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目次
書籍情報
メンターになる人、老害になる人。
前田康二郎
流創株式会社代表取締役
エイベックスなど数社で管理業務全般に従事し、サニーサイドアップでは経理部長として株式上場を達成した。その後、コンサルティング事業をしている。
クロスメディア・パブリッシング
- 第1章 メンターになる人と老害になる人は「紙一重」
- 老害の構成軸
- メンターになる人はレビューで5点をつけ、老害になる人は1点をつけがち
- メンターになる人は他人の気分を優先し、老害になる人は自分の気分を優先する
- メンターは「リーダーを困らせる人」を指導し、老害は「リーダー本人」を指導したがる
- メンターになる人は自分で自分を上機嫌にし、老害になる人は他人に機嫌を良くしてもらう
- COLUMN 人生100年時代をメンターとして生きる
- 第2章 ○○な人だからこそ、メンターにも老害にもなりやすい
- お世話好き、面倒見が良いから、メンターにも老害にもなりやすい
- お節介だから、メンターにも老害にもなりやすい
- 気が付きやすいから、メンターにも老害にもなりやすい
- 気が利くから、メンターにも老害にもなりやすい
- サービス精神旺盛だから、メンターにも老害にもなりやすい
- 経験年数や実績、成功体験があるから、メンターにも老害にもなりやすい
- 人脈があるから、メンターにも老害にもなりやすい
- 真面目で負けず嫌いだから、メンターにも老害にもなりやすい
- 「役に立つことを言わなければ」と思うから、メンターにも老害にもなりやすい
- 後継者の決まらないカリスマ経営者は、メンターと老害を兼任している状態にある
- COLUMN 老害ツールの変遷
- 第3章 自分の〝つい〟を抑えられない人がメンターから老害に転じる
- 自分の思い通りにならなかった時にする言動で、メンターか老害かが決まる
- 老害になる人は”つい”力ずくで主従関係を逸脱させないよう支配しようとしてしまう
- 老害になる人は、”つい”異なる意見を抹殺、排除しようとしてしまう
- 老害になる人は、”つい”自分の意見が通らなかった時に相手の悪口を言いふらしてしまう
- 老害になる人は、”つい”自分の意見が通らなかった時に相手に攻撃的になってしまう
- 老害になる人は、”つい”自分の意見が通らなかった時に人脈を駆使して相手をいじめてしまう
- 意見の違いを単なる「違い」と認識する習慣付けでメンターであり続ける
- 第4章 相手と関係性ができていないから老害と思われやすい
- いきなり注意されるのは「見ず知らずの人から石を投げられる」のと同じ
- 自分は関係性ができていると思っていても、相手も同じかはわからない
- 関係性ができていないから”怖い”と思われる
- 関係性ができていないから”古い”と思われる
- 関係性ができていないから”不気味”と思われる
- メンターになれる人は、「相手に合わせて」関係性を構築してくれる
- COLUMN 応援のパターンを「声援型」と「お祈り型」で使い分ける
- 第5章 メンターですら陥りやすい、老害と言われやすい話し方の「くせ」
- 老害と指摘されやすい人の話し方には「くせ」となる型(フォーマット)がある
- 正しいか、正しくないかで論じたがる
- 優れているか、優れていないかで論じたがる
- すぐ採点をしたがる
- 会話の冒頭を「否定」から入りたがる
- 社会的地位があるか、そうでないかで論じたがる
- 敬意を欠いた表現は日本人には抵抗がある
- COLUMN 「若害」との向き合い方
- 第6章 老害にならない「昔話」の話し方
- 現代に役立つ文献があるように、参考になる昔話もある
- オチを「今は贅沢」ではなく、「今は幸せ」にする
- 聞き手が置いてきぼりの昔話をせず、解説付きの昔話をする
- 仕事として知っておいて欲しい昔話は、動画など工夫をして伝える
- 自慢話・成功談の昔話のほうが安全な理由
- 昔話の名手は「どうでもいい細かいこと」を語れる
- インターネット上に載っていない昔話をする
- 昔話をお説教につなげない
- 品性のない話は昔話でも今の話でも「気持ちが悪い」
- 第7章 メンターであり続けるための発想の転換
- 「受け身」にならないことで老害に陥ることを未然に防げる
- 「下」が「上」を敬うのは「当たり前だという考えをいったん横に置く
- 「育ててあげよう」「教えてあげよう」より「支えよう」という考えを取り入れていみる
- 「いつもありがとう」と言う人は尊敬されている
- 相手との距離感の掴み方がわからなければ、メンターは「見守り」だと考える
- 第8章 老害とは縁遠いメンターの方達の特徴
- メンターは他者の成功を喜べる、喜び慣れしている
- メンターは冗談ばかり言う
- メンターは褒めてくれる
- メンターは励ましてくれる
- メンターは支えようとしてくれる
- メンターは共感してくれる
- メンターは現在進行形で生きている
- メンターは出し惜しみせず知識や知恵を授けてくれる
- メンターは自分より「下」の属性の人にもどんどん質問してくる
- 第9章 老害が自然に蔓延しやすい環境
- 老害が蔓延した職場環境では新人社員が就活生に老害をしている
- 歴史が長い組織
- 歴史が古い業界
- 規模が大きな組織
- 簡単に移動ができない環境
- 主従関係がある環境
- 属性や制約で「仕方なく」慕われているのか、「心から」慕われているのかを自分で見極める
- COLUMN 言いたいことがはっきり言えない人のほうがメンターに向いている?
- 第10章 組織の老害化を解消し、メンター社員を増やす社風改善
- 上司と部下が「メンター&メンター」となるように戦略的に人員配置を行う
- 「部下から提案をどれだけ採用したか」を評価項目に入れ「全社員メンター化」を目指す
- アナログ前提のワークフローをデジタル前提のワークフローに一新する
- 最新のコミュニケーションツールは、「禁止事項」を設定して導入する
- メンタル面でのメンター的存在となり得るコミュニケーションロボットの導入メリット
- 社内外の研修を通して言葉遣いを起点とした老害を発生させない体制を作る
- 上から目線にならず、手数を提供するワークショップでお互いのメンターになる
- COLUMN 「うちの上司は上ばかり見て下を見てくれない」理由
- 第11章 新しい職場やコミュニティでメンターとして慕われるコツ
- 今の居場所で「老害」と言われるくらいなら、新しい世界でメンターを目指しましょう
- スタートアップ企業が、老害もメンターも少ない物理的理由
- 偉い学歴や肩書、実績がある人ほど、謝意所の自己紹介であえてそれを言わない
- 相手との関係性ができるまでは細かいミスに気づいても指摘しない
- 周囲の言う「いろいろと教えてください」は敬意による社交辞令と理解し、本気にしない
- 周囲から具体的な質問をされるようになったら、関係性ができたと認識して知見を発揮する
- COLUMN 職場の不平不満をSNSに書き込む先輩を後輩をどう思うか
- 第12章 「会社員更年期」を上手く乗り越えられればメンターになれる
- 人は誰も「会社員としての更年期」があり、そこで老害化してしまうkとがる
- いつも頼りにされていたはずが、ある日突然老害扱いされる立場になる戸惑い
- 若手社員扱いだったのが、ある日突然ベテラン社員扱いになる戸惑い
- 転職、異動、リスキリングなどで畑違い、未経験の仕事になったと時の戸惑い
- 職場以外にストレスの解放先をつくる
- 人は「肩書がなくなったら人生終わり」ではない
- 「先生」がいる習い事をして「教え方」を再学習する
- 自分の能力が無力になる環境に身を投じてみる
- COLUMN メンターは知識を「攻撃」のために使わない
- 第13章 「老害! 老害!」と騒ぐ若者ほど、実は老害予備軍?
- 老害とは、「大人気ない」行為をまだしているkと
- 老害を受け流せる人と受け流せない人の違い
- 「年配に行ってもわからない」という人は、数十年後に「若者に言ってもわからない」と言う
- 身近な老害の具体的言動を書き出し、反面教師としてまずは自分がメンターになる
- 「プロ老害」がメンターを駆遂するキーワードは「皆が」
- COLUMN 知識のアウトプット・インプット
- 第14章 自身をメンターから老害に変えてしまう相手からは逃げる
- 「デキの悪い子ほどかわいい」の落とし穴
- メンターも、相手を選ばないと貰い事故を起こして晩節を汚す
- 御礼を言わない相手からは逃げる
- 自分の都合のよい時しか連絡・報告をしてこない相手からは逃げる
- 質問されて答えた回答に異を唱えてくる相手、批評してくる相手からは逃げる
- 「後から自分の気分がモヤモヤする」相手を避けることで、老害と言われずに済む
- COLUMN 知識を利己的に悪用せず、他者のために使う人がメンターとなる
- 第15章 「老害化」している人の周囲をメンターで取り囲む
- 老害化してしまった人を周囲の協力でメンターに引き戻す
- その人の知見が発表できる場所を確保し、その範囲内で活躍していただく
- 「何も言わずにただいてくれるだけで励みになります」と伝える
- 「私たちが『助けてください』と言ったときには助けてください」と伝える
- 何はなくとも「いつもありがとうございます」と伝える
- 「何か面白い話はないですか」と問いかける
- その人の愛読書や尊敬する偉人などを調べてそこから引用してコミュニケーションをする
- COLUMN 人的資本経営の時代こそ読書会を
- 第16章 老害を受けた時の気持ちの立て直し方
- メンタルは、鍛えて強くするのではなく、発想を変えるだけで十分強くできる
- 「誰に」「どのように」言われたかは気に留めず、言われた内容”だけ”に集中する
- 相手に負の出来事があったのだなと身を案じる
- 相手の負の臭いを空気清浄機のように吸い取り、プラスの感情で打ち返す
- その人に頭を下げたくなければ、自分の仕事に頭を下げる
- 自分の感情の主導権は自分で握る
- COLUMN 自分だけの「メンターリスト」を作る
- おわりに
書籍紹介
メンターになる人を知る
経験豊富な上司や先輩が「メンター」として尊敬される存在となるための秘訣を探りつつ、「老害」と見なされることなく、自身のキャリアをどう進めるべきかを示しています。前田氏は、自身の経験や多くの事例を基に、メンターと老害の境界線がどのように曖昧であるかを解説します。特に注目すべきは、「メンター」から「老害」へと転じるきっかけや、その予防策についての深い洞察です。
レビューと反響
- ブログやレビュー
- 「老害」と「メンター」の違いを明快に描写し、多くの人が自分自身を見つめ直すきっかけを提供していると評価されています。
- X上での反響
- 読者からは、「名著に出会えた」「自分のキャリアを考える上でクリアになる考え方が得られた」といった声が見られます。また、若手からベテランまで幅広い層に推薦されるべき本とされています。
リーダーシップを担う人へ
職場での人間関係や自己成長をテーマにした一冊です。特にリーダーシップを担う立場にある人々にとって、自身の振る舞いを見つめ直す良い機会を提供します。経験豊富な方々が、尊敬される存在であり続けるためのガイドブックとして、非常に有益です。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
自分の意見が通らない相手の悪口を言う
人材紹介会社のスカウトを経て、老舗企業に転職し、業務改善を行った際の話です。社歴が長い職員が業務改善に反対しました。その反対意見に対して、一つ一つ論破し、業務改善が行われることとなりました。
それ以降、そのベテラン社員は業務上の最低限の会話以外、口をきいてくれなくなりました。それどころか、社内で悪口を言いふらしていました。実は、管理職が変わるのは3人目で、その退職の原因がこのベテラン社員との摩擦だったそうです。経営陣の話では、社内人脈のある人の扱いに困っているとのことでした。結局、改善が困難を極め、私は転職を決意しました。
このようなケースでは、上司の言うことを部下が聞くという固定概念と、年上に対する敬意の欠如という思いがぶつかります。在籍の長い職員の顔を立てれば、業務改善の案もスムーズに進んだかもしれません。最終目標は業務改善であり、老害によって目的が頓挫するよりも、自分がへりくだってでも目的を達成する必要があったのではないでしょうか。
冗談ばかり言う
メンターであるコンサルタントの方と、食事に行った時のことです。メンターの方は最初から最後まで、始終冗談を連発していました。笑わせ、時には絶句させ、楽しい時間を過ごせるように振る舞っていました。
経営者の苦悩を解決できるのは、経営者ご自身にしかできません。だからこそ、周囲の人間ができることは、傾聴するか、応援するか、リフレッシュしてもらうことしかないのです。
メンターとの食事で、笑い飛ばせたからか、実際にリフレッシュできたような気がしました。どこでギャグを放つかはTPOをわきまえる必要がありますが、笑わせる能力もメンターの要素の一つです。
スタートアップ企業の老害
大企業や老舗企業で老害に悩まされてきた人が、転職をする際に、同規模の大企業や老舗企業を「慣れているから」という理由で選びがちです。しかし、結局転職先でも同じ問題で苦しむことになるでしょう。
一方、スタートアップ企業は社員数が少なく、OBもいません。年齢層も若いため、自分が老害にならない限り、老害が発生する余地がありません。
スタートアップ企業では、自分がメンターとなって課題を乗り越えていかないといけません。ハードな環境であり、変化が激しい企業ですので、社内ルールを前職のように固定したものにしようとすると、「老害」になってしまいます。スタートアップ企業では「変化」が常識です。
環境の変化を非常識だと思わずに、楽しんでいくことでメンターとしてご活躍できるのではないでしょうか。