子どもの読む力を育てよう/著者:小川三和子

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書籍情報

タイトル

子どもの読む力を育てよう! 家庭で、園で、学校で

発刊 2024年9月9日

ISBN 978-4-7872-3540

総ページ数 212p

出版社リンク 青弓社

著者

小川三和子

八洲学園大学非常勤講師。
全国学校図書館協議会参事、日本学校図書館学会理事・役員、日本子どもの本研究会会員、日本図書館情報学会会員。

出版

青弓社

もくじ

  • はじめに
  • 第1章 現代社会のなかでの子どもたちと読書
    • 町の風景から
    • 情報社会に生きる子どもたち
    • 文字や文章を読む力の育成
    • デジタル情報と紙の本
    • 電子書籍と紙の本
    • 書くことと読むことの移り変わりとデジタル社会
  • 第2章 本を読むということ
    • 読書で育つ力
    • 読書の深まり
    • 学校教育と読書
    • 文化審議会が考える読書
    • 学校教育の変遷と読書の施策
  • 第3章 乳幼児期と読書
    • 赤ちゃんとのコミュニケーション
    • 赤ちゃん時代から読み聞かせを
    • ブックスタート
    • 読み聞かせ
    • 集団での読み聞かせ
    • ストーリーテリング
    • 昔話
    • 文化に出合う機会を
    • この時期にお薦めの本
  • 第4章 小学校低学年(1年生・2年生)の読書――本に親しむ
    • 「本を読みなさい」と言わないで
    • 学校での読書指導
    • 本に親しむ
    • 幼年童話などに親しむ
    • 本で調べる
    • ボランティア活動のこと
    • この時期にお薦めの本
  • 第5章 小学校中学年(3年生・4年生)の読書――多読と読書の質
    • 中学年は大切な時期
    • 中学年の読書指導目標と内容
    • 読めるようになるために
    • 課題をもって調べる
    • 本との出合い
    • この時期にお薦めの本
  • 第6章 小学校高学年(5年生・6年生)の読書――本との出合いを大切に
    • 読書離れしないために
    • 高学年の読書指導目標と内容
    • 目標をもって主体的に読む
    • 読書から広がる探究的な学習
    • 読書感想文のこと
    • この時期にお薦めの本
  • 第7章 中学生・高校生と読書――思春期の読書
    • 読書離れも背伸びも
    • 中学校・高等学校の読書指導の目標と内容
    • 児童書から大人向けの本まで
    • メディアの特性に応じた活用
    • 中学校・高等学校での読書活動
    • この時期にお薦めの本
  • 第8章 読書とバリアフリー
    • 誰もが読書の喜びを
    • 特別なニーズに応じた読書支援
    • 読むための壁を低くする努力
    • すべての子どもたちが読書をすること
    • 読書バリアフリーを理解するための図書
  • ブックリスト
  • おわりに

書籍紹介

本書のポイント

  • 読書の楽しさへの誘い:
    • 読むことが苦手な子どもたちに、読書の楽しさをどう伝えるかも重要なテーマです。物語の世界に引き込まれる感覚や、知識を増やす喜びを実感させる方法についても考えさせられます。
  • 読む力の本質:
    • 小川さんは、読む力とは単に文字を読むことではなく、文章から意味を理解し、自分の思考と結びつける能力だと述べています。この視点は、多くの教育者が見落としがちな部分です。理解する力、想像する力、そして批判的に考える力を育てることが重要だと強調しています。
  • 親の役割:
    • 親が子どもの読書活動にどのように関わるべきかについても触れられています。ただ読ませるのではなく、一緒に読み、議論する、物語の展開を予測するなど、能動的に関わることが大切だと説いています。
  • 具体的な方法紹介:
    • 実践的なアクティビティやゲーム、日々の生活の中で取り入れられる読解のエクササイズなどが紹介されています。これは、教育者だけでなく、親も実際に試してみやすい内容です。

読む力

 小川さんの提唱する方法は、子どもたちが自ら考え、表現し、理解を深めるプロセスをサポートするものです。教育の現場だけでなく、家庭でも実践できるアドバイスが満載で、特に現代の子どもたちが直面する情報過多の時代に、どう情報を選び、どう理解するかを教える上で非常に有用です。

 読む力とは何かを深く考えさせられ、そしてそれを実践するための道筋を示してくれます。親や教育者にとって必読の書と言えるでしょう。子どもたちの未来を考えるなら、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

読めるようになるために

 小学3年生くらいであれば、少し読み応えのある絵本と出会ってほしいです。絵の力も借りながら文章を読み、絵と文章が作り出す物語の世界を楽しんで欲しいと思っています。少し長い話を読めるようになるための橋渡しとしても役立つでしょう。

  • 小学校高学年に向けてオススメの本
    • 『ノラネコの研究』 福音館書店
      • 一匹のノラネコのあとをついていき、一日中ノラネコの行動を観察するといった絵本
    • 『干したから』 フレーベル館
      • 野菜や果実、魚に発酵食品、干して保存する知識に触れられる絵本
    • 『ルドルフとイッパイアッテナ』 講談社
      • 長距離トラックの荷台に乗ってしまったルドルフが、岐阜に帰るための冒険を描いた絵本
    • 『ロアルド・ダール コレクション2 チョコレート工場の秘密』 評論社
      • 映画『チャーリーとチョコレート工場』の原作、夢のようなチョコレート工場の実状を探検するお話。

すべての生徒に読書を

 部活動や受験で中・高校生は忙しいでしょう。それが読書離れの一因とも考えられます。しかし、読書をしないままでは、試験問題の文章を見ただけで拒否反応を示すほど、生活に必要な能力が育たない恐れがあります。

 小さな文字でびっしりと書かれた問題も丹念に読む力がある生徒は、それだけで優位に立てます。また、読書から得られる豊かな人間性や思考力・判断力は、部活動にも大いに生かされるでしょう。

 中学校3年生の読書指導の目的は、「自分の生き方や社会との関わり方を支える読書の意義と効用を理解すること」です。娯楽として読書に親しむだけでなく、読書を通じて考察したり、社会との関わり方を支える読書ができるようになることが理想です。国語以外の教科や学校生活全般での読書指導により、この目標を達成できる生徒が増えるでしょう。

図書館の活用を

 学校図書館に本しかなければ、学校図書館を活用する機会も減ります。多様なメディアを整備し、ディベートルームなどの設備を整えることが理想です。

 情報端末の活用とともに、情報活用能力を育てていくことも大切です。一歩進んで、都道府県立図書館も使いこなせるようになるとより良いでしょう。

 上野にある国立国会図書館国際子ども図書館には、「調べものの部屋」という学生向けの資料室があり、誰でも利用できます。どんな資料を探しているのかをはっきりさせて司書に質問できる生徒を全員が目指すと良いでしょう。

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