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目次
書籍情報
令和6年度 すぐわかる よくわかる 税制改正のポイント
発刊 2024年5月27日
ISBN 978-4-905467-68-7
総ページ数 245p
今仲清
1984年税理士事務所開業。
株式会社経営サポートシステムズ代表取締役。
不動産有効活用・創造対策実践活動を指揮しつつ、セミナー講師として年間100回にのぼる講演を行う。
坪田晶子
1990年坪田税理士事務所設立。
TKC全国会中央研修所副所長兼租税法研修小委員長、TKC全国会資産対策研究会福代表幹事。
コンサルティングでは、企業や資産家などの顧客満足度が高い。全国で講演活動も行っている。
畑中孝介
2015年ビジネス・ブレイン税理士事務所設立、所長。株式会社ビジネスブレイン代表取締役。
大手企業や上場子会社、中堅企業・ベンチャー企業やファンドまで幅広い企業の財務会計顧問業務に従事。セミナー講師や新聞雑誌への投稿なども行う。
島村仁
2002年島村税部会計事務所解説。
資産家や企業オーナーの資産警鐘、事業継承進や個人資産のタックスプランニング、節税から納税資金確保までトータルにコンサルティングをしている。
TKC出版
- 第1章 法人税の改正
- 1.雇用者給与等支給額増加税額控除制度の改正
- 2.研究開発投資税制その他一定の税額控除不適用措置の見直し
- 3.中小企業事業再編投資損失準備金制度(中小企業経営資源集約化税制)の改正
- 4.戦略分野国内生産促進税制の創設
- 5.イノベーションボックス税制の創設
- 6.研究開発税制の改正
- 7.オープンイノベーション促進税制の延長
- 8.第三者保有の暗号資産の期末時価評価課税に係る見直し
- 9.スピンオフの円滑化のための組織再編税制の見直し
- 10.中小企業者等の少額減価償却資産の見直し・延長
- 11.交際費等の損金不算入制度の見直し・延長
- 12.外形標準課税制度の改正
- 13.生産方式革新事業活動用資産の特別償却制度(スマート農業技術等を活用した生産性の高い食料供給体制の確立に向けた税制)の創設
- 14.中小企業倒産防止共済掛金の損金算入制限
- 15.認定特別事業再編計画に基づく登記の登録免許税の軽減措置の創設
- 16.その他の法人税関係の改正
- 第2章 国際課税の改正
- 1.グローバル・ミニマム課税制度の見直し
- 2.外国子会社合算税制の見直し
- 3.過大支払利子税制の見直し
- 4.子会社株式簿価減額特例の見直し
- 第3章 消費税・印紙税の改正
- 1.プラットフォーム課税の導入
- 2.国外事業者に対する事業者免税点制度の特例の見直し
- 3.免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置の見直し
- 4.金地金等を取得した場合等の納税義務の免除の特例の見直し
- 5.帳簿の記載事項の見直し
- 6.更正の請求による消費税還付に係る受還付犯の適用の見直し
- 7.新型コロナ特別貸付けの契約書印紙税非課税措置の延長
- 第4章 所得税の改正
- 1.所得税・個人住民税の定額減税の全体像
- 2.所得税の予定納税・個人住民税の普通徴収の定額減税特例
- 3.給与所得に係る特別税額控除および特別徴収の定額減税特例
- 4.公的年金等に係る特別税額控除および特別徴収の定額減税特例
- 5.山林所得に係る森林計画特別控除
- 6.森林環境税・森林環境譲与税の改正
- 7.所得税の各種非課税措置および差押え禁止措置の延長
- 8.政党等に寄附した場合の寄附金控除または特別控除制度の延長
- 9.一定の公益法人等に寄附した場合の所得税額特別控除の見直し
- 10.国民健康保険税(料)の改正
- 第5章 金融税制の改正
- 1.ストックオプション税制の権利行使限度額拡大等
- 2.個人によるスタートアップ投資を促進するためのエンジェル税制の拡充
- 3.NISAの利便性向上等
- 4.その他の金融税制の改正
- 第6章 公益法人・公益信託等の改正
- 1.公益法人制度改革に伴う税制上の措置
- 2.新たな公益信託制度の創設に伴う税制上の措置
- 第7章 相続税・贈与税の改正
- 1.住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等の見直し・延長
- 2.特例事業承継税制に係る特例承継計画の提出期限の延長
- 3.個人版事業承継税制に係る個人事業承継計画の提出期限の延長
- 4.結婚・子育て資金一括贈与の非課税措置の拡充
- 第8章 土地・住宅税制の改正
- 1.子育て世帯等に対する住宅ローン控除の拡充
- 2.特定の居住用財産の買換え等の長期譲渡所得の課税の特例の延長等
- 3.居住用財産の買換え等の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例の延長
- 4.特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用期限の延長
- 5.収用交換等の場合の5,000万円特別控除等の拡充
- 6.特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の2,000万円特別控除の拡充・縮小
- 7.認定住宅等の新築等をした場合の所得税額の特別控除の見直し・延長
- 8.既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除の延長
- 9.既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除の見直し・延長
- 10.固定資産税の負担調整措置
- 11.認定長期優良住宅等の普及促進税制の延長
- 12.登録免許税の軽減税率の延長
- 13.耐震・バリアフリー・省エネ等リフォームの固定資産税の特例の見直し・延長
- 14.不動産取得税の税率軽減の延長等
- 15.新築住宅特例適用土地に係る不動産取得税の軽減措置の住宅新築期限の特例の延長
- 16.不動産譲渡に関する契約書等に係る印紙税の軽減税率の適用期限延長
- 第9章 納税環境整備
- 1.GビズIDとの連携によるe-Taxの利便性向上
- 2.処分通知等の電子交付の拡充
- 3.隠ぺいし、または仮装された事実に基づき更正請求書を提出していた場合の重加算税制度の整備
- 4.偽りその他不正の行為により国税等を免れた株式会社等の役員等の第二次納税義務の整備
- 5.保全差押え等を解除しなければならない期限の整備
- 6.地方公金に係るeLTAX経由での納付
- 7.税務代理権限証書等の様式の整備
- 8.個人番号を利用した税理士の登録事務等の利便性向上
- 9.長期間にわたり供託された換価代金等の配当がされない事態への対応
- 10.法定調書のe-Tax等による提出義務基準の引下げ
書籍紹介
内容の概要
本書は、税制改正の主要なポイントを体系的にまとめており、特に注目すべき変更点や影響を受ける分野について詳述しています。具体的には、以下のような内容が含まれています:
- 個人所得税の改正:給与所得控除や基礎控除の変更点を中心に、家計に与える影響を解説しています。
- 法人税の改正:中小企業に対する減税措置や新たな控除項目について詳しく説明しています。
- 消費税の改正:軽減税率の適用範囲やインボイス制度の導入など、消費者と事業者双方に関連する改正点を網羅しています。
特徴と利便性
本書の最大の特徴は、その「わかりやすさ」にあります。専門的な用語が多用される税制改正の解説書とは異なり、本書は平易な言葉で書かれており、税制に詳しくない方でも理解しやすい構成となっています。また、各章ごとに具体例を挙げて説明しているため、実際の生活やビジネスシーンでどのように影響が出るのかをイメージしやすいのも魅力です。
誰におすすめか?
この書籍は、以下のような方々に特におすすめです:
- 個人事業主やフリーランスの方:新しい税制がビジネスにどのように影響するかを把握し、適切な対策を講じるために役立ちます。
- 中小企業の経営者:法人税の改正点を理解し、経営戦略に反映させるためのガイドとして活用できます。
- 税務や会計の専門家:クライアントへの説明やアドバイスに役立つ情報が満載です。
- 一般のサラリーマンやOL:個人所得税の変更点を把握し、確定申告や年末調整に備えることができます。
税制改正のポイントをおさえる
『令和6年度 すぐわかる よくわかる 税制改正のポイント』は、新しい税制改正を理解するための必携書です。TKC出版の信頼性と、わかりやすい解説が特徴の本書は、誰でも手軽に税制改正のポイントを押さえることができます。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
国民健康保険税の改正
- 後期高齢者支援金等に係る課税限度額等が22万円から24万円に引き上げ
- 5割軽減対象の世帯軽減判定所得基準が29.5万円に引き上げ
- 2割軽減対象の世帯軽減判定所得基準も54.5万円に引き上げ
令和5年度に20万円から22万円に引き上げましたが、高齢者の医療費の増加に歯止めが利かない現状においては、後期高齢者支援金等課税額に係る課税限度額の引き上げは止まらないようです。
新NISAのポイント
つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能 | 新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能。年間投資枠は合わせて最大360万円。 |
非課税保有限度額 | 非課税限度額の総枠は1800万円に拡充。 |
非課税保有期間の無期限化 | つみたて20年、一般5年の非課税期間の撤廃。 |
譲渡損失の取り扱い | 公募等株式投資信託の受益権、上場株式等の譲渡等による損失金額は、所得税等の計算上ないものとみなされる。損失について、他の一般口座や特定口座との損益通算はできません。 |
ロールオーバー・課税口座へ払い出し時の欠点が解消 | 課税口座への払い出し時に薄価が切り下がり、将来の税負担が増える等のデメリットが、非課税保有期間の無期限化により、これらの懸念は解消された。 |
薄価残高方式での管理 | 年末までに売却した部分については非課税保有限度額の枠が空くこととなり、翌年以降、その非課税枠の再利用が可能となります。 |
金融機関のモニタリング | 成長投資枠を使った金融機関の回転売買による過度な誘惑などについて、金融庁が監督およびモニタリングを実施する方針。 |
結婚・子育て資金一括贈与の非課税措置の拡充
- 児童福祉法の改正により適用対象が拡大
- 子育て世帯訪問支援事業および親子関係形成支援事業に係る施設に支払うものが追加
少子化対策として、平成27年から「結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税特例」が始まりました。この特例の期限は、令和5年度の税制改正で令和7年3月31日まで延長されています。
この特例では、18歳以上50歳未満の人が結婚や子育てのための資金を受け取る場合、直系尊属(親や祖父母)から信託会社を通じて資金を受け取ると、1000万円まで贈与税がかかりません。ただし、そのうち結婚に使う費用は300万円が限度です。
また、令和6年の税制改正により、贈与税の非課税対象がさらに広がり、子育て支援施設も対象に加えられます。
e-Taxの利便性向上
- 法人のe-Taxによる申告等をGビズIDの入力のみで可能に
- すべての処分通知等をe-Taxで可能に
- e-Taxで処分通知等を受ける旨の同意について、あらかじめメールアドレスを登録して行う方式に
IDとパスワードを入力せずに、GビズIDでe-Taxが使えるようになりました。
現在、税務署からの処分通知などは9つの手続きに限定されて電子交付されています。改正により、すべての処分通知などが電子交付の対象になります。
e-Taxで処分通知などを電子交付で受けるためには、メールアドレスの登録が必要です。また、個々の処分通知ごとに同意する方式から、e-Tax上で一括して同意する方式に変更されます。