※ 毎朝、5分以内で読める書籍の紹介記事を公開します。
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
目次
書籍情報
狩猟者のためのハンドクラフト教書
発刊 2024年1月5日
ISBN 978-4-635-81025-8
総ページ数 127p
山と渓谷社
- はじめに
- 狩猟鳥獣のハンドクラフト作品集
- chapter1 レザークラフト編
- 基本の道具
- 手縫いの基本と応用
- 主な狩猟獣の革の特徴
- ワイルド端切れキーホルダー
- マジック編みブレスレット
- やわらかカードケース
- 猟銃・空気銃所持許可証入れ
- シカ皮ボトルホルダー
- シカ革グローブ
- 獣革ロッドケース/獣革ポーチ
- ワイルド2WAYバッグ
- カーゴバッグ
- ファーストシューズ
- chapter2 骨・角クラフト編
- 頭骨標本
- シカ角ハンドルのナイフ
- シカ一本角の印鑑
- シカ角シカ笛
- 歯、爪、角を得る
- chapter3 皮なめし&剥製編
- なめしとは?
- 新・白なめし
- ミョウバンなめし
- テンの毛皮なめし実験
- 脚の剥製
- 鳥の仮剥製
- おわりに
- 狩猟にまつわる毛皮なめし関連会社一覧
- 製作者・監修者紹介
進化が生んだ物語
エレクトロフォーミングという技術で、いろいろな動物の骨に金属のような光沢を付けることができます。骨専門のアクセサリーブランドを立ち上げて、そこで作品を販売中です。
獣害対策や狩猟、ペット市場で亡くなった動物など、廃棄される予定だった骨を引き取って加工します。動物の機能美の詰まった骨を魅力的に見せる方法を探して、今日も齊藤敦司さんは工房で腕を振るっています。
狩猟獣の革
シカ
肌理が細かいシカの革は、いろいろな製品をつくることができます。
オスは丈夫で、メスはしなやかな特徴を持ちます。
毛皮の場合は、冬毛のほうが質がよく、なめ革にする場合でも季節や環境に左右されるのです。
小型の個体の場合は、皮が柔らかいので、剥皮などの際に刃物で穴を開けてしまわないようにしましょう。
イノシシ
毛根が貫通しているのが、イノシシのなめし革の特徴です。
大きな個体にはヨロイという肩の超硬い組織があります。基本的にはヨロイの部分は除去してから、なめし工程に入るのが普通です。
市販のブタ革に近い傾向がある革となっています。
クマ
丈夫でありしなやかな国内の高級革となっています。部位によっていろいろな表情を持つので、一頭なした革を入手したらどんな作品をつくろうか迷ってしまうほどです。
肉が好きだったり、果物が好きだったり、偏食だったり、また季節によって脂肪分が違うので、個体によっては脂肪を除去するのに苦労します。
肉も毛皮も状態がよい狩猟季節のものがオススメです。
なめしとは?
皮を柔らかくしたり、腐敗を抑えるための処理をするのが、なめし作業です。
なめし作業をする専門業者は全国にいくつか存在します。薬品を使うなめし作業であれば、車の金属錆び防止や革腐敗防止などを専門に開発している薬品会社と提携しなければなりません。6価クロム加工などしっかりした加工をするなら、専門業者に依頼するのが普通です。
狩猟者自身でできるのはミョウバンなめしと言われる、ミョウバンと塩で行うものです。剝皮後に残る脂肪を力作業でそぎおとします。台や銓刀(フレッシングナイフ)などが必要になり、時間もかなりかけます。完成したなめし革を宝物のように扱う猟師が多いのは、その労力があってこそでしょう。
感想
サイト管理人
なめし工程や剝皮の写真などが掲載されており、カバンになるまでにどれだけの工程があるのかがわかります。
やれ、ブランド品の縫い方が特徴でココが凄いとかの注目点の前に、なめし革を作るまでの工程や技術力がどれだけ凄いか理解しました。
剥皮の部分や下処理といった、薬品に浸けてドラムに入れるまでの処理は同時に大量に作業できないで、革製品にそれなりの値段が付くのは納得です。
財布もバックも要らないので、革製品を使うことはないのですが、ロマンを求めたアイテムであり、時代に応じてデザインを変えて流行しています。革製品を扱うなら流行のたびに変えるのではなく、長く愛用したいなと本書を読んで感じました。