サクっとわかる新地政学/監修:奥山真司

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書籍情報

タイトル

サクッとわかる ビジネス教養 新地政学

発刊 2024年7月25日

ISBN 978-4-405-12036-5

総ページ数 175p

書評サイト 読書メーターPRTIMES

出版社リンク 新星出版社

著者

奥山真司

地政学・戦略学者。戦略学Ph.D。
国際地政学研究所上席研究員。多摩大学大学院教授。
防衛省や大学などの教育機関で地政学や戦略論教えている。国際関係論、戦略学などの翻訳を中心に、若者向けの国際政治のセミナーなども行う。

出版

新星出版社

もくじ

  • はじめに
    • 地政学とは…地理的に衝突が頻発する3大エリアをめぐる”国のふるまい”の研究
    • 理性が苦を戦略に活用すれば”道”や”要所”をおさえてエリアを一気に支配できる
    • 地政学を知ると見えてくる世界の姿
    • COLUMN 昔のセオリーがドイツやイギリス、アメリカで体系化されてきた! 地政学の歴史
  • chapter1 基本的な6つの概念 地政学のルールを理解せよ!
    • 基本的な概念
      • 地政学を駆使すれば世界を「コントロール」できる⁉
      • 他国をコントロールする戦略「バランス・オブ・パワー」は、要するに猿山理論
      • 「チョーク・ポイント」をおさえて国家の命綱である「ルート」を支配する
      • 国際的な紛争に見え隠れする「ランドパワー」と「シーパワー」の正体
      • 大きな紛争は「ハートランド」のランドパワーと「リムランド」のシーパワーの衝突
      • 国同士の衝突の火種に⁉コントロールに必須の「拠点」の重要性
    • COLUMN 一般的な学問とは少し異なる地政学の実像とその他の基礎的な概念
  • chapter2 日本の地政学 関係国とのリアルな情勢を知る
    • 地政学で考える日本の特徴
    • Question
      • 結局のところなんで北方領土はロシアから返還されない?
      • アメリカにとって沖縄米軍基地は”完璧な拠点”って本当?
      • ”世界の警察”たる米海軍の要⁉ 米海軍横須賀基地の”世界一の設備”とは?
      • 対馬列島、尖閣諸島……衝突の根底にある”近海の争い”って何?
      • 抑止力はわかるけど……それ以外、米軍って日本にどんな意味がある?
      • 今の段階では北朝鮮のミサイルを恐れる必要はない?
    • COLUMN 地政学戦略に深く関わる!「島国」や「半島」「内陸国」など国土のカタチの特性
  • chapter3 アメリカ・ロシア・中国の地政学 世界を動かす大国の戦略が見える
    • 地政学で考えるアメリカの特徴
    • Question 
      • 三大戦略地域
        • アジア 中国の急成長に対するアメリカの思惑は?
        • 中東 アメリカと中東諸国の関係って今どうなの?
        • ヨーロッパ 要所はウクライナとポーランド、さらに中東のトルコ⁉
      • 覇権国にもかげもり⁉アメリカで内戦が起こるってあくまで噂ですよね?
      • アメリカの進む道を決める大統領選挙 共和党のトランプと民主党のバイデンはどうちがうの?
    • 地政学で考えるロシアの特徴
    • Question
      • 解決の糸口が見えない争い……ロシアとウクライナ、現状と今後の流れは?
      • P36にも登場したけど「北極海ルート」はロシアと日本にどんな影響が?
      • ロシアの動きに大きく関わる「黒海・北極海ルート」以外の4ルートの現状は?
      • プーチン大統領はロシアの将来的な戦略をどう考えている?
    • 地政学で考える中国の特徴
    • Question
      • なぜ今になって中国は海洋進出を始めたの?
      • 明以来、2度目!海に出る中国のいかにも”陸の国”らしい海洋進出アプローチとは?
      • 中国と台湾が……????巷でよく聞く台湾有事ってリアルに何が起こる?
      • 現代版シルクロードといわれる「一帯一路」とは”いったい”どんな構想なの?
      • インドや東南アジアが反発⁉中国は水をめぐって周辺国と対立しているって本当?
      • 習近平国家主席の思い描く中国の未来とは?
    • COLUMN 不動産バブル崩壊⁉
    • COLUMN 広大な領域を支配!地政学でよく登場する歴史上の大国
  • chapter4 アジア・中東・ヨーロッパの地政学 さまざまな思惑が複雑に絡み合う
    • 地政学で考えるアジアの特徴
    • Question
      • 中国の裏で実は急成長 台頭するインドと中国の対立について教えて!
      • 東南アジアのベトナム・ラオス・カンボジア・タイと米中の関係って?
      • 小さな都市国家なのにシンガポールが発展したのは地政学的な優位性のおかげ?
    • 地政学で考える中東の特徴
    • Question
      • ISは崩壊したのに混乱のますシリア内戦……なぜこんなに衝突が続く?
      • 最近、さらに関係が悪化 そもそもイランとアメリカはどうして対立するの?
      • 想像以上に国土の広い中東の大国 トルコってアメリカやロシアとどんな関係?
      • イスラエル?パレスチナ?エルサレム?宗教も絡んでよくわからない問題を歴史から整理して!
      • 民間人を巻き込み過ぎ……イスラエルとハマスの激しい戦闘の裏には何が⁉
    • 地政学で考えるヨーロッパの特徴
    • Question
      • EU離脱も地政学的にはイギリスの伝統的な戦略って本当?
      • 地政学的に不利なはずなのにドイツのGDPが世界3位になったのはEUのおかげ?
      • ギリシャやユーゴラスラビアを救った地中海の地政学的な優位性ってなに?
    • COLUMN どこかで起こった出来事が世界中に大きな影響をあたえる ”地政学リスク”
    • アメリカ一極の秩序とは異なる世界になる⁉ 米中露による新冷戦とは
  • おわりに

書籍紹介

 奥山真司先生が監修するこの書籍は、地政学のエッセンスを手軽に学べる一冊として、ビジネスパーソンにとって非常に有益です。

イラスト図解による理解の促進

 初版から引き続き、地政学の難解な概念を視覚的に理解できるイラストが特徴的です。初学者でも地政学の基本を簡単に捉えられるように工夫されています。

最新の世界情勢に対応

 2020年に出版された前作『地政学』からの進化版で、今回は「パレスチナ・イスラエル戦争」「ロシアのウクライナ侵攻」「台湾有事」「アメリカの分断」といった現在の国際情勢に即したトピックスが追加されています。これにより、読者は最新の地政学的視点で世界を見ることができます。

奥山真司の「6つの概念」

 地政学を理解するための基礎となる6つの概念を基に、世界の動きを解説。これらの概念を通じて、読者は地政学的な思考法を身につけることができるでしょう。

なぜビジネスパーソンに必要なのか

 グローバル化が進む現代、ビジネスの舞台は国内だけで完結することはまれです。海外との取引や、国際的な規制の変化、政治状況の変動がビジネスに与える影響は計り知れません。この書籍は、その理解を助け、ビジネス判断の際に役立つ視点を提供します。特に、ニュースを見るだけでなく、その背景にある地政学的要素を理解することで、より深い洞察を得ることが可能になります。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

国同士の衝突の火種に

 エリアをコントロールするためには、その付近に拠点を設け、レーダーで監視したり、軍隊を駐屯させるなどして影響力を保持します。必要があれば、その影響力の及ぶ範囲内に新たな拠点を築き、侵攻していきます。

 急成長している中国は、アラビア半島に隣接するアフリカ大陸のジブチ共和国に初の海外拠点を置き、同時に南シナ海にも次々と拠点を設けています。

 イラン、ロシア、中国は、アメリカと対立しており、ロシアがクリミア半島を併合した理由も、拠点の奪還というものになっています。

 国と国の小競り合いは、コントロールに必須の拠点争いが原因であることが多いです。

現代の日中韓はレア

 朝鮮戦争以前は、日本のシーパワー勢力と朝鮮半島のランドパワー勢力が対立していました。しかし、朝鮮戦争後は韓国が基本的にシーパワー勢力に同調しているため、北緯38度線が境界となっています。

 現在の日中韓の関係は歴史上、かなり珍しい状態となっています。北朝鮮としては、有利な要求を通したいという思惑があり、「何をするかわからない」と思わせることで、要求を通す可能性を残す戦略を取っています。反乱を起こしにくい縦割りの官僚組織を維持しつつ、不定期に脅威を示すことで、隣国との国際情勢をなるべく有利な状態で安定させたいと探っています。

北海道を奪われた状態

 領土をめぐって激しく争うロシアとウクライナについて。2022年3月の侵攻開始直後には、ロシアが占領する地域を拡大しました。しかし、2022年11月にはウクライナがかなりの地域を奪還したものの、依然として国土の約20%がロシアによって占領されたままとなっています。

 この状況を日本に例えると、北海道をまるごと奪われたようなものです。この比率は朝鮮戦争の頃の韓国と北朝鮮の状況に似ており、今後、現在の前線が北朝鮮と韓国の国境のように固定化する可能性が考えられています。

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