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目次
書籍情報
ビジネス心理学大全
榎本博明
心理学博士。
MP人間科学研究所代表。
日経ビジネス人文庫
- はじめに
- chapter1 モチベーションの心理学 どうしたらやる気が高まるのか?
- 失敗談の思わぬ効果
- 上方比較・下方比較
- できる人をさらに活かすためには?
- 成功追求動機・失敗回避動機
- マニュアル化と創意工夫のバランス
- 自律欲求
- 給与以外に心を引き留める手法
- 成長欲求
- イキイキと仕事をするには?
- 意味への意志
- 職場の雰囲気を盛り上げるには?
- 社会的使命感
- さらに活気のある職場づくりのために
- 職務充実
- お金のためだけでない働き方
- 外発的動機づけ・内発的動機づけ
- なぜ好きが嫌いになってしまうのか
- アンダーマイニング効果
- 言い訳する社員への対応
- 内的税制型。外的镜制型
- 失敗ですごく落ち込む人への対処法
- 原因帰属
- 失敗談の思わぬ効果
- chapter2 人事評価の心理学 どうしたらその不満を解消できるのか?
- 成果主義だけで測れない能力
- 評価次元の明確化
- 人間はいかに思い込みで人を評価しているか?
- 気分一致効果
- 自分の過大評価が誤解を生む
- ポジティブ・イリュージョン
- なぜ能力の低い人ほど自分を過大評価する?
- ダニング=クルーガー効果
- 年功賃金は完全に悪なのか?
- 成果主義、努力主義、平等主義
- 日本社会は甘いのか?
- 母性原理・父性原理
- 評価をうまく使おう
- 相対評価・絶対評価・個人内評価
- ミスをしないことが一番大事なのか?
- 加点法・減点法
- 最善を尽くすだけでいいのか?
- 目標設定理論
- 無意味な数値化が横行してないか?
- 天井効果
- 成果主義だけで測れない能力
- chapter3 職場の人間関係の心理学 どうしたらややこしさを切り抜けられるか?
- 手柄を奪う人の心理とは?
- 利己的帰属
- 自信のない上司への対処法
- 見下され不安
- 5つの心の偏りを知る
- エゴグラム
- ウケ狙いの人は通用するのか?
- コミュニケーション力の6因子
- ロジカルで通じない理由とは?
- 情緒的コミュニケーション
- ずうずうしい人の心理とは?
- 自己モニタリング
- 被害者意識はなぜ生じるのか?
- 敵意帰属バイアス
- 自分が特別だと思う人の心理とは?
- 自己愛性人格障害
- 「人の不幸は蜜の味」なのか?
- シャーデンフロイデ
- 共通点が多いほうが親しくなれるのか?
- 認知的バランス理論
- 手柄を奪う人の心理とは?
- chapter4 リーダーシップの心理学 集団をうまく引っ張るには?
- ついていきたいと思う人間像とは?
- 影響力の基盤
- すぐに反発する部下への対処は?
- 承認欲求
- できる人は任せっぱなしでいい?
- 関係性欲求
- 都合の悪い情報を見ない心理とは?
- 確証バイアス
- 目標達成と集団維持のバランス
- PM理論
- 会社の成長時期で求められるものが異なる
- リーダーシップのライフサイクル論
- 激動の時代にふさわしいスタイルとは?
- 変革型リーダーシップ
- 期待することで人はこんなにも変われる
- ピグマリオン効果
- ついていきたいと思う人間像とは?
- chapter5 マーケティングの心理学 どうしたら売上げを伸ばすことができるか?
- 無駄遣いをしてしまうのはなぜか?
- 心理的財布·心的会計
- こだわりの個人差を整理するには?
- 多属性態度モデル
- すぐ欲しいと思う人の心理とは?
- 現在志向バイアス
- なぜ得よりも損を気にしてしまうのか?
- 損失回避
- 好みの違いに対応するには?
- セグメンテーション
- 自分たちの強みをどう作るか?
- ポジショニング
- 苦情を味方につけるには?
- リカバリー・パラドクス
- 否定的な情報はなぜ伝わりやすいのか?
- 口コミ効果
- 無駄遣いをしてしまうのはなぜか?
書籍紹介
ビジネスのさまざまな場面で活用できる心理学の知識をまとめた一冊です。日経ビジネス人文庫から出版されており、その内容はビジネスパーソンにとって非常に有益なものとなっています。
シチュエーション別の具体例
心理学がビジネスシーンでどのように役立つかを具体的に解説しています。仕事場での人間関係、部下や上司とのコミュニケーション、さらには自己啓発やリーダーシップの向上など、ビジネスに関わるあらゆる要素が心理学の視点から分析されています。特に、モチベーションの管理や問題解決の方法、交渉術やチームビルディングの心理戦略などが詳述されています。
人間の真理を理解する重要性
読み進めると、榎本氏の深い知識と洞察力が際立ちます。彼の学術的なバックグラウンドからくる心理学の理論が、具体的なビジネスケースに適用されており、読者は理論を実践に結びつけるヒントを得ることができます。しかし、一部では期待したほど実用的でないという意見もあります。例えば、ビジネス心理学の応用に焦点を当てた実際の解決策や対策が少ないと感じる読者もいるようです。その代わり、心理学者としての榎本氏の視点から、人間の心理を理解することの重要性が強調されています。
少し学術的な側面もある
読み進めると、榎本氏の深い知識と洞察力が際立ちます。彼の学術的なバックグラウンドからくる心理学の理論が、具体的なビジネスケースに適用されており、読者は理論を実践に結びつけるヒントを得ることができます。しかし、一部では期待したほど実用的でないという意見もあります。例えば、ビジネス心理学の応用に焦点を当てた実際の解決策や対策が少ないと感じる読者もいるようです。その代わり、心理学者としての榎本氏の視点から、人間の心理を理解することの重要性が強調されています。
ビジネスの背景にある心理的な力学を理解し、自身の行動や他者との関わり方を再考する機会を提供する書籍であり、ビジネスマン、またビジネスウーマンにとって有意義な一冊であることは間違いありません。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
ミスをしないこと
ミスをしないように気をつける慎重さは、日本の伝統でもあり、日本人の仕事の正確さや丁寧さはその慎重さの賜物と言ってよいでしょう。ただし、前例のない時代はどの業界でも生じるうえ、変化への対応も必須です。
激動の時代には、前例を踏襲し、ミスを防ぐといった受け身の姿勢だけでなく、チャレンジする攻めの姿勢も求められます。従業員が萎縮して守りに入ることがないように、人事評価のシステムを工夫する必要があるでしょう。
攻めの姿勢を取る人物は、本人自身が大きなリスクを背負うため、周囲の人たちは極力関わらないように距離を置きたがります。不当な扱いを受けている人が多いでしょう。
今までの時代の評価は減点法で、チャレンジするほど点数が低くなるモデルで評価されます。今の時代に求められるのは加点法です。成功を数えるのが加点法であり、失敗しても成功すればモチベーションが上がっていくようなモデルとなっています。
なるべくなら、働く人個人個人が減点法の認識を捨てて、加点法で認識するクセをつけると良いでしょう。
苦情を味方につけるには?
商品やサービス内容、従業員の態度に関して、消費者から次々と苦情が寄せられる時代になりました。
企業がクレーム対応に神経を使うのは、クレームをうまく対処できれば、顧客の信頼を得ることにつながるからです。
思い入れのあるサービスを引き続き利用してくれる心理が働くことは、リカバリー・パラドクスという言葉として知られています。確固たるエビデンスが次々と証明されてきています。
しかし、好意的な人ばかりではなく、攻撃したいだけの特殊な正義感を持つ人種がいます。明らかに理不尽と思われるクレームに関しては、毅然とした態度を取るべきでしょう。