ポリティカル・スキル/著者:マリー・マッキンタイヤー

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書籍情報

タイトル

ポリティカル・スキル

人と組織を思い通りに動かす技術

発刊 2024年3月31日

ISBN 978-4-8156-2436-1

総ページ数 366p

著者

マリー・マッキンタイヤー

ワークプレイス心理学者。

自身のウェブサイトを通じて国際的に活動するキャリアコーチ。拠点をアメリカに持ち、日本、オーストラリア、カナダ、韓国、イギリス、ケニア、インド、フランス、中国、多くの国や文化を背景に持つ多種多様なクライアントにコーチングを行う。

出版

SBクリエイティブ

もくじ

  • Introduction――はじめに
  • PART1 「組織スキル」の極意
    • 第1章 「上り詰める人」だけが知っている組織で生きるためのスキル
      • 組織スキルがあれば、すべてが手に入る
      • すべての出発点は「自分の欲求」を把握することから
      • 「願望」ベースから「目標」ベースに思考を切り替える
      • 組織に生息する人間の種類は4タイプ
        • 成功者
        • 殉教者
        • 背徳者
        • 愚か者
      • 倫理観を疑われた者はリーダーになれない
      • 実践
        • 「願望リスト」から「目標リスト」をつくろう
        • 自分のタイプを把握し、問題行動をあらためよう
        • 抱え込んでいる倫理的なジレンマを整理する
    • 第2章 「上り詰める人」は職場に理想を求めず、現実だけを見る
      • 「周りは無能ばかり」という考えに取り憑かれた者の末路
      • 「成功者」はなぜ、正しい選択ができるのか?
      • 組織の掟に「民主主義」の言葉はない
      • 「不公平」を正そうとするのは時間の無駄でしかない
      • 実践
        • 上司との関係を正確に測ろう
        • 自分の組織IQを採点しよう
        • 「公平さ」へのこだわりを捨てる
    • 第3章 「上り詰める人」は相手との力関係を見きわめる
      • 「レバレッジ方程式」の計算ミスは致命傷になる
      • 絶え間なく変化する力関係に目を光らせる
      • 不満を訴えたところで1ミリも得はしない
      • 無駄なことにエネルギーを浪費せず、目標に集中する
      • 組織スキルを劇的に高める7つの「レバレッジ・ブースター」
      • 実践
        • 自分のレバレッジを計算しよう
        • レバレッジ方程式の計算ミスをなくそう
    • 第4章 「上り詰める人」は敵と味方を見分けて利用する
      • 「友人」「パートナー」「人脈」という3つの仲間を取り込む
      • 有益なネットワークを築くために、今すぐやるべきこと
      • なぜ人は自分が損をするバカげた行動を取るのか?
      • 敵の対処法には「法則」がある
      • 実践
        • 3つのネットワークの強度を測定しよう
          • 敵を見きわめ、対策を練ろう
  • PART2 「組織の力学」の落とし穴にはまらないために
    • 第5章 リーダーとは「組織内ゲームの勝者」である
      • 進行中のゲームに気づける「サイン」
      • 「パワーゲーム」に勝つ方法
      • 「エゴゲーム」に勝つ方法
      • 「回避ゲーム」に勝つ方法
      • もし組織そのものが有害な職場だったら?
      • 実践
        • 職場でくり広げられているゲームを理解しよう
        • 有害な職場かどうか判断しよう
    • 第6章 「上り詰める人」が絶対にしないこと
      • 一度「問題児」のレッテルを貼られたら、挽回するのは難しい
      • 人は「怒り」か「不安」によって自滅していく
      • 「私は犠牲者だ」という勘定にとらわれていたら要注意
      • 「自分のレンズ」でしか見えない人はリーダーになれない
      • ネガティブなセルフトークが悪循環を生む
      • 危険なサインをいち早く察知する方法
      • ネガティブなイメージから脱却する方法
      • 実践
        • 自滅好意をしていないかチェックしよう
        • 大胆なイメージチェンジを図ろう
    • 第7章 「上り詰める人」は権力に逆らわない
      • 職場の地位は役職だけでは決まらない
      • 力を読み違えた愚かな失敗を避けるために
      • 感情的立場には「親」「大人」「子ども」の3つがある
      • 「力のグリッド」で組織内の力関係を把握する
      • 「パワーエリート」には決して逆らうな
      • 実践
        • ロールモデルと自分の力を比較しよう
        • 自分に影響を与えている要素を分析しよう
  • PART3 組織において主導権を手にする
    • 第8章 「上り詰める人」は正しいプランを立てる
      • 4つの「P」から正しいゲームプランを立てる
      • 「花形職業」でないことは、力を手にできない理由にならない
      • 常に「ROI」を意識するマインドセットを持つ
      • 上司の価値観から逆算して優先順位をつける
      • 重要性だけでなく、「露出度」も意識する
      • 「こう見られたい自分」を演じる
      • 誰を「仲間」として引き入れるべきか?
      • 他人に対する許容範囲を拡大する
      • 徹底した自己分析から、現実に即したゲームプランが見えてくる
      • 実践
        • 4つの「P」から行動プランを立てよう
    • 第9章 「上り詰める人」には影響力という武器がある
      • 他人を変える前に、まず自分が変わる
      • 影響力は他人を介して発揮される
      • 影響力を高めるには戦略のレパートリーを増やす
      • 相手の「ものさし」を把握する
      • 最終的に得られる報酬だけを考え抜く
      • 「直接的な影響力」と「間接的な影響力」を使い分ける
      • 実践
        • セルフマネジメント能力を測定しよう
        • 改善すべき影響力のスキルを検討しよう
    • 第10章 「上り詰める人」は全方位で力関係を掌握する
      • 上・下・横360度に影響力を及ぼす
      • 「上司」をマネジメントするテクニック
      • 取り扱いが難しいエグゼクティブと一緒に働く方法
      • 同僚との付き合いでは「内部の顧客」を意識する
      • 好かれるリーダーよりも、部下を引っ張るリーダー
      • 実践
        • 「苦手とする力関係」を認識しよう
    • 第11章 組織で上り詰めるために必須のゲームプラン
      • 組織内での立ち位置を正確に知る
      • 「やめる」「始める」「続ける」の行動基準をもとにプランを実行する
      • 実践
        • 自分のゲームプランを決めよう
  • Epilogue――おわりに

書籍紹介

 ポリティカル・スキルとは、組織内での人間関係や影響力を駆使して目的を達成するためのスキルを指します。ビジネスパーソンだけでなく、あらゆる組織で働く人々にとって非常に有益な内容となっています。

書籍の概要

 『ポリティカル・スキル』は、組織内での戦略的な行動や意思決定に必要なスキルを具体的に解説しています。マッキンタイヤーは、豊富な実例とともに、成功するための鍵となる人間関係の構築方法や、効果的なコミュニケーションの取り方を詳細に紹介しています。

主な内容

  1. 自己認識と自己管理: 自分の強みや弱みを把握し、それをどう活用するかを学びます。また、感情のコントロールやストレス管理についても触れています。
  2. 他者との関係構築: 信頼関係を築くための基本的なスキルや、効果的なフィードバックの方法を具体的に示しています。特に、相手の立場に立って物事を考えるエンパシーの重要性が強調されています。
  3. 組織内での影響力の行使: 権力と影響力の違いを理解し、効果的に影響力を行使するためのテクニックを学びます。これには、説得力のあるプレゼンテーションや交渉術も含まれます。
  4. コンフリクトマネジメント: 紛争を予防し、解決するための方法を具体的に解説。対立が発生した際の適切な対応法についても詳述されています。

学べること

 組織内での成功は、単にスキルや知識だけでなく、対人関係やコミュニケーション能力に大きく依存しています。この本を読むことで、より良い人間関係を築き、自分の目標を達成するための具体的な手法を学ぶことができます。

どんな人にオススメか?

 マリー・マッキンタイヤーの『ポリティカル・スキル』は、組織内での成功を目指すすべての人にとって必読の一冊です。実践的なアドバイスと具体的な事例を通じて、ポリティカル・スキルを磨くための道筋を示してくれます。この本を手に取り、自身のキャリアや人間関係に新たな視点を取り入れてみてはいかがでしょうか。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

「願望リスト」から「目標リスト」をつくろう

 今から2年後、どのような仕事人生を送りたいでしょうか?2年後の理想の仕事人生を具体的に思い描き、その目標を達成するために今と違うことをすべてリストにしてみましょう。このリストを「願望リスト」と呼びます。

 願望リストができたら、達成したいことを具体的に定義しましょう。たとえば、「今の収入を○万円増やす」といった具体的な目標です。

 次に、その目標の妨げになっているものを考えてみてください。ネガティブな評価を受けていること、無駄遣いが多いこと、時間が足りないことなどが考えられます。

 これらの障害を乗り越えるために、自分にできることを探しましょう。十分な教育を受けていないなら、どうすれば学べるか考えます。昇給が望めないなら、将来性のある分野に移るにはどうすればいいのかを考えましょう。

 最後に、これまで考えたものを「私は○○する」という具体的な行動に落とし込みます。目標が大きすぎる場合は、小さく分解して、実行しやすくしましょう。少しずつ実行していくことで、目標達成に近づくことができます。

敵グループ

 敵には決まったパターンがあります。そのパターンに沿って行動するなら、一種のゲームとして捉えることもできるでしょう。ゲームが始まったと思ったら、まずそのパターンを解析し、次に取るべき行動を選ぶことができます。

「目的」敵グループ

 目的がはっきりしている敵にとって、あなたの存在は邪魔でしかありません。組織内の権力闘争に巻き込まれるのは容易です。誰かと争えば、周囲から非協力的な人だと思われてしまいます。

 敵対するグループと対峙する場合、望ましい結果は彼らを味方に引き入れることです。これを実現するためには、信頼を得ることと、目標が衝突しないことが必要です。

 どうしても味方にできない人には、もっと影響力のある人に抑止してもらうなどの方法が必要です。

「感情」敵グループ

 感情の敵は、癇癪を起こす、ふてくされる、徒党を組む、権力闘争をしかける、目立ちたがる、不機嫌になるといった存在です。

 感情で動く相手につられて自分も感情的になり、その結果として墓穴を掘ってしまうリスクがあります。常に落ち着いて対応することが重要です。

 感情的になる人は、自分の内面のドラマに夢中になっているため、他人がそこに入る余裕はありません。

「復讐」敵グループ

 彼らはあなたの行動に対して恨みを抱いています。

 自分の行動を振り返り、なぜ恨まれているのかを考えましょう。

 自分に変わる意思があることを相手に伝えれば、味方にすることができるかもしれません。たとえそうでなくても、働く環境は改善されるでしょう。

「パワーエリート」には決して逆らうな

 組織の文化の多くは、パワーエリートの信念、価値観、好みによって形成されます。

 CEOの交代などでパワーエリートのメンバーが大きく変わることがあり、それは大きなストレスの原因となるでしょう。しかし、組織で自由に働くためには、現職のパワーエリートが確立した文化に適応することが不可欠です。

 文化に逆らうのは、時間と労力の無駄です。成功する見込みはありません。

 もし文化が自分に合わない場合は、適応するために時間をかける必要があります。それでも合わないと感じたら、他の環境を探す方が賢明でしょう。

ゲームプラン「やめる」「始める」「続ける」

 「やめる」「始める」「続ける」という基準で考えれば、大きな目標を具体的なステップに落とし込むことができます。

  1. やめる
    • 現在やっていることの中で、目標達成の妨げになっている可能性のあるものを「やめる」カテゴリーに入れてください。
  2. 始める
    • どんな行動を始めると目標達成に近づくか。それが「始める」カテゴリーに入ります。
  3. 続ける
    • すでにやっていることの中で、目標達成のために大切なことを「続ける」カテゴリーに入れます。

 自分が変えられることに意識を集中し、他人が変わってくれることを夢想して時間を浪費することを止めましょう。自分の運命を自分で決められるように努力することが大切です。

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