目次
書籍情報
タイトル
ゼロ秒思考 即断即決、即実行のトレーニング 行動編
著者:赤羽雄二
東京大学工学部を1978年に卒業後、小松製作所で建設現場用ダンプトラックの設計・開発に携わる。1983年よりスタンフォード大学大学院に留学し、機械工学修士、修士上級過程を修了。1986年、マッキンゼーに入社。経営戦略の立案と実行支援、新組織の設計と導入、マーケティング、新事業立ち上げなど多数のプロジェクトをリード。1990年にはマッキンゼーソウルオフィスをゼロから立ち上げ、120名強に成長させる原動力とともに、韓国企業、特にLGグループの世界的な躍進を支えた。2002年、「日本初の世界的ベンチャー」を1社でも多く生み出すことを使命としてブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業。最近は、大企業の経営改革、経営人材育成、新事業創出、オープンイノベーションにも積極的に取り組んでいる。著書に『ゼロ秒思考』『速さは全てを解決する』(ダイヤモンド社)、『マンガでわかる!マッキンゼー式ロジカルシンキング』(宝島社)がある。
巻末より抜粋
出版
ダイヤモンド社
内容
「ゼロ秒思考」シリーズの第3弾
第3弾は「決断力」と「実行力」のトレーニングを紹介する書籍となっています。
やりたいことはあるけれども、ためらってしまう、迷ってしまう、なかなか行動に移せない…そんな人がいます。情報が足りない気がして一歩踏み出すことが怖いのです。
暗闇の中でライトも付けずに、自転車で目の前の道に向かって漕ぎ出すことはできません。
本書では、道に落ちている障害物を取り除くトレーニングと道を明るく照らすノウハウを記し、常にゴールまでの道筋が見える様にお手伝いをしてくれます。
記された2つのトレーニングを積んでいけば、ゴールまでの全体像が見えてくるようになり、途中の問題点があきらかになります。
ゴールまでの道のりが見えていて障害物がないに、自転車のペダルを漕ぎだせない人がいるでしょうか?
さあ、即断即決、即実行のトレーニングをやってみましょう!
第1弾の解説はコチラ
頭のもやもたをなくす。「メモ書き」のやり方を紹介
第2弾の解説はコチラ
著者の赤羽雄二さんが実践する仕事が早くなるノウハウを詰め込んだ一冊
即実行を妨げる心理的ブロック
なかなか決断できないのは、下記のような心理的ブロックがあるからだと、著者は考えています。
すぐ頭がいっぱいになる
- 決断するときになっても、過去の失敗が走馬灯のように浮かび上がってくる
- あれもしなければ、これもしなければ
予定をかえることが不安で、何もかも決めておきたい
- 詳細な計画を立てる、選択肢を出し過ぎる人
- やってみなければ、わからないことも多い
- 動き始めてから考えたほうがよいかもしれないとか、そういう発想がない
- 環境の変化、複雑さに対して弱い
人に依頼すること、頼ることが面倒、不安
- 仕事を素早く円滑に進めるには、他の人にうまく依頼し頼ることが重要
- 1人でしか仕事ができない、仲間ができても長続きしないという人がいる
- 人に頼んだり頼らなければならないところで、いちいちストップしてしまう
- 面倒、不安という気持ちだと誰も支えてくれなくなる
選択しを出し切らないと不安
- 来週になればどうなるか、来月、来年と、先延ばしにしているにすぎない
- これも、行動をしてみないとわからないことが多いのに
- 比較的どうでもよい些細な点にこだわる
- そうこうしているうちに、競合企業に事業のチャンスを奪われることになるが、なぜか気にしない
失敗したらどうしよう、と悩む
- 失敗することも同然ある
- 1度や2度は必ず失敗するといってよい
- 失敗から学び、成功するキッカケとなる
- ぜひ、悩むくらいならやってほしい
即断即決、即実行に拒否感、アレルギーがある
- 即実行がアリエナイと感じる人
- 1日態依然とした企業では、新しいタイプの行動スタイルは周囲に不安を呼び起こす
- 今までにない、他人に迷惑、失敗したら誰が責任をとるんだと言い出す人
- できる限り早く仕事をこなした方がPDCAのサイクルを何回も回すことができるので、リスクを下げることができるのに
わかっていても動けない
- 気持ちが動かない、割り切ることができない
- 頭でわかっていても、体力がついてこない
- グズグズしてしまう
- これが一番厄介
サイト管理人
皆さんも心当たりがあるのでは?
即断即決、即実行のメリット
即断即決、即実行すると先手を打てる
- 先にはなしてくれたほうが、好感をってくれる
PDCAを速く回せる
- 修正しやすく、計画の立て方なども2回目以降からかなり速くなる
生産性が上がる
- 一部でも即断即決、即実行をし始めると、仕事のテンポが上がる
- 仕事の苦痛、ストレスだとかではなく、楽しくなる
周囲から信頼される
部下もつられて素早く動く
- 部下の高度を制限するものが無くなる
- 部下の無駄な動きが減る
- 顔色を伺いながら、上司に合わせて仕事をすることがない
組織全体が活気づく
- 部下の行動も上がり、チームの生産性が上がる
- 組織全体がスピードに乗り、問題点に対して柔軟になる
- 素早く動かないメンバーは取り残されてしまう
即断即決、即実行を行えるようにするためには、全体を見通せている必要がある。
全体観をもつために、著者は2つのトレーニングを提示しています。
トレーニング1.オプション
オプションとは選択肢のこと
大事な分岐点が迫っている時に、大切な選択肢を漏らさずに評価し、決断に繋げるメソッドです。
オプションのやり方
使用例
上記の図で説明すると、年末年始の過ごし方に対して、選択肢をだしている。
選択肢を素早く適切に挙げるコツ
- まずは思い込みを排除し、最大限に考える
- 本当の目的と制限にしたがって絞り込む
- 目的が店舗の全国展開だとしたら、制限は第一歩目としてどうかという限定的な標準で考える
- 全体観を周囲の意見に注意して見直す
- 年末年始の例えで考えると、妻や子供は赤い点線で囲った部分の旅行に行きたいという思いがあったことから国内旅行と海外旅行の選択肢を増えた
オプションを評価する
4~5の評価基準を決める
- 上記の例でいうと、「親孝行」「楽しさ」「新しさ」「費用」の4つとなる
チームに関わる決定をする際のルール
- 参加者全員が納得できる評価基準をリストアップする
- 決まったら文句を言わずに実行する
オプションは「◎〇△✖」で評価する
- 「◎〇△✖」という評価感覚をほとんどの人がもっていて、それほど違わない
- 日本人特有の感覚であることも理解しておこう
- ◎は4点などの評価点をつける
- 評価点の合計を基に最終判断ができる
オプションを練習しよう
オプションのオススメ
- A4用紙でできるだけ事前にフォーマットを用意しておく
- ちょっとでも迷うことがあれば印刷して使う
- オプション評価の例を蓄積していくことで、他の人がマネしやすかったり、オプションへのハードルを下げることができる
- 毎日4つずつオプションの立案の練習をする(A4用紙1つに4つ書く)
オプションの練習用紙
トレーニング2.フレームワーク
対象を分類して、どう問題なのかを明確にすることで、「何か見落としているかもしれない」という心配をなくすトレーニングです。
フレームワークはマッキンゼーのトレーニングセッションでも紹介されている効果的な手法です。
フレームワークの使い方
縦軸と横軸に異なる2つの項目をラベルにし、問題点を箱の中に当てはめていくというもの。
2×2がオススメ。一番スッキリする。
サイト管理人
人間同士の話し合いも3人以上ですると、途端に効率が悪くなると言っている人もいるし、頭のなかを整頓させる目的なら、2×2だね。
フレームワークを使いこなす
フレームワークのポイント
- 何を整理しようとしているか
- 整理するものを、どういう軸でわけると最も意味があるのか
- 優先順位 → 「重要度」「緊急度」
- 読みたい本 → 「本か雑誌か」「読む目的」
- 2×2に分けたとき、縦軸・横軸それぞれの2つの箱のラベルは適切か
- 「主に趣味」 → 「今のニーズ」「将来に向かた読書」などに変えられないか
- 4つの箱それぞれに適切な内容を記入することができるか
- シックリくるかどうか
- タイトル・軸・ラベル・分類した内容の間で齟齬がないか
- 一か所を直すと、別の場所にも影響してくる
- 全体像をつかみ、ブレないように固めていく
- 全体として有用なのか
フレームワークの使い方をレベルアップしていこう
- レベル1 フレームワークをその場で何とか作れるようになる
- レベル2 フレームワークが瞬時に浮かぶ
- レベル3 フレームワークを使いこなす
会議で意見・立場の違いを整理できたり、企画・提案の課題・現象を整理できるようになります。
フレームワークのトレーニング
- A4用紙を横にして使用する
- 上記のような2×2を6つ表記したテンプレートをあらかじめ用意しておく
- 一日一回このテンプレートを印刷して積み重ねていく
- これは、著者の経験則、慣れるしかない、練習あるのみ
- フレームワーク習得のためのA4「メモ書き」をするのも効果的
- フレームワークのイメージを数ページ書く、(フォーマットは守る)自由でいい、のびのびやろう
- そのうえで、最終形のフレームワークを1ページ書く
さまざまなフレームワークを使いこなす
優先順位付け
練習で行うのはこのフレームワークの2×2です。
ビジネスシステム
仕事の流れを時系列で表現します。
相互に関係する構成要素
大事な3,4つの要素を表現します。
達成のステップ
何らかのゴールを目指すことを表現します。
提案理由の整理
新事業の機会と経営資源上の制約から、成長シナリオに対してどういう意味があるかを表現します。
FAW
各方面からどういう力が働いているかを表現します。
相互の因果関係
ビジネスや組織上の相互関係をうまく表現します。
問題から原因を突き止め、解決策を練り具体的な案を表現します。
即断即決、即実行のリスク
即断即決、即実行のリスクと注意点
- 特に最初のうちは拙速により、仕事の質が下がりクレームになる
- 考えずに突っ走るメンバーが出てきて、クレームになる
- 絶対に上から目線にならず、丁寧にコーチングしてあげるのがいい
即題即決、即実行しづらいのはどんなとき?
土地勘が全くないとき
- 詳しい人を見つけて聞いてみる オススメ
- 日頃から人脈を作ることが効果的
- 本気で努力していれば、教えてあげようという人が必ず出てくる
いま決めなくてもいいとき
- 考えておくのは何の害もない
- 先回りして考えておくと好循環も生み出しやすい
- 仕事はじめのときに考えて習慣化しておくと、負担にならずに、仕事が楽しくなる
利害関係者が多いとき
判断ミスをして、挽回できそうもないとき
- 自分なりのシナリオは考えておこう
- 3ケースの用意が効果的
- 一番ありそうなケース
- かなりよいケース
- かなりまずいケース
即断即決、即実行のリスクを回避するには
- 普段から朝晩の30分程度、気になる分野の情報収集にあてる
- 土地勘がなければ、詳しそうな人にメールなり電話なり資料を送ってもらうなどする
- オプション立案と評価、フレームワークでの整理の習慣をつけておく
- 常にバックアッププランを考え、準備しておく
- 普段からい迅速に動ける少人数のチームを選抜・育成しておく
「メモ書き」「オプション」「フレームワーク」をやってみた
日記やメモを書く習慣の無かった方は、「メモ書き」を実践すると頭がスッキリする感覚を実感していただけます。
オプションも選択肢に迷った時にいいかもしれません。主婦のみなさんは毎日の献立にも使えるかもしれません。非常に分かりやすい。「メモ書き」より、スラスラ書ける印象がありました。
フレームワーク…これは、難しい。マッキンゼーの壁、ここにあり。フレームワークに関しては著者もスグにはできるようにならないと書いてありますし、重要な問題を精査して全体像をつかみ、自転車通行する道路にゴミがない状態にするには練習するしかないみたいです。
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