
発売日 2025年4月25日
ページ数
ISSN 0286-0651
もくじ
- FOCUS
- うるさくない超音速飛行機
- 人類最古の骨製道具
- 気候変動が人工衛星を減らすおそれ
- 火星をおおう赤いちりの正体
- 新型コロナ後遺症の新たな治療法
- 「超固体」の新しい生 成法
- From 朝日新聞
- ピアニストの限界突破法を開発
- 120年謎の難問パズル解明
- 死者29万人超、全壊235万棟 南海トラフ地震で新たな被害想定
- 第1特集 Newton Special 数学は宇宙の真理なのか? 宇宙×数学
- 監修 村山 斉
- 執筆 尾崎太一
- ガリレオは「宇宙という書物は数学という言葉で書かれて いる」と書き残した。宇宙と数学にはどのようなつながり があるのだろうか? 両者の神秘的なむすびつきにせまっていこう。
- 新連載 挑戦者 柴田正輝 恐竜学に挑む 福井で恐竜を研究する ことに意味がある
- 聞き手 森久美子 (編集部)
- 2025年4月,福井県立大学に日本初となる恐竜学部が誕生した。恐竜学部に着任した柴田正輝教授に,恐竜学研究の魅力を伺った。
- Nature View 巨大断層が生んだ世界の絶景 地球の鼓動を伝える大地溝帯・火山・湖
- 監修 遠田晋次
- 執筆 山田久美
- 巨大な断層は、大地を引き裂くだ けでなく、火山や太古から存在す る湖もつくる。 巨大断層や断層が つくる絶景とともに、断層ができ るメカニズムを紹介していこう。
- 第2特集 Newton Special 資源の「かたより」はなぜ生じる「資源」の世界地図2025
- 監修 柴山 敦/千代延俊/三島望/村上賢治/渡辺寧
- 執筆 梶原子
- 半導体などの新興産業や探査や採掘技術の進展によって 「資源の世界地図」 は今この瞬間も変わりつつある。 石油 や天然ガス, レアメタルなどの重要な資源を厳選し、そ れぞれの主要な生産国や成因を科学的に解説する。
- 小惑星衝突そのとき何がおきるか 地球のまわりは危険な小惑星だらけ。天体衝突から地球を守る方法とは
- 協力 吉川 真
- 執筆中野太郎
- 小惑星「2024YR」の衝突確率に世界が注目した。小惑星の地球への衝突に対して、私たち人類はどんなそなえをしているのだろうか?専門家に話を聞いた。
- 世界一美しいプラズマ図鑑 宇宙や大気をいろどる美しいガス
- 監修 岩井一正
- 執筆 小谷太郎
- 宇宙にある物質の99%以上は「プラズマ」とよばれる特殊なガス状の状態にある。 プラズマの美しい画像と,宇宙や地球を取り巻くプラズマを解説しよう。
- 半導体はAI をどう進化させるか 「エッジAI」と「AI半導体」が,スマホや自動車, ロボットを賢くする
- 監修 内山邦男
- 執筆 福田伊佐央
- 進化をつづけるAI (人工知能)。それを裏で支えているのが高性能な半導体だ。半導体とAIの進化は, たがいにどのような影響をおよぼすのだろうか?
- Nature View グルメな鳥たち 食性から見えてくる 鳥たちの意外な姿
- 監修 小宮輝之
- 執筆 薬袋摩耶
- 鳥の姿は多種多様だが、食べるものも花の蜜や昆虫 魚などとさまざまだ。くちばしの形はえさに合 わせた形になっている。鳥たちの食事のようすをのぞいてみよう。
目次
Focus
気候変動が人工衛星を減らすおそれ
ジャンル:地学
出典 Greenhouse gases reduce the satellite carrying capacityu of low Earth orbit,
Nature Sustainability,2025年3月10日
大気の温室効果ガスの濃度が上がると、高度100~1000㎞にある大気領域(熱圏)は、冷却が進みます。大気が収縮して大気密度が下がるのです。その結果、運用がおわった人工衛星などの宇宙ゴミが軌道上にとどまりやすくなります。
アメリカ、マサチューセッツ工科大学のパーカー博士らは、二酸化炭素の排出量増加による熱圏への影響を解析し、低軌道を周回できる人工衛星の数を予測しました。予測した結果、今の半分以上が2100年に周回できなくなることが判明したようです。
通信衛星の打ち上げを増大しているいま、持続的な衛星軌道を保つためには、地表の環境変動も管理していく必要もあるようです。
宇宙×数学
監修:村山斉
執筆者:尾崎太一
宇宙人はピタゴラスの定理を理解できるのか?
「宇宙は普遍的な言語です。宇宙人が宇宙を理解しようと思ったら、数学が必要になります。同じ宇宙にいる以上、その言語はある程度同じになるはずです。基本的な数学の概念はおそらく共通でしょう」(村山教授)
地面に直角三角形を描き、「\(a^2+b^2=c^2\)」(ピタゴラスの定理)の法則を示せれば、宇宙人は理解できると村山教授は考えています。図解などを使って、簡単な会話することは可能かもしれません。
半導体はAIをどう進化させるか
監修:内山邦男
執筆者:福田伊佐央
ゲーム機からAIへ エヌビディアの歴史
2016年、エヌビディアはAI向けの製品開発に注力することを表明しました。GPUやAIを使用するソフトウェアの開発を積極的に進めています。
エヌビディアの売上を部門別にみてみると、ゲーム市場向けの製品が長らく1位でした。2023年度にはAI向けのGPUなどの売上がゲーム市場向けを抜き去り1位となっています。
AI向けのGPUで売り上げを伸ばしたエヌビディアは株価も休息にあげて話題になりました。時価総額は3.3兆ドルを超えて、マイクロソフトを抜いて時価総額1位の企業にのぼりつめたのです。