取り除くことができないのです。
歯磨きの際に歯にかかる圧は150g~200g程度が理想的だとされています。量りがあれば、鉛筆持ちにして押し当ててみましょう。毛先が広がらない程度の感覚を覚えておくと、正しく磨けます。
また、歯ブラシだけでは不十分なので、デンタルフロスや歯間ブラシを組み合わせた口腔ケアをしましょう。
歯科医選び
歯周病の健診や虫歯の治療、歯の掃除など、歯の健康を保つために歯科クリニックをたずねることもあるでしょう。相性や院内の雰囲気があります。子ども向けだったり、忙しいビジネスマン向けだったり、自分の不安に対して回答できるようなクリニックが心地良いのではないでしょうか。
歯科医は医療の専門家ですが、患者さんの上の立場ではありません。どんどん医師に尋ねて、疑問を解消すると良いでしょう。