読書推薦人が面白かった部分を紹介します。
難しい言葉も少なく、カラーで文字も大きくて1記事がすんなり読める本になっていました。発展しような技術に興味がある方は、読んでみてください。
目次
書籍情報
タイトル
世界を変える100の技術 このディープな技術が面白い
著者
編集:日経BP
著:日経の専門誌編集長ラボ50人
出版
日経BP
エネルギー技術
古着をバイオ燃料に変換
技術成熟度 中
期待度 13.4%(2030年に期待できるか)
映画を観に近所のショッピングモールへ伺うと、頻繁にテナントが違うアパレルショップに変わっている印象を受けます。ここで紹介するのは古着を燃料に変える技術ですが、実現すれば良いなとココから思いました。飲食店やアパレルショップが増えすぎている現代に、期待ができるのではないでしょうか。
読書推薦人個人の意見としては、消費者だけではなく、個人事業主および企業から廃棄する服が利用できるともっと良いと思います。
ジェット機に化石燃料を使ってきた従来のやり方では、二酸化炭素を排出してしまいます。大豆やパーム油などの食料を原料としたバイオジェット燃料も登場しましたが、世界で食糧問題が増える中で食べものを燃料にすることへの懸念がでているのです。
2021年2月、古着約25万着から作られたバイオジェット燃料を積んだ日本航空(JRL)の羽田~福岡を結ぶ定期便JL319が運行しました。
消費者から回収した古着の面をアルカリ処理したうえで、酵素で糖化させます。アミノ酸の生成時に使われる「コリネ菌」で発行させることにより化学品イソブタノールに変換することができます。これを燃料に最適な形に適合させて、既存の燃料のケロシンとともに使用するという技術です。
この技術は、遺伝子を組み替える技術が重要になっています。好気性のコリネ菌を嫌気性のハイブリッド型に変え、増殖に使うエネルギーを化学製品生成に使えるようにすることができます。
航空業界は、2050年までに二酸化炭素排出量を半減させることを定めています。オランダやノルウェーといったヨーロッパの空港では、バイオジェット燃料の運用を始めているところもあるようです。今後は、マーケットの開拓やコスト削減が課題になってくる技術でしょう。
他にはこんなエネルギー技術も紹介されています
- e-Fue1技術 技術成熟度 中、 期待度40.3%
- トヨタ、日産、ホンダは二酸化炭素と水素の合成液体燃料の研究に力をいれており、自動車運転による二酸化炭素の排出量を減らす技術
- 藻類による炭化水素燃料 技術熟成度 中、 期待度23.8%
- 藻類培養設備の構築に努め、大量にバイオディーゼル燃料として培養する技術
- CO2フリー水素 技術熟成度 中、 期待度42.0%
- 太陽光や風力発電から水素を製造し、水素から燃料となるアンモニアなどに合成する技術
- エネルギーハーベスティング 技術成熟度 中、 期待度12.2%
- モーターなどの振動から発電する、MEMS振動発電素子の進歩について
- 潮流発電 技術成熟度 中、 期待度13.4%
- 海の波がもつ大きなエネルギーを使って発電するシステムの規模が拡大
- 小型モジュール炉 技術成熟度 中、期待度19.3%
- SMRは原子炉を小型にしたもので、出力が小さく柔軟に電力需要にこたえられるようになる。また自然冷却が可能とされている
- CCS/CCUS 技術成熟度 高、期待度38.5%
- 二酸化炭素の格納技術
- 二酸化炭素直接空気回収 技術熟成度 中、期待度22.0%
- CARS-αひやっしー のこと。家庭用で使う、小型の二酸化炭素回収機器
- 人工光合成 技術熟成度 中、 期待度29.3%
- 太陽電池を使って、酸化電極を用いて観ずを分解し、二酸化炭素からギ酸を合成する
- 水素タービン 技術成熟度 中、期待度25.4%
- 三菱パワーは2025年の水素だけを燃焼させるガスタービンの実現化を目指している
- 水素の大量輸送 技術成熟度 高、期待度44.3%
- 水素の輸送ビジネスの話
- ポストLiイオン電池 技術熟練度 中、期待度28.8%
- Liイオン2次電池に変わる次世代のリチウム硫黄2次電池の実用化が間近に迫る
- ベータボルタ電池 技術成熟度 中、期待度7.9%
- 放射性同位元素の中には反撃が数千年のものもあり、この仕組みを利用する原子力電池は100年以上利用することができる
- ペロブスカイト太陽電池 技術成熟度 中、期待度11.7%
- うすく、曲げたりできる太陽電池のこと
ヘルスケア
VRによる認知症教育
技術成熟度 高
期待度 8.3%(2030年に期待できるか)
介護職員の教育に開発されたVRとのこと。初任者研修や実務者研修のときに、眠くなるビデオの研修はあると思います。ゲームのように追体験できるようになると、履修時間の長い介護研修も有意義なものになるのではないでしょうか。
これだけ勉強しなければならない職業なのに、キツく、リスクが高く、賃金が安いのだろうと思います。
今のところVRでも視界の端があり、真面目な内容に没入感を持たせるのはちょっと難しいのではないかと感じます。VRも進化していくと思いますので、それと同じくしてVR学習も発展してほしいと思います。
サービス付き高齢者向け住宅「銀木犀」では、終末期ケアに関する研修を受講させ、さらにゴーグル型の仮想現実VRデバイスを用いた研修も行っています。
認知症の症状をVRで体験し、入居者の不安を感じてもらうきっかけをえられるというのです。
認知症以外にも、高齢者の救急体験などの別バージョンも存在し、いろんなケースを一人称で体験できます。
他のIT+ヘルスケアも紹介されています
- AI医療 技術成熟度…高、期待度35.2%
- 心電図や内視鏡検査の異常を機械的に検出するのは、人間よりAIのが得意かもしれない。AIに学習させ、正診率97%という精度を達成している
- 国産医療ロボット 技術成熟度…高、期待度30.7%
- 手術支援ロボット「hinotori」が2020年8月、国産ロボットとして製造販売承認を得た
- ウェブ問診 技術成熟度…高、期待度12.6%
- 来院前に問診票をアプリで簡単に入力してもらうことで、待合室にいる時間を短縮できるなどをサービス。患者の聴取を長くとれるなどのメリットもある
- BMI医療応用 技術成熟度…中、期待度11.2%
- 頭蓋骨と脳の間に複数の伝教が搭載されたシートを置き、そこから脳活動を計測する。脳に直接電極を差し込みタイプとほぼうなじ精度が得られつつある
- 治療用アプリ 技術成熟度…高、期待度15.2%
- 「タバコを吸いたくなった」と入力すると、「ガムをかみましょう」と患者の体調や治療状況に合わせて提案してくれるアプリケーション
- 遠隔リハビリ 技術成熟度…高、期待度14.4%
- エクササイズに使うようなバイクマシーンをリハビリ用に開発し、モニターをすることでリアルタイムに指導ができる
- 可食ロボット 技術成熟度…中、期待度8.4%
- 人間が消化できてロボットの部品として扱えるゼラチンがある。このような素材を使って、衛生的な食品加工ができるのではないか
- AI不妊治療支援 技術成熟度…中、期待度7.5%
- 良質な精子をAIが判断して、不妊治療の成功率を高める
- 視野に画像重ねるスマートコンタクト 技術成熟度…中、期待度10.0%
- 超小型ディスプレイ、目の動きを感知するセンサー、超小型電池を搭載するコンタクトレンズを医療機器として開発中
- mRNAワクチン 技術成熟度…中、期待度14.5%
- 感染症用のワクチンとしてだけでなく、抗体医薬をはじめとするたんぱく質性の医薬品に代わる
- Muse細胞 技術成熟度…中、期待度9.8%
- 腫瘍ができる危険性が非常に少なく投与できる細胞
- 画像を使う非侵襲ヘルスチェック 技術成熟度…中、期待度9.5%
- ファッション業界向けに開発された児童採寸技術がヘルスケアでつかわれつつある
- 住宅/衣服センシング 技術成熟度…中、期待度8.0%
- 居室内の非接触センサーで、脳卒中などの急性疾患の発症を検知する
- 腸活センシング 技術成熟度…中、期待度6.4%
- 簡易的な小型のデバイスを便座に取り付けて、便臭から腸内環境の傾向を把握する
- がんスクリーニング 技術成熟度…中、期待度28.6%
- マイクロRNAを使って、初期のがん細胞から分泌される物質を分析する技術の実用化を目指している
- 血液1滴でアレルギー検査 技術成熟度…中、期待度15.9%
- 1滴の血液で最大約100種類の物質に対するアレルギー検査ができる、バイオチップを開発した
IT
3次元都市モデル
技術成熟度…中
期待度12.5%(2030年に期待できるか)
ダウンロードすれば誰でも都市の様子が3Dで見れるというものです。本書では災害時の避難に使用することが書かれています。建物の高さや道路のあり方などが情報としてありますので、未来の渋谷の形などを想像してみるのも面白いと思いました。
3次元都市モデルを整備するプロジェクト「PLATEAU(プラトー)」の成果として2021年3月、全国56都市のモデルが整備されました。プラトーは国土交通省のプロジェクトです。
一連のデータは社会基盤情報流通推進協議会のG空間情報センターから誰でもダウンロードできます。都市の形状を再現するモデルに、建物や街路の用途や高さといった意味を示す情報を統合します。
3次元都市モデルは防災に役立つという期待があります。国土交通省は、バーチャル避難訓練とドローン物流ルートを一例として紹介したのです。都市モデルに屋上をつなげた仮想空間を実現し、災害時の混雑状況や適切な避難ルートをシミュレートします。築年数が経って崩壊しそうなビルを避けながら非難するツールも用意されています。
ドローンにAIを搭載し学習させることで、安定していて現場にいくまでのルートを軽減させることができる見通しです。
他のIT技術も紹介されています
- 量子暗号通信 技術成熟度…中、期待度21.7%
- 暗号キーを量子に乗せて送ることで、盗み見ることを不可能にする
- 量子コンピュータークラウド 技術成熟度…中、期待度36.0%
- 日本でも2022年に量子コンピューターがクラウドサービスとして利用できる計画
- 自然言語処理 技術成熟度…高、期待度13.2%
- 本物の人と話しているかのように、コンピューターが自然に話してくれる
- AIによる文字起こし 技術成熟度…高、期待度4.2%
- 議事録などの音声データを文章に起こす、精度も高く1時間の内容を5分で翻訳できる
- AI音声サービス 技術成熟度…高、期待度15.6%
- 文章を自分の声そっくりに、滑らかに読み上がる
- デジタルツイン 技術成熟度…中、期待度4.5%
- 都市の交通インフラなどを、リアルタイムの人のデータを集めてサイバー空間で再現する
- レトロフィットIoT 技術成熟度…高、期待度7.3%
- 長年使っているコンピューターを今の製造ラインに合わせて運用する
ライフ&ワーク
分身ロボット
技術成熟度 高
期待度 23.1%(2030年に期待できるか)
遠隔操作して、自分の代わりに現地で働いてくれるロボットです。家からロボットを操作して、代わりにロボットが働いてくれるというのです。
表情や表現という人らしい部分が仕事にいらないのであれば、ロボットを取り入れて通勤する必要がなくなるということなのでしょう。居場所に関係なく雇えるというのは、ある意味メリットなのかもしれません。
オリィ研究所が開発した分身とぼっと「OriHime」はパソコンやスマートフォンの専用アプリで遠隔操作ができます。
分身ロボットを使って働きたい人と雇用した企業をマッチングする支援をオリィ研究所は始めています。
走行する分身、会議にでる分身とそれぞれ場合わけしたロボットがあるようです。
他のライフワーク技術も紹介されています
- NFT(非代替性トークン) 技術成熟度…高、期待度5.7%
- デジタルアート作品に所有者の情報を持たせて、絵の所持者としての証明につかわれる
- デジタル証券 技術成熟度…高、期待度3.4%
- 安全性が高いブロックチェーン技術を使って、有価証券のとりひきができる
- デジタル外食 技術成熟度…高、期待度2.3%
- 外食店でスマートフォンから注文し、支払いも同時に行う
- 幸福度計測 技術成熟度…高、期待度3.4%
- 無意識の筋肉の動きを察知して、緊張や幸福といったものをパラメータ化する
- リバティー(住みやすさ)指標 技術成熟度…中、期待度5.7%
- 公共の施設や治安といった社会の部分、環境や教育といった精神の部分、自然や医療といった身体に関わる部分を地域のデータとして可視化する
- ピープルアナリティクス 技術成熟度…高、期待度6.1%
- 従業員の特徴をデータで把握して、社員のモチベーションを向上させる事例がでてきている
- 配膳ロボット 技術成熟度…高、期待度4.2%
- ソフトバンクロボティクスなどの配膳ロボットが飲食店に導入されてきている
- 空間音響MR 技術成熟度…高、期待度1.4%
- 周りの雑多な環境音から、特定の音を聞こえるようにできる
- 空間共有コンテンツ視聴 技術成熟度…高、期待度9.8%
- 大型のスクリーンに等身大で投影し、離れた友人と同じ空間にいるかのような会談ができる
- 接触家電 技術成熟度…中、期待度10.3%
- 触覚を再現して、リモートでのハイタッチを実現する
マテリアル&フード
培養肉
技術成熟度…中
期待度17.4%(2030年に期待できるか)
ステーキなどを細胞から培養するとのことです。業務スーパーのセール品に培養肉~kgと書かれたものが、様々なサイズごとに並ぶ光景を想像してしまいました。
料理をする上でサイズ感が均等なのであれば、むしろ便利で旨いものが作れるのではないでしょうか。
日本では日清食品ホールディングスが培養肉づくりに挑んでいます。なんと培養するお肉は固まりのステーキ肉です。すでに1センチメートル四方の培養肉をつくることは成功しています。
牛から採取した細胞を培養して増やします。増えた細胞を鋳型のようなシャーレに置き、厚さ2ミリメートルの薄い肉のもとをつくります。これを培養液の中で積層し、筋繊維に近い肉の塊にしていくのです。
本物に近い味付けと大きさを目指し、将来では自動生成を目指しています。
他にも素材の技術について紹介されています。
- バイオプリンティング 技術成熟度…中、期待度8.7%
- 人口の心臓や肺などの臓器、血管を3Dプリンターでつくる
- 水素還元製鉄 技術成熟度…中、期待度21.8%
- 水槽を大量に含んだガスを高炉に直接服込み、二酸化炭素の排出を減らす
- バイオプラスチック 技術成熟度…中、期待度20.3%
- 石油由来のプラスチックび代替品に、ミドリムシからとれるパラレジンという原料を使用する
- マテリアルズインフォマティクス 技術成熟度…高、期待度4.1%
- 材料の組み合わせや合成条件をAIに楽手させることで、開発を大きく向上させられる
- サーモンの陸上養殖 技術成熟度…中、期待度4.6%
- 人工海水をバクテリアでろ過し、水槽で1万トンのサーモンを養殖させる
- 太陽光で自家発電する歩道 技術成熟度…高、期待度13.9%
- 太陽光で自家活電した歩道は、夜に地面をライトアップして広告まで表示する
- 二酸化炭素を減らせるコンクリート 技術成熟度…高、期待度14.8%
- 二酸化炭素うを原料とした炭酸カルシウムの粉末をコンクリートに混ぜることで、製造で排出される二酸化炭素の量を削減する
- 自己治癒コンクリート 技術成熟度…中、期待度14.4%
- コンクリートの中にバクテリアを住まわせて、雨などでひび割れてしまったところを自動で修復する
- 木材/ペットボトルによるアスファルト舗装 技術成熟度…中、期待度9.2%
- 廃棄物をリサイクルして、アスファルトの舗装に使われる
- セメントを用いず砂同士を接着 技術成熟度…中、期待度3.8%
- 砂の主成分の二酸化ケイ素とアルコールを反応させ接着剤のような働きをさせる
トランスポーテーション
再利用型ロケット
技術成熟度…中
期待度 23.5%(2030年に期待できるか)
地球の周りの宇宙には、かなりの数のゴミが存在しています。もし、ロケットが繰り返し使えるようになれば、地上どうようにモラルとして宇宙にゴミを捨てなくなるのではないでしょうか。
着陸のコントロールが格段に上がるということですから、かなりできることを増やせるはずです。各国それぞれ、開発に力をいれてロマンを広げていって下さい。
日本は再回収型実験ロケット「RV-X」を開発してきた。1998年からは実験機RVTを使った飛行試験を開始し、100回程度飛行できる耐久力と4時間以内の再飛行ができる目標を2015年に達成しています。
最速で物事が進んでも日米の主力ロケットが再利用能力をもつのは、2030年ごろになりそうです。
他にも移動運搬技術が紹介されています
- 自動運転レベル3 技術成熟度…中、期待度24.4%
- 高速道路の渋滞時に自動運転機能を提供するようになった
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